FIRST MAN(Blu-ray)/ファースト・マン/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

FIRST MAN(Blu-ray)

FIRST MAN Blu-rayジャケット 邦題 ファースト・マン
レーベル UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2018年
上演時間 141分
監督 デイミアン・チャゼル
出演 ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、ジェイソン・クラーク
画面 2.39:1/1.78:1(IMAXシーケンス)
音声 DOLBY ATMOS 英語 / DOLBY DIGITAL Plus 7.1ch スペイン語、フランス語
字幕 英語、スペイン語、フランス語

あらすじ

ニール・アームストロングは、大気圏を突破する任務についていたが、娘のカレンが難病のため、仕事に集中できないでいた。カレンの治療をするニールだったが、カレンは死去してしまう。カレンの喪失感を埋めるかのように、ニールは、NASAが計画する宇宙への進出に志願する。その頃、宇宙進出はソビエトが一歩リードしていた。ニールは、NASAのジェミニ計画から、アポロ計画まで参画し、月に向かうというミッションに取り組むが、様々なトラブルや、同僚の死去など、ニールの神経を痛めつけるような事件が起こる。そして、ニールが宇宙に心を馳せるにつれ、家族との絆も薄れていき、家族はバラバラになりかける。1969年、ニールはアポロ11号で月面着陸という任務に挑戦する。

レビュー

人類初の月面着陸をして、歴史にその名を残すことになったニール・アームストロングの人となりと、その家族の関係、NASAの宇宙計画を描いたジェイムズ・R・ハンセンの「ファーストマン」という本を元に制作された実話の映画化が、この「ファースト・マン」であります。「セッション」、「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼルが監督をして、ライアン・ゴズリングが主役のニール・アームストロングに扮していますが、残念ながら北米では興行収入的に振るわず、制作費を下回っています。

映画は、歴史に名を残したニール・アームストロングの人生と、その家族、特に妻であるジャネットとの関係を中心に、NASAの宇宙進出プロジェクトを中心に描いていきますが、ニール自身があまり感情を表に出さないキャラクターであるために、若干主役に対する感情移入がしづらい映画になっているかと思います。それがゆえに、ニールと家族の絆がはっきりしないところがあるかと思います。

しかしながら、ニール自身は娘のカレンのことを心にかけていることが、クライマックスで明らかにされます。カレンは、幼くして病で亡くなってしまい、ニールに大きな影響を及ぼしているはずですが、物語のクライマックスまでニールの心が読めないため、どこまでニールの生き方に影響を与えたのかが見えないまま、映画は進行していくことになります。

一方でNASAがソビエトに宇宙進出に対して遅れをとっており、それを回復するためにニールやその他の人々たちと共にジェミニ計画やアポロ計画を推進していく様は、知っているようで知らない内容なので、見ていて知識を得た感じになり、作品の面白さを伝えるものになっています。特にジェミニ計画では、計画自身の失敗や、ニールの仲間たちの事故死など、必ずしも順調な計画推進ではないことが明らかにされ、見ていて「これからどうやってアポロ11号で月面に行くのだろう?」と好奇心を掻き立てられるストーリーになっています。

映画はクライマックスの月面着陸シーンでIMAXフィルムでの撮影を行っており、この4K UHD Blu-rayとBlu-rayでもそのシーンは1.78:1のフルスクリーンで、映像が再現されます。ジャケットにはその旨は記載されていないので、映画を見ていて、クライマックスでIMAXシーンになっているのに気付いた時には、かなり驚愕します。

映像はフィルム撮影のせいか、フィルムグレインが散見されます。その分解像度が柔和になり、鮮明という感じではなくなっています。色乗りは十分にあると感じます。なお、IMAXシーンではフィルムグレイン自体がなくなり、高解像度で鮮明な映像を提供しています。音響はDOLBY ATMOSと、IMAXシーンがあるにも関わらずオブジェクトオーディオでデリバリーしていますが、ロケットの発射音や、宇宙船の轟音など、三次元空間を満たすサウンドデザインをしていて、音響的に満足のいく映画に仕上がっています。特に重低音の出力は効果的で、迫力を感じます。

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