クロール -凶暴領域-(4K UHD/iTunes Movies)
No Image | 原題 | CRAWL |
レーベル | PARAMOUNT PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2019年 | |
上演時間 | 88分 | |
監督 | アレクサンドル・アジャ | |
出演 | カヤ・スコデラーリオ、バリー・ペッパー、モーフィッド・クラーク | |
画面 | 2.40:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
水泳選手で大学生のヘイリーは、フロリダ大学で競技をしていて、惜しくも他者に負けた。悔しがるヘイリーに姉のベスから電話が入る。ハリケーンがフロリダを襲ってくる中、ベスとヘイリーの父に連絡が取れないという。ハリケーンがフロリダ直撃で住民に避難勧告が出る中、ヘイリーは父の家に帰るが、父は家にいなかった。それで、離婚した父と母がかつて暮らしていた家に向かうヘイリーだった。家に着いたヘイリーは、地下室に潜り込む。ハリケーンのせいで、地下室には水が流れ込んでいた。そして、父を探すヘイリーに、なんとワニが襲いかかってきた。辛くもワニの攻撃を避けたヘイリーは父を見つける。父もワニに襲われ、負傷していた。辺り一面は水没し、ワニがあちらこちらに存在していた。救助を求めるヘイリーと父だったが、二人を発見した人々もワニに襲われ絶命し、彼女たちは地下室に取り残される。ハリケーンの威力は増し、地下室の水没も激しくなっていく中、ヘイリーと父はワニの攻撃を逃れながら、家からの脱出を試みる。
レビュー
2019年に公開され、スマッシュヒットを放ったスリラー映画が、この「クロール -凶暴領域-」です。製作にサム・ライミが関与し、一種のホラー的要素のある映画として仕上がっています。製作費は結構安く上がり、興行収入も製作費は軽く越す成績を残しています。映画評論家および観客からの評価も結構高く、スリラー映画としては水準以上の出来に仕上がっている作品です。
話はハリケーンが襲来したフロリダで、連絡の取れない父を探しに行ったヘイリーが、父を見つけるもののハリケーンの影響でワニの大群の襲撃に遭い、そこからどうやって逃げ出すか、という映画になっています。物語の大半がヘイリーの実家の地下室での展開になっているため、閉鎖された空間での恐怖感が感じ取られるようになっています。
ワニはそこらかしこに登場し、ヘイリーや父だけでなく、ヘイリーたちを救助しようとした人々を次々に食い物にしていく様がホラー要素があるといえます。とはいえ、ワニが怖いかというと、日本ではワニは動物園や水族館で見られる程度で、恐怖心が植え付けられていないので、あまり怖さは感じず、その存在感は希薄であるといえます。
ワニがヘイリーたちを救助しようとする人々を次々に血祭りに上げていく様は、ホラー映画っぽく、どぎつい描写になっていますが、それも含めてヘイリーたちの危機感は感じられるようになっています。元々ハリケーンの襲来による危機感にプラスして、ワニの襲撃という恐怖感が、物語を盛り上げる要素になっています。
ヘイリーが水泳の選手であるという設定は、物語が進行するにつれ、ワニからの襲撃を逃れるための道具として生かされています。父を助けるために排水管を潜って外に脱出する様は、水泳の選手という設定がなければ、無茶な展開であったと思います。ただ、その後の展開はまた家の中に逆戻りですので、実は水泳の選手という設定はあまり大きな要素ではないのかもしれません。
映像は4K UHD/DOLBY VISIONで収録されていますが、システムの都合上HDR10で鑑賞しています。4Kマスターから製作された本作は、映像の精細感が素晴らしく、ハリケーンの雨が叩きつけるシーンなどで効果を発揮しています。また、地下室での展開ということで画面が暗いシーンが多いのですが、暗部階調が綺麗に出ていて、見やすい状態であるといえます。音響は残念ながらDOLBY DIGITAL 5.1chで収録されていますが、dts Neural:Xで鑑賞すると、ハリケーンの雨の音とか、雷の音などで頭上にも音が広がる感覚を覚えます。また、地下室のヘイリーたちの会話や物音がサラウンドを効果的に使用していて、音が広がる感覚に映画の面白さを感じるところであります。
コメント