GHOST IN THE SHELL(2017)(Blu-ray 3D)
邦題 | ゴースト・イン・ザ・シェル(2017) | |
レーベル | PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2017年 | |
上演時間 | 106分 | |
監督 | ルパート・サンダース | |
出演 | スカーレット・ヨハンソン、北野武、マイケル・カルメン・ピット | |
画面 | 1.85:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、日本語 |
|
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、日本語、中国語、ポルトガル語、その他 |
あらすじ
ハイカ社は、人の体の一部を人工的なサイボーグ化する作業を行なっており、巨大企業になっていた。そのハイカ社に、脳だけ生存している女性が運び込まれる。女性の脳は体がサイボーグ化された義体に移植され、少佐と呼ばれるようになる。少佐は、公安9課に配属され、犯罪捜査に従事されることになる。1年後、ハイカ社の幹部と首相が会合を行なっており、人の義体化推進に関し、懇談を持っていた。そこをクゼとよばれる謎の人物が襲撃する。それを阻止した少佐は、バトーとともに、事件の真相に迫っていく。その過程で、少佐は自身の持っていた過去の記憶が、何者かによって植え付けられた偽の記憶であることと、ハイカ社の機密プロジェクトの存在を知る。それは、クゼとともに少佐の過去を知ることでもあった。その事実を知るにつれ、ハイカ社の中心的人物、カッターが暗躍し始める。公安9課の荒巻課長も、次第に事件の真相に迫り、課のメンバーに対し、事態の解決を図る。
レビュー
日本の漫画である士郎正宗の「攻殻機動隊」を、ハリウッドで実写映画化されたのが、この「ゴースト・イン・ザ・シェル(2017)」です。すでに日本では押井守がアニメ映画化をしていて、日本でもアメリカでもカルト的人気を誇っていますが、このスカーレット・ヨハンソン主演の「ゴースト・イン・ザ・シェル」は、日本でもアメリカでも興行的に大失敗を起こし、全くヒットしない出来になっています。
この映画の出来の悪さを一言で言うと、「何かどこかで見たことのある近未来の都市環境」がメインにあげられるかと思います。この手のSF映画では「ブレードランナー」が近未来の敗退的な都市を描き出し、のちの映画に多大な影響を与えていますが、この「ゴースト・イン・ザ・シェル」もその影響から逃れられない感触を持っています。その一方で香港ロケの都市環境がそのまま使われていて、「ブレードランナー」的都市環境と、実際の香港の都市環境が融合しきれていない様相を示しているのが、違和感を感じるところであります。
また、主人公である少佐が、過去の自分の記憶を手繰るという展開も、どこかで見たような気がする展開で、新鮮味は感じられません。とはいうものの、スカーレット・ヨハンソンの演技は頑張っている方で、少佐が事件を追いかけていく中で、次第に自分の過去を取り戻していく様は、物語の根幹を成していると思います。
公安9課の課長である荒巻を演じているのが日本が誇るコメディアンで、映画監督でもある北野武というのは、面白い配役だったと思います。他の登場キャラが全員英語で話しているのに対し、荒巻課長だけがずっと日本語で話しているのは、新鮮に感じます。ハリウッド映画で日本語が登場するシーンでは、たいてい日本語が聞き取りづらい状況になっていますが、今回の荒巻課長の日本語は、大変聞き取りやすく、物語に違和感を感じさせないようになっています。
映像は、ビスタサイズでの収録になっていて、3D収録されています。映像は暗いシーンが多く、少々見づらい環境ですが、色乗りはカラフルでポップな感じはします。3D効果はそれなりにあるといったところですが、シーンによってはあまり効果を発揮していないところもあります。音響はDOLBY ATMOSですが、5.1ch環境でもかなりの空間再現力を誇っています。派手なサラウンドではないものの、終始音に包み込まれる感覚はあり、リアリティをもって音場を作り出していると思います。
このBlu-rayは、新作映画のリリースではありますが、アメリカで発売されたディスクであるにも関わらず、日本語字幕と日本語吹き替え音声を収録しています。それもディスクを再生すると最初から日本語メニューを選択できるようになっているので、視聴には全く困らないという珍しいディスクになっています。映画自体がヒットしなかったためか、日本語以外にも字幕は相当数収録されていて、グローバル仕様になっているのが特徴です。ただ、日本語が入っているのは3Dディスクだけで、2Dの方には収録されていないようです。
コメント