バックドラフト(4K UHD/iTunes Movies)
No Image | 原題 | BACKDRAFT |
レーベル | UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 1991年 | |
上演時間 | 138分 | |
監督 | ロン・ハワード | |
出演 | カート・ラッセル、ウィリアム・ボールドウィン、スコット・グレン | |
画面 | 2.40:1/HDR10 | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
ブライアン・マカフレイは幼少の頃、消防士であった父の活躍を見に火災現場に赴き、目の前で父が殉職するのを目撃してしまう。大人になったブライアンはいくつかの職場を転々として、最終的には消防士になる。しかし、ブライアンが配属された署には兄であるスティーブンが在籍していて、弟であるブライアンに厳しく当たる。ブライアンも一人前の消防士になるべく火災現場で活動するのだが、兄であるスティーブンを超えることはできず、知り合いであるジェニーの勧めで、火災調査官であるリムゲイルの部下になり、火災原因を調べる職場に入ることになる。リムゲイルとブライアンの調査の結果、発生した火災はいずれもある目的をもって起こされたものであり、その背後にあるものを二人は探し求める。そして、ついに二人は事件の真相にたどり着く。その頃、大規模な火災が発生し、ブライアンはスティーブンと部下であるアドコックスの後を追って現場に赴く。
レビュー
実際に映画撮影中にスタジオで起きた火災事故にインスピレーションを得て、シカゴの消防署で活躍する消防士と、彼らを襲う火災現象「バックドラフト」を描いた作品が、この「バックドラフト」です。バックドラフトとは、空気の少ない状態で燃焼する炎が、空気が入ることで爆発的燃焼をすることを言います。映画の批評は水準ではありますが、興行収入的には成功の部類に入り、人気を保っている作品であります。
この映画の特徴の一つにあげられるのが、映画で取り上げられることのなかった消防士と火災を主人公に持ってきて、ドラマを描いたことにあると思います。実際、消防士が活躍する映画はこの映画の上映時点では珍しく、消防士の勇敢な活躍と、それに相対する火災事故の連続性が、映画の見どころの一つになっています。
主人公は消防士であった父を火災現場で失い、それが故に自分の立ち位置を失っているブライアンであり、それを証明するかのように冒頭のシーンでいくつもの職業を転々としていたことが明らかにされます。ブライアンが最終的に消防士になるのですが、兄であるスティーブンはすでに消防士として活躍していて、兄に対して反抗心を持っているのが、兄弟の関係を複雑にしていると言えます。
スティーブンも妻と別れて生活していて、彼の家族関係も複雑であることが明らかにされますが、メインとなるのは兄弟間の緊迫した関係性にあると言えます。ブライアンはその兄に勝てなくて自信を失い、最終的には火災調査官であるリムゲイルの部下になることで、火災事故の調査に取り組むことになります。リムゲイルもかつては消防士であったことが示唆され、リムゲイルとブライアンが火災現場を分析するところは、サスペンス調であると言えます。
リムゲイルとブライアンの調査により、シカゴで起きている火災について、ある意図を持った事件であると判明していくのですが、それがブライアンの兄であるスティーブンとその部下のアドコックスの関係にも踏み込んでいて、謎解きとしての面白さがあると言えます。クライマックスでスティーブンとアドコックス、ブライアンの関係から事件の真相が見えてくるのですが、それは悲劇であると言えます。その悲劇が物語の幕を下ろす結果になっています。
この映画のもう一つの主人公は、炎そのものであると言えます。火災事件自体は怖いし、危ないものであると言えるのですが、生きているかのように燃焼する炎そのものが、映画の主軸を担っていて、その炎の動きを見ているだけでも危ない魅力を感じるところであります。バックドラフト現象から、クライマックスの火災現場に至るまで、炎の存在がこの映画には欠かせないものになっているかと言えます。
映像は4K UHD/HDR10での収録です。マスターが35mmフィルムであるために、ネイティヴで4Kマスターにしているところもあり、解像度は鮮明であります。また、色乗りがはっきりしているので、シカゴの空は明るく、火災現場の炎が輝くような描写になっていて、映像の魅力を感じるところがあります。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chですが、サラウンドチャンネルに音響効果をよく回しているために火災現場に臨場感を感じるところであります。炎の動きが音響で再現され、迫力あるデザインをしているところであります。
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