ラン・オールナイト(4K UHD/iTunes Movies)
No Image | 原題 | RUN ALL NIGHT |
レーベル | WARNER BROS. HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2015年 | |
上演時間 | 114分 | |
監督 | ジャウム・コレット=セラ | |
出演 | リーアム・ニーソン、ジョエル・キナマン、エド・ハリス | |
画面 | 2.40:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
殺し屋のジミーは、昔からの友人で悪事に手を染めて財をなしてきたショーンの指示を受けて、邪魔者を排除してきた。しかし、そのために家庭を顧みることはなく、ジミーの妻の死に目にも会えず、息子のマイクとは疎遠になっていた。ある日、ショーンの息子であるダニーは、ヘロインの供給を受ける仕事を父であるショーンに持ち込んでくるが、ショーンはかつてヘロインに手を出して失敗した記憶があるため、ダニーの頼みを断っていた。ヘロインの供給源である売人は、ダニーに手数料の返還を求めるが、ダニーは売人を殺してしまう。そして、売人をリムジンで運んできたマイクにも手を出そうとしていた。そこにジミーが登場し、ダニーを殺してしまう。ダニーが友であり、信頼できる仕事屋であったジミーによって殺されたことを知ったショーンは、ジミーとマイクの抹殺を手下たちに指示する。そして、警察もジミーの過去の犯罪歴から逮捕に躍起になっていく。ジミーとマイクの長い一晩が始まった。
レビュー
すっかりアクション俳優となってしまったリーアム・ニーソンが、ジャウム・コレット=セラと三度タッグを組んで制作されたアクション映画が、この「ラン・オールナイト」です。映画の製作費は50百万ドルかかっていますが、北米での興行収入は26.5百万ドルしか稼げず、失敗作とみなされています。また、映画批評サイトであるRotten Tomatoesでの批評家評価は59%、観客評価も56%と奮わない結果になっています。
この「ラン・オールナイト」は一晩の出来事を描いた映画ではありますが、物語の根底には親子の関係が強く描き出されたものになっていると言えます。主人公ジミーは殺し屋であったがために息子のマイクとは疎遠になっていますが、ジミーの友であり、殺しの指示をかけていたショーンの息子ダニーをジミーが殺したことで、血で血を洗う抗争に落ち込んでいってしまいます。ジミーとマイクは殺し屋の追撃を交わす途中で次第に親子の絆が芽生えていきますが、ショーンはダニーを失ったことで、理性が吹き飛んでしまいます。
ジミーは殺し屋であるために、過去に敵対する組織のメンバーを抹殺してきた経歴を持っていますが、警察もそれを把握できておらず、いつか機会があれば、ジミーを逮捕したいと狙っています。そんな中、ショーンの息子であるダニーをジミーが殺したことで、ジミーとマイクを抹殺する指示がショーンから出たことで、警察も逮捕のチャンスが巡ってきており、ジミーはショーンの手下と警察という2大組織から狙われる羽目になります。その中をどう切り抜けていくかが、物語の基本であると言えます。
ジミーもショーンと取引しようと考えてはいるのですが、息子を失ったショーンには聞く耳を持たず、結果的にジミーとショーンは正面から対決する結果になります。その結果は、ほろ苦い展開になっています。また、ショーンは別の殺し屋をジミー抹殺に向けて差し出しており、この殺し屋とジミーとの対決が物語を盛り上げる展開になっています。
様々なキャラがそれぞれの想いで動いている映画ではありますが、それがわずか一晩での出来事として描かれるのが、この物語のスピード感を感じさせるものになっています。ニューヨークの街中で起こる事件にはリアリティを持って描かれています。ジミーとマイクの逃走劇には、魅力的な街の映像が十分映えているところがあります。
映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。マスターデータは2Kですので、アップスケール4Kとなり、解像度はそれほど高いものではありません。感触としては4K UHDというよりは2K映像の感じが強いです。また、DOLBY VISIONで収録されていますが、HDR効果は思ったほどは高くなく、光の輝きなどはあまり映えていない感触を受けます。ただ、夜のシーンが多いので、暗いシーンの描き分けは十分に感じます。音響は劇場公開時からDOLBY DIGITAL 5.1chですので、EXOFIELD THEATERのDOLBY SURROUNDモードで鑑賞しましたが、擬似的に頭上方向の音が感じられ、雷の鳴る音や、地下鉄の走行音などで効果を発揮しています。また、銃撃シーンでは臨場感を得ることができます。
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