HANNA(Blu-ray)
邦題 | ハンナ | |
レーベル | UNIVERSAL STUDIOS HOME VIDEO | |
制作年度 | 2011年 | |
上演時間 | 111分 | |
監督 | ジョー・ライト | |
出演 | シアーシャ・ローナン、エリック・バナ、ケイト・ブランシェット | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語 / dts 5.1ch スペイン語、フランス語 | |
字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
フィンランドの森の中で、ハンナは父であるエリックに完璧な暗殺者として育てられる。成長したハンナに対し、エリックはCIAに連絡を取るか、このままの生活をするかを選択させる。ハンナはCIAに連絡を取る方を選んだが、そのためにCIAのマリッサ率いる部隊に襲撃を受け、捕まってしまう。そこから脱出したハンナは、エリックと再開し、自身の出生の秘密を知るためにヨーロッパを横断し、ベルリンまでたどり着く逃避行を始める。途中バカンスをしている家族連れに助けられ、ハンナは追っ手をかわしてベルリンまで向かっていく。そしてそこで自身の秘密を知る。
レビュー
脇役に著名な俳優エリック・バナとケイト・ブランシェットをを配し、シアーシャ・ローナンを若き暗殺者ハンナを演じたのがこの「ハンナ」です。興行的には製作費を上回りましたが、大ヒットとまではいかず、スマッシュ・ヒットの範疇に収まっています。
話が若き暗殺者ハンナの活躍を描いたものになるのかと思いきや、途中で同世代の女の子、ソフィとその家族の交流話になったりで、意外とアクションシーンの少ない展開になっています。どちらかと言うと、父であるエリックに完璧な暗殺者として育てられたハンナが、ソフィなどの交流により、次第に人間的感情を取り戻していく話ではないかと思います。
ハンナとエリックの関係も、父と娘という関係が実はちょっと違うということが、後半で明かされます。と言っても父と娘であることには変わりはないのですが、その秘密を知るまでは、エリックとハンナの関係が何か変だなと、思わせるところが多々あり、後半の展開で「そういうことか」と納得をするようになっています。
その秘密自体がCIAのマリッサという女性も絡んで、マリッサがなぜエリックとハンナを追いつめ、その存在自体を抹消しようとしているか、その辺が次第に明らかにされます。マリッサの立ち位置というのも物語前半ではよく分からないのですが、途中からその辺が明確になってきて、彼女の行動理由がはっきりしてきます。
ただ、単純なアクション映画と思ってみると、ちょっと期待外れに終わる可能性はあります。これは結構ドラマとして成立している話であり、ハンナの成長物語と、親離れという儀式を描いた物語であると言えるからです。実際ハンナが逃亡のために走っているシーンはとても印象に残ってはいるのですが、ハンナが戦っているシーンは意外と少なく、その辺を期待すると肩すかしにあうとは言えます。
このBlu-rayには別バージョンのエンディングも収録されていますが、それを見ると、劇場公開版の唐突な終わり方とは別に、前述の様なドラマとしての成立が成り立っていることが明らかであるといえます。
音楽をケミカル・ブラザーズが担当しているのもこの映画の魅力の一つで、彼らの音楽が映画の雰囲気を独特なものにしていると思います。普通の映画とはちょっと違うテイストに味付けしているのが特徴です。
映像は大変にクリアではありますが、フィンランドの雪深い森の中のシーン等で、あまり寒い感じがしないので、その辺の色の再現性ではちょっと疑問が残る感じはします。逆に言えば、物語途中で出てくるヨーロッパであまりその雰囲気が伝わってこないのも、少々残念ではあります。音響はdts-HD MA 5.1chで視聴しましたが、かなり自然なサラウンドをしていると思います。意識的にサラウンドに音を振っているシーンもかなりありますが、それでも違和感なく、映像に寄り添う形でのサウンドですので、魅力的に感じます。
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