ブラック・ウィドウ(4K UHD/IMAX ENHANCED/Disney+)
No Image | 原題 | BLACK WIDOW |
レーベル | MARVEL STUDIOS | |
制作年度 | 2021年 | |
上演時間 | 135分 | |
監督 | ケイト・ショートランド | |
出演 | スカーレット・ヨハンソン、フローレンス・ピュー、デヴィッド・ハーバー | |
画面 | 2.39:1&1.90:1(IMAXシーケンス)/DOLBY VISION,HDR10 | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
1995年のオハイオでは、ナターシャの家族が住んでいた。しかし父であるアレクセイが、アメリカの研究所からデータを盗み出し、国外逃亡を家族と一緒に図る。ナターシャの家族は本当の家族ではなく、アメリカから機密情報を盗むために作られた疑似家族だったのである。キューバに着いたナターシャたちはバラバラになり、ソ連のウィドウの訓練所でスパイとしての訓練を受けたナターシャは、その21年後、アベンジャーズの一員として活動をして、ソコヴィア協定を破ったためにロス長官に捕まりそうになっていた。それをかわしたナターシャは、ノルウェイに逃げ込む。その頃、妹役だったエレーナは、ある薬品を盗む仕事をしていて、その薬品を浴びたために、ウィドウの洗脳から溶けて、正気に戻る。そして、エレーナはナターシャと再会し、その後、父であったアレクセイ、母であったメリーナと再会し、ナターシャが殺したはずのソ連の機密部隊の長であるドレイコフが生きていること、ナターシャ等を狙ってタスクマスターを名乗る人物が動き出したことを知る。ドレイコフは、ウィドウを使って世界征服を狙っており、その野望を砕くため、ナターシャたちは活動を開始する。
レビュー
マーベル・シネマティック・ユニバースのフェイズ4の映画としては1作目に当たる作品が、この「ブラック・ウィドウ」です。元々は2020年に公開予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大による映画館閉鎖を受けて、何回も公開日が延期され、最終的には2021年7月に劇場とDisney+のプレミアアクセスで配信公開という変則公開になりました。この変則公開が裏目に出て、興行収入は思ったほど入らず、北米だけでは製作費を下回る結果に終わりました。Rotten Tomatoesによる批評家評価は79%、観客評価は91%と、それなりに高い評価は得ていると思います。
映画は「アイアンマン」、「キャプテン・アメリカ」、「アベンジャーズ」で脇役として活躍していたロシアの女スパイであるナターシャ・ロマノフ、別名ブラック・ウィドウを主役に添えて映像化した彼女の初の単独映画であり、時代設定は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」と「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の間の出来事を描くものになっています。
映画は、ナターシャを主役に添えて、彼女を取り巻く家族について描かれたアクション映画になっています。ナターシャの実の母親は、ナターシャが生まれるとすぐに離れ離れになり、ソ連の機密部隊であるウィドウの中に放り込まれ、女スパイとして育てられることになります。そして、その中で、ナターシャが少女の頃にアメリカで疑似家族を作り、アメリカの研究所で開発していた薬品を盗み出すという仕事を父役であるアレクセイが行い、アメリカから脱出します。そこでナターシャの擬似家族は終わったように見えるのですが、21年後に再び再会し、ソ連の機密部隊の長であるドレイコフの野望を砕くべく、戦いに身を投じるというのが展開です。
本当の親を知らないナターシャは、疑似家族に頼るしかないのですが、ソ連の擬似家族は心がバラバラで、アベンジャーズも内部分裂していた時期ですから、ナターシャの心境は落ち着かないものであったと推測できます。その擬似家族が次第に昔の絆を取り戻し、ドレイコフの野望を打ち砕くべく、皆が奮戦する姿は、家族の在り方として、正しい行いのように思えます。特に妹役だったエレーナとのやりとりは、結構ほっこりさせるものがあります。エレーナが、ナターシャの地上に着地する際の決めポーズを真似るシーンは、ちょっと笑いを取るものになっています。
ナターシャがドレイコフの野望を打ち砕いて、ウィドウの洗脳を解くシーンでは、また一つの敵を消滅させたという達成感を感じるところがあります。そして、擬似家族の絆が強まったところで、ナターシャは後始末のために一人残ります。そのナターシャも「アベンジャーズ エンドゲーム」である悲劇が襲い、エレーナがその悲劇を悲しんでいるおまけ映像が、今後の展開を予期していて、気になるところであります。
映像は4K/DOLBY VISION,HDR10で収録されています。マスターフォーマットは2Kですので、アップスケール4Kになりますが、解像度としての不満はありません。再生機器の都合上、HDR10で鑑賞しましたが、とにかく画面が明るくて、煌めいている感覚の強い映像になっています。「IMAX ENHANCED」と銘打った今回の配信は、映画館のIMAXシアターで上映されていた画面サイズと同じ仕様になっており、1.90:1のIMAX画面がアクションシーンを中心に描写され、2.39:1の画面より26%広い画面領域で迫力あるアクションシーンを堪能できます。音響は映画館のIMAXではあり得ないDOLBY ATMOS仕様で提供され、音に包み込まれる感覚が強く、IMAXシーケンスのシーンでは画面領域の拡大と同時に、三次元サラウンドが効果的に配置されています。
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