Cars
邦題 | カーズ | |
レーベル | BUENA VISTA HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2006年 | |
上演時間 | 116分 | |
監督 | ジョン・ラセター | |
声の出演 | オーウェン・ウィルソン、ポール・ニューマン、ボニー・ハント | |
画面 | 2.39:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch-EX 英語 DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語 |
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字幕 | 英語 | |
THX仕様 |
あらすじ
若きレースカーのライトニング・マックイーンは、レースでライバルと同着になり、次の大会であるカリフォルニアの勝負にかけていた。しかし、コンボイでの輸送中、誤ってコンボイから下ろされてしまったマックイーンはハイウェイから離れてしまい、ルート66号にあるラジエーター・スプリングという街にたどり着く。そこの街で道を破壊してしまったマックイーンは、裁判の結果、道を修復するまで街を離れられないという判決を受けてしまう。最初は逃亡してカリフォルニアに行こうとするマックイーンだったが、道の修復をするかたわら街の住人たちと交流を持つようになり、次第に心理的に成長をしていく。そして、道を修復し終わって女性であるサリーと恋仲になり、ポンコツレッカー車のメーターと仲良くなっていく。しかし、彼にはレースが待っていた。
レビュー
一貫してCGアニメを作り続けるピクサー社が2006年に放った作品がこの「カーズ」です。他のピクサー社のアニメと同じく、物を擬人化する手法で物語を語るという展開を行っています。この作品もヒットしたので、2011年には続編の「カーズ2」が劇場公開されます。
物語の表のストーリーは、主人公であるレーシングカー、ライトニング・マックイーンの人間的成長を描いたものです。血気盛んで、レースに勝ち、有名になることを夢見ているマックイーンは、迷いこんでしまった寂れた街ラジエーター・スプリングで奉仕の作業をすることから、街の住人達と交流を持つようになり、彼の心理状況が変わっていって、少しレーサーとしての成長が見られるようになります。
それは、ポンコツレッカー車であるメーターとの交流、女性であるサリーとの交流、そして伝説的なレースの優勝者であったハドソンとの交流、そういったものに促されていきます。彼らとの交流がただレースでの優勝を夢見ていたマックイーンの心理を変えるに値するものであったと思います。
そういったところでは当たり前のようなストーリー展開なのですが、もう一つ裏のテーマがこの物語に潜んでいると思います。それはアメリカの戦後の発展を担ってきた伝説の道路、ルート66号に対する敬意のようなものです。現在ではこのルート66号は多くが映画で描かれているようにハイウェイが出来てしまい、寂れた雰囲気を漂わせていると聞きますが、自動車大国アメリカにとっては、ルート66号に対してはある種の郷愁みたいなものがあると思います。それがこの映画ではそういった現実を踏まえて、寂れた街に再び活気がみなぎるようなストーリー展開になっています。
ラジエーター・スプリングという街は、かつては繁栄していた街ですが、ハイウェイの完成によりすっかり寂れています。これは映画だけの話ではなく、多分どこかの街でも同じような状況になっていると思います。そうした実態を踏まえて映画化されているのではないかと思われます。その辺がこの「カーズ」という映画の特徴なのではないかと思います。
そういった意味では、作品の表は主人公の成長物語、裏では伝説の道路への敬愛という2種類のテーマを持っているこの「カーズ」はアメリカ以外では、単なる主人公の成長物語としてしか捕らえられないのではないかなと思うところはあります。もちろんそれだけでも面白いのですが、アメリカという国の発展と衰退を如実に表しているルート66号のことを知っていると、より物語に深みが出ることが明らかになると思います。
画質はTHX認証のフルデジタルダイレクト出力ということで、大変鮮明です。DVDプレイヤーのアップコンバージョンも効いていると思うのですが、解像度も不満がありません。音響はDOLBY DIGITAL 5.1ch-EXということで、かなりサラウンドを極端に使っています。車の移動シーンなどは前後左右に振れますし、サウンドトラックをサラウンドに回して立体感を出していると思います。
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