佐野元春「THE SUN TOUR」渋谷公会堂
2004年10月16日
前回のイベントに引き続き、ついに佐野元春の全国ツアー「THE SUN TOUR 2004-2005」がスタートした。アルバム「THE SUN」の世界をどうライブ表現するのか興味は尽きなかった。ファンクラブでのチケット先行予約で運良くツアー初盤の渋谷公会堂と中盤の神奈川県民ホール(これは 12 月 24 日というハマりすぎの日だ)のチケットが確保できた。
当日は朝から曇りだった。しかも気温が低く肌寒い一日だった。なぜかは知らないが僕が元春のライブに行く日は曇りだったり、雨だったりすることが多い。8 月のイベントのときも肌寒く雨が降っていたし、どうも相性が悪いのではないかという気がしてならない。
16 時過ぎに自宅を出た。渋谷に来るのも本当に久しぶりな気がするが、相変わらずすごい人込みだった。のんびり歩いていくとちょうどいい時間に渋谷公会堂に到着した。
すでに開場していたので、入場して、自分の席に荷物を置き、グッズを買いにロビーへと向かった。ロビーでふと腕をつかまれたので振り向くと、例の元春ファンの方々だった。意外に早く出会ってしまった。結局その時点では気分的にも落ち着いていたこともあり、ライブ終了後のお茶に参加することにしてしまった。
ロビーではファンクラブスタッフらしい人たちがビデオカメラでファンの様子を撮影していた。ファンクラブサイトで使う素材なのだろうか。僕はそれを横目にしながらコンサートパンフを購入し、自分の席で開演を待った。
ステージは妙に暗い。照明が当たっていないからかな、とも思ったがどうも違うようだ。どうも暗幕がステージ前にかかっているようだ。
開演時間の 18 時を少し過ぎた頃、ライブが始まった。暗幕が上がり、ギターの爆音が轟く。そして元春が歌いだした一曲目は意外な曲だった。
第一部
- バック・トゥ・ザ・ストリート
- ソー・ヤング
- ハッピーマン
- ヤァ! ソウルボーイ
- 僕は大人になった
- また明日…
- 風の手のひらの上
- 99 ブルース
- インディビジュアリスト
第一部はおなじみの曲をプレイ。とは言っても「バック・トゥ・ザ・ストリート」や「また明日…」はライブで聴いたのは初めてだったし、今回どの曲も妙にタイトなアレンジになっていたような気がする。どの曲も演奏時間が短く、この第一部の総演奏時間はわずか 40 分ほどであった。ここで約 10 分の休憩時間が入る。
第二部
- 月夜を往け
- 最後のワンピース
- 恵みの雨
- 希望
- 地図のない旅
- 観覧車の夜
- 君の魂 大事な魂
- 明日を生きよう
- DIG
- 太陽
第二部はアルバム「THE SUN」からの演奏。第一部に比べるとゆったりとしたテンポに聞こえる。第一部ではステージ後方には暗幕に小ランプが点いていて夜空をイメージさせる演出だったが、第二部では、アルバムジャケットそのままの壁のオブジェが鎮座していた。しかもラストの太陽ではそこに仕掛けがあり、思わず涙してしまった。もう 20 年近く元春のライブに行っているが、泣きそうになったのは今回のこの曲が初めてだ。全般的に元春クラシックな第一部と比較しても第二部の方が感情移入できた。
アンコール 1
- バイ・バイ・ハンディ・ラブ
- アンジェリーナ
アンコールもまた珍しい曲が演奏された。「バイ・バイ・ハンディ・ラブ」も今まで一度も聴いたことがない。大体ベストアルバムでも収録されることが少ないし、どうしちゃったの? という感じだった。
アンコール 2
- 悲しき RADIO
- HKB メドレー
この辺りになるともう頭の中は真っ白になっていた。心地よい気分でライブに浸れていた。
「HKBメドレー」は前回のイベントで「デトロイト・メドレー」と書いた曲と同じものだった。大分アレンジが変わってしまっているので曲名も変わったらしい。
会場の盛り上がりはすごいものだった。東京でのライブというとどうも今ひとつ盛り上がりに欠ける、という印象があるのだが、今回は爆発していたように思う。特に僕の座っていた一回席の左側はものすごく盛り上がっていたようだ。
しかし、今回のライブの演奏時間は短かった。トータルで 2 時間ぴったりぐらいだったのではないかと思う。90 年代半ばの 2 時間半 – 3 時間という長時間ライブを経験している身としては、もっと長くてもという気もしているが、元春もファンも年齢を重ね、長時間ライブに耐えられなくなってきているのかもしれない。
ライブ終了後は、ファンの方々と出会え、サンドウィッチ屋で談笑した。みんなファンとしては濃い方々なので、話が合う。友人にも会社にも元春ファンはいないので、こういうメンバーでも話も楽しいな、と思っていた。しかし途中からアニメとか特撮の話にまで話が及んでしまったのには少し身を引いてしまったが…。
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