ヘレディタリー/継承(HD/Netflix)
No Image | 原題 | HEREDITARY |
レーベル | A24 | |
制作年度 | 2018年 | |
上演時間 | 127分 | |
監督 | アリ・アスター | |
出演 | トニ・コレット、アレックス・ウォルフ、ミリー・シャピロ | |
画面 | 2.00:1/SDR | |
音声 | DOLBY DIGITAL PLUS 5.1ch 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
グラハム一家の祖母が亡くなった。娘であるアニーや孫であるピーター、チャーリーは落胆する。アニーの伴侶であるスティーヴンは家族を慰めていた。アニーはミニチュアの模型を作っていて、祖母の死をモデルにする。ある時、ピーターの友達からパーティの誘いがあり、ピーターは出かけようとするが、アニーに呼び止められ、チャーリーも連れていくことになる。そのパーティの途中でチャーリーは呼吸困難になり、ピーターは自動車のスピードを上げて病院にチャーリーを連れて行こうとするが、その途中で自動車の窓を開放し、窓から頭を出していたチャーリーは電柱にぶつかり、首がもげた状態で死去する。残されたグラハム一家は消沈する。そしてアニーはジョーンというおばさんと知り合いになり、ジョーンは霊媒師の技を使って、自分の孫を召喚することに成功する。それを見たアニーもチャーリーを召喚しようとするが、そのために残されたグラハム一家も危険な状態に陥ることになる。
レビュー
「ミッドサマー」でも有名になったアリ・アスターの監督デビュー作が、この「ヘレディタリー/継承」です。10百万ドルという低予算の制作費でありながら、北米の興行収入は44百万ドルとスマッシュヒットを記録している作品であり、批評家サイトであるRotten Tomatoesの批評家評価は89%と高評価を得ています。観客評価が68%と並の成績なのはちょっと感覚が違うかなというところもあります。
アリ・アスターのデビュー作である「ヘレディタリー/継承」は、ホラー映画ではありますが、シチュエーション・ホラーとでもいうべき内容で、ショッキングな描写は割と少なめで、登場人物の心理描写に重点を置かれている作品になっています。そのために物語はグラハム一家のそれぞれの心理がどう変化していくのか、といったところにフォーカスが当たっており、それが物語の怖さを演出しているところがあります。
特に物語で重要なキャラクターを演じるのは主人公アニーの娘であるチャーリーで、祖母の死去後から異常行動を起こすようになり、アニーの息子であるピーターの学校のパーティに連れていくところからショッキングな生の最後まで、彼女にフォーカスが当たっています。チャーリーがパーティ上で呼吸困難になり、ピーターがアニーから借りた車で病院に連れて行こうとするも、途中で事故死してしまうところなどは、結構ホラーしていると思います。
祖母に続き、娘を失ったことで、アニーの精神状態は悪くなる一方です。夫であるスティーヴンや息子であるピーターに辛くあたり、チャーリーの死を暗に責め立てています。そのアニーに近づいたのがおばさんであるジョーンであり、ジョーンが死んだ自分の孫を霊界から召喚したことにより、アニーもチャーリーを霊界から召喚しようとします。そのために、一家の絆は完全に破壊されることになります。
クライマックスは霊界から召喚したチャーリーの依代を見つけるためのアニーとピーターの戦いになり、ラストはそうきたか、というエンディングで終わりを告げます。最後のシーンは邪教のシーンを彷彿とさせる場面がありますが、それは物語のスケール感を出すのに適切であると思います。ピーターの立ち位置が、チャーリーのそれと入れ替わりになり、その続きはどうなるのかという疑問を残したまま、物語はエンディングを迎えることになります。
映像はHD/SDRで収録されています。解像度はHD画質としてはちょっと不満が残ります。映像の圧縮率が高くて、暗闇のシーンなどでブロックノイズが結構散見されます。昼間のシーンはまだいいのですが、夜のシーンでは厳しいところがあります。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chで収録されています。こちらはホラー映画ならではのサラウンドの使い方をしていて、四方八方から音が出てくるので臨場感を感じさせるところがあります。
コメント