DRAGON:THE BRUCE LEE STORY(Blu-ray)
邦題 | ドラゴン/ブルース・リー物語 | |
レーベル | UNIVERSAL STUDIOS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 1993年 | |
上演時間 | 120分 | |
監督 | ロブ・コーエン | |
出演 | ジェイソン・スコット・リー、ローレン・ホリー ロバート・ワグナー |
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画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語 dts 5.1ch フランス語 |
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字幕 | 英語 |
あらすじ
香港で生を受けたブルース・リーは、若い頃から無軌道で、喧嘩ばかりしていた。それを見咎めた父は、ブルースをアメリカに旅立たせる。しかし、アメリカでもブルースは、白人の偏見を受け、喧嘩を繰り返す。そんな中、彼のカンフーの実力を知ったアメリカ人が、彼に訓練を乞うようになり、ブルースは道場を持ち始める。そして白人の女性、リンダと出会い、恋に落ちたブルースは、彼女と結婚する。幸せな生活を送るブルースだったが、白人からの偏見と、中国人同郷者からの嫌がらせにより、ブルースは苦悩する。しかし、次第に彼のカンフーの力がテレビや映画のプロデューサーの目に留まり、彼はアクションスターになっていく。
レビュー
70年代の伝説のアクションスター、ブルース・リーの伝記を映画化したのが、この「ドラゴン/ブルース・リー物語」です。実はブルース・リーの伝記映画というのは、70年代に香港映画を中心に多数存在しているのですが、今回ハリウッドが映画化したのが、ブルース・リーの奥様リンダさんの手記をベースにしているので、結構真実味のある物語になっています。
物語は、ブルースの幼少期から、「燃えよドラゴン」の撮影までを描いたものになっています。その中で、ブルースが幼少期からカンフーの指導を受け、「内なる恐怖に勝つことが、肝心である」という教育を受けます。これは、ブルースの確立したジークンドーの精神にも受け継がれているかと思います。
そのブルースと、ブルースの父は度々夢のような幻覚を見ます。甲冑を着た侍のような人物が彼らに襲いかかるというもので、ブルースの内なる恐怖心を視覚的に表しているものと思います。その人物は、ブルースのみならず、息子のブランドンにも襲いかかってくるというのが、ブルースの父としての苦悩を表しているようにも思います。
若い頃のブルースは喧嘩っぱやく、香港でトラブルを度々起こして、父からアメリカに逃げるように諭されます。そしてアメリカに行くのですが、そこでも黄色人種であるという事実から逃れられず、人種差別を受け、苦闘していく姿が何度も表現されます。そんなブルースを支えたのは奥様になるリンダであったと思います。
リンダの存在というのは、ブルースにとって大きなものになっているかと思います。人種差別をせず、人間としてのブルースを受け入れていくのですから、当時としては大変なことであったと思います。そして、ブルースが華僑の裏組織の刺客と戦い、負傷して医者からは「歩けない」と宣告されて自暴自棄になるところでも、リンダはブルースを支えていたというのは彼女の度量の大きさを示していると思います。
そして物語後半は、ブルースがテレビ、映画界に進出し、ハリウッドで成功せず失意のまま香港に戻り、その香港で映画出演をしたことから、大スターになっていく様が描かれています。そこでブルースと、リンダ、子供のブランドンとシャノンとの家族の距離が、一度は開いてしまって、壊れかけそうになるのですが、最終的には元の鞘に納まる様が描かれていて、ブルースの家族に対する思いが描かれているのは良かったと思います。
ブルース・リーを演じたジェイソン・スコット・リーは、別にブルース・リーのそっくりさんというわけでもないのですが、ブルースの仕草をよく研究していて、ブルースに成り切った演技をしていると思います。もちろんスタントの人も彼のアクションをよく真似ていて、見ていてよくできたアクションシーンだな、と思わせるシーンがいくつもありました。
映像は90年代のフィルム撮影ということもあってか、解像度的にはあまり特筆すべき点はないと言えます。不満もないのですが、Blu-rayとしてはっとさせられるような高画質でもないというのが実感です。音響は元々のサウンドはDOLBY STEREOの4.0chサラウンドを5.1chにリミックスしていますが、こういう伝記物にしてはかなりサラウンド感があります。しかし、チャンネル的には右サラウンドチャンネルへのサウンドが少しおかしい感じがします。音は出ているのに、あまり右後方に音が回っていない感触を受けます。
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