ENCOUNTER IN THE THIRD DIMENSION
邦題 | エンカウンター3D | |
レーベル | SLINGSHOT ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 1999年 | |
上演時間 | 36分 | |
監督 | ベン・スタッセン | |
出演 | スチュアート・パンキン、エルヴァイラ | |
画面 | 1.33:1 | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 / DTS 5.1ch-ES 英語 | |
字幕 | – |
あらすじ
とある研究所。博士とその助手で空飛ぶロボットの MAX は 3D 映像の研究を続けていた。まるで漫才のようなボケと突っ込みを続けながら二人(?)は 3D 映像の歴史を振り返りつつ、全く新しい 3D システムの開発を続けるのだった。
レビュー
元々 IMAX システム用に製作された 3D 映画だけあって、映画というよりはドラマ的要素(というかコメディ要素)を加えたドキュメンタリーという様相を呈しています。テーマは、3D 映像の歴史について。人類が壁面に絵を書いていた時代から始まって、1950 年代の3D 映画のブーム(あっという間に廃れた)を経て、現在のテーマパークアトラクションの目玉としての 3D 映像までを 3D 映像を活用して解説しております。
人類の 3D に対する欲望はかなり昔から始まっているということを知ることが出来るのはなかなか興味深いものがあります。いわゆる絵画に於けるパースペクティブな絵というものが 3D 映像の始まりなんだそうです。
また 1950 年代には TV に対抗する意味合いもあったようですが、いくつかの 3D 作品が制作されたようです。ただしそのブームはあっという間に廃れてしまい、その後劇場用の 3D 映画というものはほとんど作られなくなります。最近ですと「スパイ・キッズ 3D」とか、ちょっと前ですが「ジョーズ 3D」、「13日の金曜日 Part3」ぐらいになってしまうのでしょうか。これは当然といえば当然のことですが、3D 映像を作ることにより制作費も高騰しますし(単純にいってもフィルムは 2 倍必要になる)、演出も 3D を意識した変な演出になってしまう、観客が 3D 眼鏡をかけて映画を観ると疲れがひどくなる、といった要因も理由に挙げられるようです。
現在 3D 映像は IMAX 映画や、テーマパークアトラクションでのみ生き延びているというのが実態ですが、それは演出的にも適しているからというのがあるのかもしれません。
博士と MAX のボケと突っ込みの部分の演出は決して面白いものではありませんが、現在のテーマパークアトラクションにおける 3D 映像の一部を見せてくれるという点においてこの作品は評価されてもいいのではないでしょうか。特にかつてテーマパークアトラクションの最高峰と呼ばれていた「ターミネーター2 : 3D」の映像の一部を見ることができるのは、なかなか貴重ではないかと思います。(ちなみに現在「アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド」がテーマパークアトラクションの最高峰と呼ばれているそうで、私は未見ですがこれも 3D 映像を効果的に活用しているようです。)
この DVD は通常の 2D 映像のほかに、なんと、特殊な眼鏡をかけることによって 3D 映像を楽しむことが出来ます。そのためかどうかは知りませんが、字幕が一切入っていません。登場人物の台詞もちょっと聞き取りにくいため(妙にエコーがかかっており、音圧が小さい感じ)、内容の把握が少々難しい感じがします。映像自体はほとんど CG ですので美しい、の一言に尽きます。また上映時間も短いため、観賞していてもあまり疲れません。音響は通常の DOLBY 5.1ch のほかに DTS-ES が収録されています。多分 DOLBY も EX 仕様ではないかと思うのですが、ジャケットにも記載はないですし、AV アンプのデコーダーも自動認識しませんので、詳細は不明です。(もっとも DOLBY-EX の自動認識はいろいろ問題があるらしく、DVD にその識別信号が入っていることはほとんどないようですが) 両者を聞き比べてみますと、DOLBY のほうが音の鳴りかたがきつい感じがします。圧縮率の高さが弊害になっているのでしょうか。DTS は他の DVD と比べても音圧自体が低いような気がします。
発売元の SLINGSHOT ENTERTAINMENT 社では、この作品と”HAUNTED CASTLE”、”ALIEN ADVENTURE”をセットにし、これに特製 3D 眼鏡を付属させてセット販売しているので(“THE ULTIMATE 3D COLLECTION”)、「 TV で 3D を見てみたい!」という方にはこちらのほうがお勧めかもしれません。よくは知りませんが、日本でもどこかの代理店が輸入販売しているみたいですので、入手はさほど困難ではないと思います。
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