パシフィック・リム(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビュー

パシフィック・リム(4K UHD/iTunes Movies)

No Image 原題 PACIFIC RIM
レーベル WARNER BROS. HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2013年
上演時間 131分
監督 ギレルモ・デル・トロ
出演 チャーリー・ハナム、イドリス・エルバ、菊地凛子
画面 1.85:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY ATMOS 英語
字幕 日本語

あらすじ

海底の奥底から突如人間の前に怪獣が現れ、人々を恐怖に陥れる。最初は軍隊が戦闘機などで怪獣を撃退していたが、次第に怪獣の出没する頻度が増え、太平洋に面している各国が協力して、怪獣を倒すことのできるロボット、イェーガーを製造し、怪獣を始末し始めた。その作戦は成功をしていたが、怪獣の攻撃は止まなかった。2020年のアラスカで、ベケット兄弟は怪獣を始末すべくイェーガーで出撃するが、戦いの途中ローリーの兄が怪獣の攻撃を受け、死亡してしまう。ローリーは二人でしか操作できないイェーガーを一人で操って、怪獣を始末する。それから5年の月日が流れ、怪獣の攻撃をイェーガーでは止められず、太平洋に面した国々は、怪獣が上陸できないような防御壁を作る方針を固めていた。しかし、イェーガープロジェクトの司令官ペントコストは、香港にイェーガーを集結させ、怪獣を阻止することに拘っていた。ローリーも再度スカウトされ、新たなパートナーとして、森マコという女性を得て、怪獣との戦いに挑む。研究者たちは怪獣の脳と接続をして、怪獣の目的を探っていた。その香港に巨大な怪獣が現れ、イェーガーたちは苦戦する。

レビュー

日本のアニメ等に造詣の深いギレルモ・デル・トロが、ハリウッドのCGIを活用して、実写版のロボット映画を作り上げてしまったのが、この「パシフィック・リム」です。映画興行収入としては、北米だけでは製作費を賄うことはできず、失敗作とみなされています。また、Rotten Tomatoesの映画批評家、観客評価も70%台と、水準並みの評価に落ち着いています。

ハリウッドの映画が日本の特撮映画、アニメを実写映画化することも多くありますが、大抵は失敗することの多いジャンルであると言えます。それは製作側が日本の特撮映画、アニメの型を描くことができなくて、それが致命傷になっているのですが、この「パシフィック・リム」は、日本のアニメに造詣の深いギレルモ・デル・トロが監督のみならず、制作、脚本にも関わっていることから、実写ロボット映画として、日本のロボット映画の型をきちんと取り入れて描いているところが、作品に深みを与える要因になっています。

海底から突如現れて人間を襲うモンスターは、日本の怪獣映画から取られた「怪獣」とそのまんま命名されていて、ニヤリとさせられるところがあります。その「怪獣」と相対する人間側の兵器が「イェーガー」という巨大ロボットで、操縦する人間の負荷を下げるために、二人ペアで操縦するというのが、また面白い設定になっていると思います。物語冒頭では、2020年のアラスカでイェーガーと怪獣の戦いが描かれ、イェーガーのパイロットであったベケット兄弟の兄が途中で戦死し、残されたローリー・ベケットが一人でイェーガーを操縦して怪獣を倒すという展開に緊迫感を感じます。

アラスカの戦いから5年後に物語の本題が入り、ローリーが再びイェーガーのパイロットとしてスカウトされ、怪獣と戦うことになります。ローリーの新たな相棒は、司令官ペントコストに育てられた森マコという女性であり、彼女はペントコストにイェーガーのパイロットになることを反対されますが、ローリーとドリフトした森マコは、過去の自分をローリーに知られることになり、彼女の生き様をローリーや観客に知られることになります。司令官ペントコストもイェーガーのパイロットだった経緯があり、彼の存在感も相当なものがあります。

香港でのイェーガーと怪獣の戦いは、巨大生物とロボットの戦いであり、ど迫力の演出がなされています。怪獣も登場するたびに強大になっていって、イェーガーの力で怪獣を抑えるのには苦戦を強いられます。それをどう解決していくかが物語の肝であり、イェーガー対怪獣の戦いの面白さであると言えます。そして、怪獣の真の狙いは研究者たちが怪獣の脳にドリフトすることで判明し、最後の戦いに向けて盛り上がることになります。

映像は4K/HDR10およびDOLBY VISIONで収録されています。マスターフォーマットは2Kですので、アップスケール4Kになりますが、解像度は精細感があります。イェーガーと怪獣のバトルのCGIをそれらしくするために、夜のシーン、雨のシーンおよび海底のシーンと、なかなか見づらいシーンが連続していますが、HDRの効果もあり、暗部の再現性が素晴らしくできています。音響はDOLBY ATMOSで収録されており、終始三次元サラウンドが効果を発揮している状態になっています。

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