DON’T BREATHE(Blu-ray)
邦題 | ドント・ブリーズ | |
レーベル | SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2016年 | |
上演時間 | 88分 | |
監督 | フェデ・アルバレズ | |
出演 | ジェーン・レヴィ、ディラン・ミネット スティヴン・ラング |
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画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語 DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語 |
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字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
ロッキーは自堕落な親を見限り、妹と海の見えるカリフォルニアで生活を立て直そうとしていた。そのために金が必要となり、アレックスやマネーと一緒にある家に泥棒に押し入ろうとした。標的は、一人の退役軍人である盲目の老人の家。事故で失った娘の賠償金で金をたっぷり持っているという情報を得て、その家に泥棒に入る。しかし、盲目の老人は、目が見えない代わりに聴覚や臭覚が異常に優れている人物で、また格闘にも長けていた。3人のうち、マネーが感知され、老人は、マネーを拳銃で撃ち殺してしまう。ロッキーと、泥棒をやめて先に家の外に出ていたアレックスは、その老人から脱出すべく、老人の家を駆け巡る。しかし、老人の追跡能力により、度々危機にさらされる。
レビュー
2016年の秋に公開され、予想外の大ヒットを記録したサスペンスホラーの秀作が、この「ドント・ブリーズ」です。低予算サスペンス映画でありますが、興行収入的に大成功を記録し、日本でもSNSを中心に評価が高い映画として記録しています。
この映画の最大の特徴といえば、主人公たちに襲いかかる標的が、ホラーでは大抵ブギーマン的怪物であるのに対し、盲目の老人であるという点でしょうか。盲目であるがゆえ、目が見えないから脅威にならないと思いきや、退役軍人で、戦闘のエキスパートになっていることと、目が見えない代わりに聴覚や臭覚が優れているため、主人公たちをそれらの能力を使って追い込んでいく様は、かなり面白い設定だと思います。
そして、老人以外にも主人公を追い詰めるのが、老人の飼っているどう猛な番犬で、これが結構ホラーを醸し出していると思います。犬が襲いかかるという設定では、同じくホラーの帝王、スティーヴン・キングの「クジョー」を彷彿とさせますが、「クジョー」の方が狂犬病にかかった犬が主人公に襲いかかるという設定なのに対し、「ドント・ブリーズ」では、単にどう猛な番犬であるという違いはあります。ただ、この番犬が主人公を追い詰める要因の一つになっていて、その危険度はかなり高いと思います。
主人公であるロッキーが、まとまったお金が必要で、そのために老人の家にマネーとアレックスと一緒に泥棒に入るという設定になっていますが、老人の反撃のために、自身が警察を呼ぶことが助かる道であるという展開には、逆転現象で、サスペンスを呼ぶと思います。本来ならば、警察にバレなければ泥棒としては助けになるはずですが、老人の反撃のために生命の危機すら危ぶまれているため、警察をどう呼ぶかというストーリーが、物語を面白くしています。
そして、老人は娘を事故で失っているという話でありますが、主人公を監禁し、強引に妊娠させることで、娘の代わりを取り戻そうとするところは、セクシャル的に「変態オヤジ」と思ったりもします。そして、その行為自体が不気味な感じはします。
泥棒に入った主人公たちの生命がどうなるかは、物語の肝ですが、結構シビアな展開になっています。その辺の生死の境目が、サスペンス感を生んでいて、ハラハラドキドキさせられるところがあります。誰が死んで誰が助かるのかは、最後まで分かりづらく、その辺は面白みがあります。
映像は鮮明な画像で、色乗り、解像度とも十分です。実際は夜の老人の家の中ということもあり、暗いシーンも多いのですが、見辛いシーンはありません。特に照明が全くない中でのモノクロ的映像シーンは、リアリティを生んでいるかと思います。音響はサスペンスホラーをうまく活用した空間表現になっていて、リアリティを生み出す要素になっています。高域から低域まで十分に再現されていて、恐怖感を煽っているかと思います。
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