catch me if you can
邦題 | キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン | |
レーベル | DREAMWORKS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2002年 | |
上演時間 | 141分 | |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ | |
出演 | レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス、クリストファー・ウォーケン | |
画面 | 1.85:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語 DOLBY DIGITAL 2.0 英語 / DTS 5.1ch 英語 |
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字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
1960 年代のアメリカ、フランク・アバグネール一家は事業の失敗により、家族がばらばらになっていく。主人公のフランク・アバグネール・Jr. はもともとの手先の器用さから、小切手の偽造を行い始め、次第にそれがエスカレートしていく。その偽造を隠すために彼はパンナム航空の副操縦士になったり、医者になったり、弁護士になったりと自分の正体を隠し続ける。しかし、FBI のカール捜査官は小切手の偽造に気づき、フランクの追跡を開始する。
レビュー
実在の人物であるフランク・アバグネール・Jr. の犯罪と、それを追跡する FBI 捜査官カールの追跡劇がこの作品なのですが、タイトルのイメージ及び、映画のプロモーション映像からコメディ要素の多い作品かと思っていましたが、かなりまじめなドラマが展開されていきます。
実話の映画化ということで、フランクの小切手偽装技術ですとか、FBI の追跡をかわしていく才能には驚くべきものがあり、正に「事実は小説より奇なり」という言葉を思い出してしまいます。
しかし、物語で何故彼が小切手偽造に手を出したかという部分はどうも演出が入っているように思えます。それは、どうも父を慕う息子のバラバラになってしまった家族を取り戻したい、という演出がそれに当たるように思えます。
物語の最中フランク・Jr. はたびたび父に手紙を書いたり、父に会いに行ったりしていますが、そんなシーンに親の愛情、特に父に対する愛情に飢えた子供という印象が強いです。それは物語の中で、母に対してはほとんど言及されていないことからもそれは明らかであるかと思います。
そしてその父に対する愛情が、彼を追跡する FBI 捜査官のカールに対しても同じように感じられるようです。物語中、数度フランク・Jr. はカールに電話をかけてきますが、それはいつもクリスマスシーズンのときです。クリスマスといえば、やはり家族が一番幸せになる時期であると思いますので、カールに父を求めていたのかもしれません。
クリスマスのシーンが多いのもこの作品の特徴で、そのシーンは大抵フランク・Jr. にとってはあまり幸せではない演出がされています。これらも前述の親の愛情に飢えた子供というイメージを強くしていると思われます。
一方フランク・Jr. を追跡するFBI捜査官カールも、家庭が崩壊してしまっている人物ですから、追跡しているうちにフランク・Jr. を擬似家族のように捕らえていたのかもしれません。
実際のところスピルバーグ自身も幼い頃に父親がいなくなってしまったはずですので父に対する想いというのは人一倍強いと思います。それがこの作品を通じて出てきているような気はします。
後特筆すべきことは、クリストファー・ウォーケンの演技でしょう。どうもその風貌から悪役的演技が多いような気がする彼ですが、今回は落ちぶれてしまっても息子の助けを借りず必死で人生の立て直しを図っていくといういい演技を見せています。でも最後に自殺っぽい感じで死んでしまったという話には泣けてきますが。
画質は色調は普通のようにも思えますが、多少画面が暗めなのと、意図的にソフトフォーカスにしているようで、くっきりはっきりの画質ではありません。また、シーンによってはざらつきがみられることもありますので、世間一般でいう高画質ソフトではないと思います。音響は DTS 5.1ch で視聴しましたが、自然な環境音が周囲を取り囲んでいるといった印象です。派手さはないですが、シーンごとの臨場感は十分味わえると思います。
しかし映画を観て改めて思ったのですが、世の中頭のいい人は凄く多いのに、その知性を世のために使わず犯罪に使っている人が多いのはなんだかもったいないな、という気がします。せっかくの知性なのですから人類の進歩発達に貢献すればいいのに、と思ってしまいます。ネタバレになりますが、この映画のフランク・Jr. は FBI に逮捕された後、その小切手偽造技術を買われて逆に犯罪を取り締まる側に転向してしまっているそうですから、まだいいほうだと思いますけど。
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