crash
邦題 | クラッシュ | |
レーベル | LIONS GATE HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2004年 | |
上演時間 | 112分 | |
監督 | ポール・ハギス | |
出演 | サンドラ・ブロック、ドン・チードル、マット・ディロン | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語 | |
字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
ある一夜の出来事を時系列的に並列に描いたストーリー展開になっている。ある夫婦は黒人二人組みにバンを奪われてしまう。その二人組みは、別の車をまた盗もうとして、運転手の反撃にあってしまう。また、ペルシャ人のストア経営者は、拳銃を買おうとして店主に嫌われてしまう。こうした出来事を描きつつ、それぞれの出来事が次第に重なり合っていく…。
レビュー
「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本家でもあるポール・ハギスが監督と、脚本、ストーリーを手がけた作品が、この「クラッシュ」です。2005 年のアカデミー賞作品賞を受賞した作品でもあります。
この作品の特徴は、いくつかの出来事を同時並列的に描いたストーリー展開になっているということです。その展開も人種差別や、強盗とその強盗されるもの、警官の苦悩といった出来事を並列的に描いていき、それが次第に重なり合っていくという展開になっているところにあるかと思います。
同時並列的に描いているために、登場人物は多く、最初戸惑います。それぞれの抱える苦悩が明らかになってくるのは物語も中盤になってからです。前半では、そこに至る過程が丁寧に描かれています。
物語中盤になってきますと、それぞれ関わりのなかった展開が関わりのある展開へと変貌していきます。そこに至るまでの過程が少々長いと言わざるをえませんが、作品の展開の上で必要とされるものですから、じっくりと描いていきます。
物語後半では、殺人(未遂)事件が起こってきますが、これも誤解が誤解を招いた結果として起こったことなので、各人の展開上、そうならざるを得なかったということになります。ただ、物語最初のシーンが後半で明かされるシーンがあるということで、ストーリー展開の妙に「ウーン」と唸らされるものがあります。
物語後半も終盤になりますと、雪が降ってきます。季節の設定上、雪が降ってもおかしくないのですが、この雪の降らせ方は、少し演出の意図が混ざっているような気がします。殺人(未遂)事件が起こったり、バンを盗んだ黒人がおこした優しさなどを雪があらわしているような気がします。すべての憎しみを消すかのような雪の降らせ方は、なかなか印象に残るものがあります。
画質は、フィルム調で、オープニングシーケンスの光の洪水のシーンなどは唸らされるほど美しいものがあります。その分、暗いシーンでは、少しノイズが浮いているような気もします。音響は、DOLBY SURROUND 2ch 音声で聴きましたが、あまり派手な演出はしていなかったような気がします。拳銃の鳴るシーンでは、迫力満点の音響を聞かせてくれましたが。
コメント