ターミネーター:ニュー・フェイト(4K UHD/iTunes Movies)
No Image | 原題 | TERMINATOR:DARK FATE |
レーベル | 20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2019年 | |
上演時間 | 129分 | |
監督 | ティム・ミラー | |
出演 | リンダ・ハミルトン、アーノルド・シュワルツェネッガー、マッケンジー・デイヴィス | |
画面 | 2.40:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
サラ・コナーはかつてターミネーターと戦い、息子であるジョンを守ってスカイネットによる人類抹殺を防いだ。しかし、その後もターミネーターはジョンを狙い、彼を抹殺する。それから時が経ってメキシコ・シティに住むダニーは工場で弟の首を取り消すよう交渉をしていた。そのダニーに新型ターミネーターREV-9が襲いかかる。パニックになるダニーだったが、未来から来た機械で強化された女性兵士グレースがダニーを守る。そして、その場にサラ・コナーも立ち合い、ターミネーターREV-9と戦い始める。しかし、ターミネーターREV-9は強力だった。ダニーたちはメキシコからアメリカのテキサスに移動し、ジョンを殺した後、人間的生活を送っていたターミネーターT-800と合流し、REV-9を倒すための戦いを始める。
レビュー
1984年に公開され、アーノルド・シュワルツェネッガーとジェームズ・キャメロンの名を一躍有名にした「ターミネーター」シリーズの最新作で、キャメロンが製作総指揮に戻ってきたことで、「ターミネーター2」の正統派続編と宣伝された映画が、この「ターミネーター:ニュー・フェイト」です。しかしながら宣伝文句とは裏腹にあまり高い評価は得ておらず、興行収入は失敗に終わっている作品であります。
映画は、「ターミネーター」、「ターミネーター2」とは違い、スカイネットによる人類抹殺という歴史はなかったことにされています。それは「ターミネーター2」でサラ・コナーがジョン・コナーを守り、T-1000を抹殺したことにより成功したためであります。しかしながら、ジョン・コナーはその後も現れるターミネーターT-800によって殺害され、サラ・コナーに心の傷を残してしまいます。
今作の主役はサラ・コナーではなくて、メキシコに住む女性ダニーになっています。ダニーが新型ターミネーターREV-9に襲われるところが話は始まりますが、その彼女を救うのが同じく未来からやって来た機械で強化された兵士グレースになります。そして、その二人をサポートするのが、サラ・コナーという展開になっています。今作は、ジェームズ・キャメロンの意向のためか、女性が強く活躍する作品になっています。
スカイネットはサラによって存在しない未来になっていますが、その代わりにリージョンと呼ばれるコンピューターが人類抹殺に動いているという設定になっています。そのため、タイムラインは「ターミネーター2」とは違う展開になっています。リージョンが人間を抹殺していく様は、展開的に面白いとは思います。スカイネットをいたずらに生かさないため、この作品だけの設定にしても違和感を感じないところはあります。
ジョン・コナーを抹殺したターミネーターT-800は、ジョンの殺害後、人間の女性とその息子を庇い、人間的知性を成長させていくことになりますが、演じるシュワルツェネッガーが老いているため、あまり強そうに見えないところがこの映画の作品の弱点を晒していると思います。そういう意味ではREV-9もT-1000の二番煎じ的キャラから脱することができず、演じる俳優さんも狂気が見えないため、あまり恐怖感が漂ってこないのが欠点かなと思います。
登場キャラ自体が以前のシリーズと比べて多いのもこの映画の特徴ではありますが、それが主役を霞ませている要因でもあるのかなと言えます。登場キャラの描き方が分散されてしまい、誰がREV-9を倒すのかが見えてこないので、登場キャラに対する応援度合いが見えないところが、この映画にあると思います。過去のシリーズの登場キャラは再登板しますが、それが活躍し損なっている場面はあり、もったいないところであると思います。
映像は4K UHDでかつDOLBY VISION対応作品であります。明るいシーンでは鮮明な映像で高精細感があり、光のテクスチャも見事なところがありますが、暗い場面ではほとんど人物や描写が見えない部分もあり、DOLBY VISIONの再現力の限界を感じるところでもあります。特にアクションシーンでほとんど真っ暗なシーンがあり、そこでの登場人物の活躍が見えないのは焦ったく感じます。音響はDOLBY ATMOSです。音響はパワフルで、イマーシヴな再現力を備えています。音が観客を包み込むようなサラウンドをしていて、迫力があり、アクション映画としては見事なサラウンドであると言えます。
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