オールド・ガード(DOLBY VISION/Netflix)
No Image | 原題 | THE OLD GUARD |
レーベル | Netflix/SKY DANCE | |
制作年度 | 2020年 | |
上演時間 | 125分 | |
監督 | ジーナ・プリンス=バイスウッド | |
出演 | シャーリーズ・セロン、キキ・レイン、マーワン・ケンザリ | |
画面 | 2.40:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
アンディが率いる4人のメンバーは、かつて仕事の依頼を受けた元CIAのコプリーから再度の依頼を受ける。同じ人物から2度の仕事の依頼を受けないことをモットーにしていた4人だったが、南スーダンの学校でテロがあり、子供たちが人質にとられているという話を聞き、その事態解決のためにコプリーからの依頼を受ける。そして南スーダンに入った4人だったが、子供たちが人質にとられているという話は嘘で、コプリーがアンディたちが隠している不死の生命を記録に残し、製薬会社のCEOであるメリックに売り込もうとしていたのである。アンディたちは、コプリー配下の兵士たちによって銃弾を受けるが、不死のために蘇ってしまう。そして、コプリーを抹殺しようと、行動を起こす。その頃、アフガニスタンに駐屯しているアメリカ軍のナイルという女性兵士は、敵に殺されてしまうが、彼女も不死の命を持っていたために生命が復活する。混乱するナイルの前にアンディが現れ、仲間にしようと努力する。そして、ナイルも次第に事態を飲み込んでいく。
レビュー
NetflixとSKY DANCEがグレッグ・レッカが描いたグラフィック・ノベルを原作にして、不老不死の生命を宿した5名の兵士が、自身の不死の生命を利用しようとする元CIAと製薬会社のCEOに対して対決をするという話が、この「オールド・ガード」です。Netflixで配信開始後、かなりの人気を誇り、再生回数も大ヒットを記録している作品であります。
この映画のポイントは、主役であるアンディとその仲間たちが不老不死であるという設定にあるといえます。不老不死なので、敵から攻撃を受けて怪我を負ったり、致命傷を負ったりしていても、必ず復活して傷口が塞がっていくという、まるで「ターミネーター2」のT-1000のような描写が随所に見られるところが、この作品を独特なものにしているといえます。しかも、不老不死と言っても、実際はいずれは死に至る、つまり傷口が塞がらないで致命傷を負うという可能性があるところに、この作品のインパクトがあると思います。
物語は当初、アンディをリーダー格にして、3名の仲間たちが作戦を遂行していく展開ですが、前半部で突然不老不死の能力を発揮してしまったナイルというアメリカ軍女性兵士が現れたことで、ナイルを仲間にしようとするアンディと、それを受け入れられないナイルの関係が物語のキーポイントになっています。特にナイルがどうやって最終的にアンディたちの仲間になるかが物語の中心になっていますので、その辺の描写はしっかりできていると思います。
その一方で南スーダンの学校を襲い、子供たちを人質にとったテロリストたちの始末を依頼するコプリーという元CIAは、実はテロリストの話がでたらめで、アンディたちが不老不死である証拠を掴み、製薬会社のCEOであるメリックに売り込みをかけるところが、敵なのかなと思いつつ見ていると、実はアンディたちがずっと昔から世界を救ってきたという情報を掴んでいて、彼女たちを尊敬しているところがあり、単なる敵になっていない描写だと思います。
アンディたちの真の敵という意味で言えば、製薬会社のメリックがアンディたちの不老不死の秘密を探るべくアンディたちを拘束し、実験に勤しむところがそうなのかなと思います。アンディたちは過去からずっと密かに世界を救ってきたのですが、それを打ち壊しにかかるのがメリックであり、彼が不老不死の秘密を握れば世界で大きな反響を起こすことを知っているところが、メリックの怖さであると言えます。
映像は4K/DOLBY VISIONで収録されていますが、室内シーンやアフリカのシーンが多く、暖色系に色が傾いているところがあります。解像度は4Kですので素晴らしい描写をしていて、色乗りも十分に乗っています。映像的には臨場感を喚起させるものになっています。音響はDOLBY ATMOSで収録されていて、銃撃シーンは自分の周囲に着弾音が広がり、ジェット機の移動感は頭上を飛び去り、全般的に三次元サラウンドの効果が抜群であります。
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