FINDING NEMO
邦題 | ファインディング・ニモ | |
レーベル | BUENA BISTA HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2003年 | |
上演時間 | 100分 | |
監督 | アンドリュー・スタントン | |
声の出演 | アルバート・ブルックス、エレン・デジェネレス、 アレクサンダー・グールド |
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画面 | 1.78:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch-EX 英語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 | |
THX仕様 |
あらすじ
クマノミ(熱帯魚)のマーリンとコーラルは、自分たちの子供が生まれるのを楽しみにしていて幸せの絶頂にいた。しかし、鮫に襲われ、コーラルの行方は不明となり、子供たち(卵)も 1 個を残してすべて鮫に食べられてしまう。マーリンは、生き残った子供にコーラルの願いを受け入れて「ニモ」と名づけた。
数年後ニモは学校に行くほどに成長するがマーリンのいうことを聞かずに人間に捕まってしまう。大切な一人息子を取り戻すべく、途中で出会ったドリーとともにマーリンの探索が始まった。
一方人間に捕まったニモは、水槽の中にいるその他の魚たちとともに水槽からの脱出計画を企てるようになる。果たしてマーリンとニモの親子は再会することが出来るのか…。
レビュー
レーベルでは BUENA VISTA と書いてありますが、ディズニーの作品ではなく、「トイ・ストーリー」や「モンスターズ・インク」等を手がけた PIXAR 社の作品です。PIXAR 社の作品は、映画評論家からも、一般観客からも評価の高い作品を次々と生み出していますが、今作「ファインディング・ニモ」も期待通りの作品でした。
CG アニメとしては少々長い 100 分という上映時間ですが、なかなか飽きさせません。各キャラクターがきちんと肉付けされている為、感情移入しやすいのがその特徴ではないかな、と思います。(ディズニーのアニメの場合、子供たちが飽きないように 90 分前後の上映時間になるようにストーリー作りをすることが多いそうです。またフル CG が意外と目に疲れるということもあります。)
特に、マーリンとドリーのほとんど掛け合い漫才のようなキャラクター設定には笑わせてもらいました。でもこの二匹、次第にある種の感情が芽生えてきているように思います。何となく友情以上愛情未満みたいなところでしょうか。
また、マーリンの父親の強さというものを実感する作品でもあるかと思います。様々な困難をも乗り越え、何とか息子を取り戻そうとする姿は、「ああ、親ってこういうものなのかな。」と思わずにはいられません。残念ながら家庭を持っていない僕としては自分の父はどうだったのだろうと想像するしかないのですが。
一方でこの作品は、パターンではありますが、子供の成長物語でもあると言えます。ニモは父親の言うことを聞かずに人間に捕まってしまいます。最初は、水槽の中でパニックになったり、落ち込んだりしていますが、水槽の中にいる他の魚たちにいろいろ教えてもらうことにより、次第に自らの力で困難を乗り超えていこうという展開になってまいります。正に王道を行くストーリーであり、これが万人に受ける理由なのだろうと思われます。
作品を観ているとふと「トイ・ストーリー」を思い出したのですが、「トイ・ストーリー」との共通点を挙げるとすれば、人間は主人公たちにとって危険な存在として設定されているように思えます。特に「トイ・ストーリー」に出てくる人間のうち、おもちゃを大切にしない悪ガキと、今回の歯医者に治療を受けにきている少女(可愛げのない顔で描かれているのがなんともご愛嬌ですが)が妙にダブって見えてくるのは気のせいでしょうか。それと、この少女が出てくるときにサウンドトラックに「サイコ」でおなじみの音楽が流れるのはシャレでやっているのかな、と思いました。いや、このサウンドトラックのお陰でかなり笑わせてもらいつつも実はこの少女が危険だ、ということを印象付けるのに成功していると思うのですが。残念ながら「サイコ」自体は僕は未見なのですけどね。
映像ですが、元の CG のデジタルデータをそのままダイレクトに DVD のデジタルデータに変換していることもあってクォリティとしては最高です。通常ですと、マスターフィルムのコピー( ≒ マスターフィルム)から DVD のマスターを作リますので、一回アナログ変換を経たものにならざるを得ないのですが、この作品に関して言えば理論上アナログ変換をしてませんのでクォリティの劣化がないということになります。音響は、映画のエンドクレジットを見ている限りではただの DOLBY DIGITAL となっているようですが、DVD 版は間違いなく DOLBY DIGITAL 5.1-EX です。音響効果の大御所ゲイリー・ライドストロームとゲイリー・サマーズが制作に携わっていることもあって、すばらしいサラウンド音響を披露してくれます。意図的にキャラクターの台詞を背後に回したりして広大なサウンドフィールドを構築できています。また、この DVD はジョージ・ルーカス認定の THX 仕様ですから、制作者の意図した色や音響などが完全に再現されているといえるでしょう。
ちなみにこの DVD、2 枚組みの特別版なのですが、少々変則的な仕様になっていまして、1 枚目は、ワイドスクリーン版(今回視聴したもの)、2 枚目には TV サイズ版が収録されています。更に 1 枚目と 2 枚目には行っている映像特典も全く違いますし、TV サイズ版は音声も英語のほかにフランス語、スペイン語が収録されています。アメリカでは意外と TV サイズ版の人気が高いらしく大抵はワイド版と TV 版 2 種類が発売されることが多いのですが、今回は 1 パッケージの中に両方入っているので少し不思議な気分です。(ちなみに DVD 発売初期の頃はワイド版と TV サイズ版が同時収録されていることの方が多かったです。その代わりメイキング映像とかは収録されていないことの方が多かったですが。)
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