GET OUT(Blu-ray)
邦題 | ゲット・アウト | |
レーベル | UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2017年 | |
上演時間 | 104分 | |
監督 | ジョーダン・ピール | |
出演 | ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムズ、ブラッドリー・ウィットフォード | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語 | |
字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
黒人のクリスと白人のローズは付き合い始めて4ヶ月。ローズの実家にクリスは初めて訪れることになる。週末を利用してローズの実家を訪問したクリスは、ローズの家族に温かく迎えられるが、次第にローズの実家に何か異様な雰囲気が漂っていることがわかってくる。ローズの実家には黒人の召使いたちがいたが、彼らの行動に異変があることに気づいたクリスは、ローズの実家で開催されたパーティーによって、ますます不信感が漂ってくる。タバコを吸うクリスは、禁煙している途中でローズの母にセラピーを受けるが、それが彼女たちの罠だった。クリスは次第に追い詰められていく。
レビュー
ジョーダン・ピールの監督デビュー作であり、低予算ホラー映画であるものの予想外の大ヒットを記録し、また批評家や観客からも高い評価を受けた映画がこの「ゲット・アウト」です。映画の評価をまとめたサイト「Rotten Tomato」でも、高い評価を受けています。
ホラー映画と最初に書いていますが、この映画の大きな特徴は未だアメリカに根付く黒人差別主義をホラーとして成立させてしまったところにあると思います。主人公クリスが黒人の若者で、白人女性であるローズと交際しているというのが、物語の大きなポイントになっていて、それが物語の後半で生きてくる設定になっています。
ある週末にローズの実家にクリスはローズとともに訪れ、ローズの家族と面会することになるのですが、最初は温かく迎えられたクリスも、途中からローズの家族や隣人との交流を通して、次第にその自分の立ち位置が微妙になっていくことに気づいていきます。それは、ローズの家族は黒人の召使いを雇っていますが、彼らの行動に不審な点が多々あり、それがクリスの精神状態を不安定なものにさせていくという展開になっています。
そして、タバコを吸うクリスは、ローズの実家にいる間は禁煙しようとしていますが、ニコチンが切れて落ち着かない状態になります。ローズの母がそれをセラピーで解決しようとしますが、それはセラピーでもなんでもなく、クリスを陥れるための催眠術であることが次第にわかってきます。それは、黒人に対する白人の感情を表していると思います。
次第にローズの家族の罠にはまっていくクリスの心理状態を描くのがこの映画のメインでありますが、クリスのことを心配する友人のロッドが後半、彼を助けるために活躍するところは、黒人同士の絆の深さを感じさせるところであります。その分ローズの一家や、その隣人たちの白人至上主義的なものは、ある種の恐怖感をもって描かれていきます。
物語前半は、謎だらけのストーリー展開ではありますが、後半になると、次第にローズの家族の企みや、隣人との関係が明かされてきていて、恐怖感やそこからのクリスの脱出劇が面白い展開になっていると思います。クリスの危機に対して、クリスがどう対処するのかがこの映画のキモになっていると思います。
映像は鮮明かつ十分な色合いで、ハイクオリティなビジュアルを提供しています。R指定の映画ではありますが、あまりどぎついシーンはなく、その辺はぼかして描いているために、よくあるホラー映画とは一線を画していると思います。音響はdts-HD MA 5.1chサウンドで、会話中心のシーンはほどんどサラウンドしていませんが、後半のクリスの脱出劇になりますと、かなりのサラウンド感を感じます。総じて素晴らしいサラウンドを提供していると思います。
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