A BEAUTIFUL MIND
邦題 | ビューティフル・マインド | |
レーベル | UNIVERSAL STUDIOS HOME VIDEO | |
制作年度 | 2001年 | |
上演時間 | 136分 | |
監督 | ロン・ハワード | |
出演 | ラッセル・クロウ、エド・ハリス、ジェニファー・コネリー | |
画面 | 1.85:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語 | |
字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
数学に対して天才的な頭脳を持つジョン・ナッシュ。彼はその能力を買われ国防省の仕事を引き受けるが、次第に彼は自分の心を蝕んでいく…。
レビュー
実在の数学者、ジョン・ナッシュの半生を描いた伝記物です。この手の伝記物だとどうしても重い展開になることが多くついつい観賞を後回しにしていたのですが、ちょうどゴールデンウィークでゆとりもあったので観てみました。
観ていて驚いたのがただの伝記物ではなく、最近日本の会社員にも増えてきた精神病をテーマにした物語だったということです。ナッシュは登場当初からうつむき加減ですし、目もきょろきょろとしていますので、おどおどしたような印象を与えます。途中国防省の仕事を受け入れ暗号解読を始める辺りから妙にサスペンス調の展開になってきて観ているこちらも驚いてしまうのですが(まさかこんな展開は実話ではないだろう、という点で)、結局この辺の話がすべてナッシュの妄想だと判明する辺りから精神病に苦しむナッシュとその家族を描くようになります。
この作品で唸ってしまったのが、精神病と判明した後のナッシュの行動です。最初は薬を飲んで治療に努めるのですが、薬の副作用で頭は働かなくなり、また性欲ですら失せてしまうことから薬の服用を止めてしまいます。当然薬の服用を止めたことにより再び妄想に苦しめられるのですが、なんと彼は数学的論理でその妄想に立ち向かおうと努力し始めます。
実在のナッシュはどうだったのかは不明ですが、映画を観る限り未だに妄想は彼に付きまとっているように見えます。ただ、彼はそれと折り合いをつける術を身につけたのではないかな、と思います。
ナッシュはあまり人付き合いが得意ではない性格のようですので、そういうところだけは似ている僕としてはなんだか身につまされる思いで観賞してました。
ナッシュの妄想にでてくる国防省の役人役のエド・ハリスが今回もいい味出しております。まさに脇役を演じたら天下一品ではないでしょうか。そういえば彼は実在の画家であるジャクソン・ポロックの半生を描いた「ポロック(原題:Pollock)」を自分の監督・主演で制作しておりますが、こちらはアルコール中毒に苦しむ役でした。伝記物を見ていると、どこか問題を抱えている人が多いように思えるのですがやはりドラマにするにはそういった人じゃないと作りづらいのかもしれませんね。
映像は、全般的に赤みが強いです。いかにもフィルム調の色合いで DVD で観るよりは LD で観ているような印象を受けました。どうも LD に比べると DVD はきれい過ぎて、フィルム収録じゃなくてビデオ収録を観ている気分になってしまうことがあるからです。予告編を観ている限りでは元々自然な色調で撮影されていたようですから、編集の段階で調整されたのではないかと思います。音響はドラマにふさわしく抑え目にサラウンドしております。
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