DESPERADO/デスペラード/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

DESPERADO

DESPERADO DVDジャケット 邦題 デスペラード
レーベル COLUMBIA TRISTAR HOME ENTERTAINMENT
制作年度 1995年
上演時間 103分
監督 ロバート・ロドリゲス
出演 アントニオ・バンデラス、ヨアキム・デ・アルメイダ、サルマ・ハエック
画面 1.85:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語
DOLBY DIGITAL 2.0ch ポルトガル語、スペイン語
字幕 英語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、中国語

あらすじ

かつて麻薬組織に恋人を殺され、また自分の左手を銃で撃ち抜かれてギターが弾けなくなったエル・マリアッチ。彼は復讐の鬼と化して、組織のボスであるブチョを探す旅をしていた。彼はギターケースの中に武器を装備し、行く先々のバーで組織の男を撃ち殺していた。ある街で銃撃戦を行った彼は、敵の攻撃に負傷をし、キャロリンという本屋の女主人に助けられる。しかし、実は彼女はブチョの保護を受けて本屋を経営していたのだった。そんな彼女にもブチョの魔の手は迫っていた。

レビュー

「エル・マリアッチ」のヒットにより映画会社に認められたロバート・ロドリゲスが、制作費をパワーアップして、「エル・マリアッチ」のパワーアップ版として制作されたのが、この「デスペラード」です。当然ながらスマッシュヒットを記録し、作品の出来の良さから、評判の高かった作品でもあります。

今作では予算の大半をアクションシーケンスに振り分けているように感じられます。ギャグかと思わせるような最初のエル・マリアッチとバーでの組織の銃撃戦は、とにかくサウンドデザインとともに見ごたえあるシーケンスに仕上がっています。ここではちょっとやりすぎと思わせるような血糊が大量に吹きだし、作品を魅力的に仕上げています。

その後も本屋での組織との対決シーンだとか、エル・マリアッチの友達と合流しての組織の人間との銃撃シーンなど、激しい仕上がりになっています。本屋でのシーンでは、爆発して燃え上がる炎をバックに悠然と歩いていく主人公が、魅力を発揮していますし、後半の友達の合流シーンでは、友達の武器がギターケースにマシンガンが仕込まれていたり、ランチャーが仕込まれていたりと、思わず笑ってしまうような奇抜な展開をしています。

物語的には「エル・マリアッチ」を観た後でこの作品を観ると、なんか続編的な印象も感じますが、基本的には独立した作品で、あくまでパワーアップ版という位置づけだと思います。エル・マリアッチとブチョの関係、エル・マリアッチとキャロリンとの関係、エル・マリアッチとギター弾きの少年の関係がいろいろ描かれていると言えます。ブチョとは実は秘密の関係があるのですが、それを観客が知るのはクライマックスになってからで、エル・マリアッチがそれを気付いたのは多分本屋の爆破事件の後だろうと思います。ちょっと意外な関係で、驚かされます。

キャロリンとの関係は、最初命を救った、救われたという関係ですが、ブチョとの関係が分かるにつれ、彼女がエル・マリアッチに寄ってくる感触があります。キャロリンはブチョに資金援助してもらって本屋を経営しているという状況ですが、エル・マリアッチを匿っているということをブチョが感じ取ったために殺されかけるという立ち位置にあります。そのためにエル・マリアッチに救いを求めていくという方向に行くことになります。

少年は最初ギターの弾き方を教わる、教えるという関係ですが、少年が知らず知らずの間に麻薬取引に使われていることがわかると、エル・マリアッチは彼を救おうと試みる展開になります。しかし、銃撃戦のさなか少年が負傷してしまい、エル・マリアッチがブチョとの関係を清算しようとする決意を決めるきっかけになります。

画質は多少フィルムの傷やゴミが散見されますし、フィルムグレインが見られるところもありますが、大まかに言って良好です。メキシコの砂ぼこりの街という設定をよく表しているような色合いをしていて、なかなか魅力的な映像作りをしています。音響は5.1chのサラウンドで、かなり全チャンネルに音を振り分けている印象があります。銃撃シーンの音の迫力は見事で、空間に銃弾の飛び交う音や、排出される薬莢の音などがリアルに響いています。

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