佐野元春「THE SUN TOUR」神奈川県民ホール
2004年12月24日
前回の渋谷公会堂に続いて二度目の「THE SUN TOUR」を体感する日がやってきた。しかも世間ではクリスマスイブということで浮かれている。独身なのでクリスマスイブだからといって特に浮かれるというわけでもないが、それでも何か特別な日という感覚は持っている。そんな日に佐野元春のライブがあるというのはなんだかクリスマスプレゼントをもらったような気がする。
考えたら、12 月 24 日のクリスマスイブに横浜で佐野元春がライブを行うのは 11 年ぶりではないかと思う。確か、「THE CIRCLE TOUR}の公演だったと思う。そのときも行った記憶があるのだが、ずいぶん時間が経っているなとと思った。
会場には、17 時 45 分に入った。さすがに週末の金曜日でクリスマスイブとはいえ、平日だから会社帰りの方も多いからだろう。まだ会場内はまばらな状態だった。僕はちゃっかり有給休暇を取っていたため、余裕で行動していたが、もし、会社に行っていたら、かなりぎりぎりに入場する羽目になっていただろう。下手すると最初のほうは見れないか、チケットを買ったのにもかかわらず観に行けないという自体も発生していたかもしれない。
会場である神奈川県民ホールは、収納人数的には渋谷公会堂とそう変わらないはずだが、空間的なゆとりがある気がする。渋谷公会堂は何か圧迫感を感じるのである。
開演前の BGM も今日はクリスマスソング一色だった。段々気分が盛り上がってくるのを感じる。
開演時間である 18 時 30 分頃になると客席も大分埋まってきた。ところどころ空席も目立つようだが、まずまずの客の入りのようだ。前回の「THE MILK JAM TOUR」の時にはもっと空席が目立っていたような気もするので、今回はチケットが売れていたということだろう。ただ、当日券が出ていたことからしても、完売には至らなかったようである。やはり平日ということが災いしていたのかもしれない。
開演時間を 10 分ほど押して、ライブはスタートした。一曲目は前回と同じく、「バック・トゥ・ザ・ストリート」だった。
第一部
- バック・トゥ・ザ・ストリート
- ソー・ヤング
- ハッピーマン
- ヤァ! ソウルボーイ
- 僕は大人になった
- また明日…
- 風の手のひらの上
- 99 ブルース
- インディビジュアリスト
第一部は前回の渋谷と全く同じ構成だった。前回のときにも感じたのだが、いつもあまり演奏しない曲を演奏しているのにもかかわらず、なぜか今ひとつ入り込めない。ひとつにはアレンジの問題があるような気がする。音に厚みがないのがその原因かな、と思っている。音に厚みがなく、アンビエント感がないので、ロック色が強いといえば強いのだが、その分音がすかすかした印象を受けてしまうのである。僕のお気に入りの曲である「インディビジュアリスト」を聴いても興奮しないのはそのせいかなと思ってしまった。以前なら、この曲を聴くと頭の中が真っ白になって興奮状態に陥るのだが。
第二部
- 月夜を往け
- 最後のワンピース
- 恵みの雨
- 希望
- 地図のない旅
- 観覧車の夜
- 君の魂 大事な魂
- 明日を生きよう
- DIG
- 国のための準備
- 太陽
第二部に入ると段々ライブに入り込んでくる。多分今の僕の心境がこちらの曲のほうに感情移入している為だろう。曲順も曲目も渋谷と同じかな、と思っていたら、「国のための準備」まで演奏してくれたのですっかりご機嫌になる。ライブの締めに「DIG」だけだと、ちょっと物足りないな、と前回思っていたのでこの演奏はうれしい。ラストの「太陽」は、ステージ上の演出の秘密のネタを知っているのにもかかわらず、今回もほんのり涙が浮かんできてしまった。やはりこの曲はいい。
今日の元春のは終始ニコニコしていてとてもご機嫌な様子である。こんな元春を見るのも久しぶりという感じがする。それと、渋谷のときと比べても MC がやたら饒舌であった。ずいぶんよくしゃべっていた。
アンコール 1
- バイ・バイ・ハンディ・ラブ
- アンジェリーナ
アンコールも渋谷と同じ曲だった。地方だと、「バイ・バイ・ハンディ・ラブ」の代わりに「彼女はデリケート」を演奏していたりするようだが、横浜はよく来ていることもあってか、こちらの曲だった。
アンコール 2
- クリスマス・タイム・イン・ブルー
アンコール 2 回目は、待望のクリスマスソング。まさにハマりすぎの曲である。しかもこの曲聴くのも久しぶりである。記憶に間違いがなければ、7 年くらいライブで聴いていないのではないかと思う。それだけに幸せな気分に浸れる。歌を歌いだす前には、元春がステージの袖からクリスマスツリーを引きずってきて、キャンドルを点灯させる、というパフォーマンスも見せ、よりクリスマスの気分に浸らせてくれる。歌い終わると、元春はあっという間にステージ袖に引っ込んでしまう。他のメンバーが驚く位である。見ている僕も「早い!」と思ってしまった。
アンコール 3
- 悲しき RADIO
- HKB メドレー
前回は行わなかったメンバー紹介をここで行った。前回、メンバー紹介がなかったので違和感を感じたのだが、今日はそれがあったのでほっとする。この曲をやる前、元春はこんな MC を言っていた。
「口の悪いファンは「元春は古い曲ばかりやる」というけど、昔を懐かしむためにやるんじゃない。今を楽しむためにやるんだ。」
これは前回の渋谷でも言っていたが、昨年のライブのときにファンの一人から放たれた野次に対しての発言らしい。そのとき元春は相当ショックを受けたようである。しかし今回それを笑いながらしゃべっているということは、ようやく新しいアルバムが完成して、自分に自信を持てているからではないかな、と思っている。この曲ではこちらの興奮も最高潮になる。純粋に曲を楽しみ、元春とのコール & レスポンスを楽しんでいた。
ここまでで今日のライブは終了かなと思ったら、また元春はあっという間に袖に引っ込んでしまった。
アンコール 4
- 彼女はデリケート
なんと 4 回目のアンコールである。長いこと元春のライブに行っているが、アンコールが 4 回というのもめずらしいのではないだろうか。もちろん、こちらとしてはおまけが増えたようなものでうれしいが。この曲もご機嫌な気分で聴いていた。
「彼女はデリケート」が終わると、ようやくライブは終了した。時計を見ると、なんと 21 時 20 分。2 時間 40 分もライブをやっていたことになる。渋谷のときの 2 時間ちょうどのライブってなんだったの? とすら思ってしまった。明らかに会場も盛り上がっていたし、元春も終始ご機嫌ですばらしいライブだったのではないかな、と思った。少なくとも渋谷のときよりもよくなっていると思った。
次はツアーラストの NHK ホールだが、そのときはどうなるのだろう。また期待感が膨らんできた。
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