Hansel & Gretel WITCH HUNTERS 3D(Blu-ray 3D)/ヘンゼル&グレーテル/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

Hansel & Gretel WITCH HUNTERS 3D(Blu-ray 3D)

Hansel & Gretel WITCH HUNTERS 3D Blu-rayジャケット 邦題 ヘンゼル&グレーテル
レーベル PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2013年
上演時間 87分
監督 トミー・ウィルコラ
出演 ジェレミー・レナー、ジェマ・アータートン、ファムケ・ヤンセン
画面 2.35:1/アナモルフィック
音声 Dolby TrueHD 5.1ch 英語
DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語、ポルトガル語
字幕 英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語

あらすじ

 幼いヘンゼルとグレーテルは、父に連れられ、森の中に置き去りにされる。彼らがたどり着いたのはお菓子の家。しかし、そこは魔女の住む館だった。ヘンゼルは閉じ込められるが、グレーテルの助けもあり、魔女を退治して、二人は脱出する。その後、ヘンゼルとグレーテルは、魔女狩りを行うバウンティ・ハンターになっていった。その彼らが訪れたある町では、子供達が失踪する事件が起こっていた。町の人々は、魔女の仕業であるとして、ミアという女性を魔女狩りの生贄にしようとする。ヘンゼルは彼女を救い、村長に「自分たちが子供を助ける」ということで、魔女狩りを開始する。しかし、子供の失踪に関わっていた魔女のミュリエルの力は強大で、ヘンゼルとグレーテルは苦戦をする。そのうちに、ヘンゼルとグレーテルの出生の秘密も明らかになっていき、魔女にも悪い魔女といい魔女の2種類の人種がいることが分かる。悪い魔女ミュリエルは、子供達を使い、ブラッド・ムーンの時に世界を支配しようと目論むが、そこにヘンゼルとグレーテルが立ちふさがる。

レビュー

 有名なグリム童話「ヘンデルとグレーテル」の話をベースに、成長したこの兄妹が魔女狩りを行うバウンティ・ハンターになっている、という変わった設定で、過激な映像を軸に展開される映画が、この「ヘンゼル&グレーテル」です。残念ながら、日本では劇場未公開になってしまい、本国アメリカではぎりぎり制作費を回収するという成績に終わった作品であります。

 グリム童話の「ヘンデルとグレーテル」では、お菓子の家で美味しい思いをする兄妹ですが、この映画では、魔女の呪いのかかったお菓子になっているところが味噌です。それを強引に食べさせられたヘンゼルは、大人になってからも、一定間隔で注射を打たないといけない体になっている、という設定になっていて、思わず「糖尿病なのでは」と現代解釈をしてしまうところであります。

 大人になったヘンゼルとグレーテルが、強気のバウンティ・ハンターになっている、という新たな設定は、なかなか面白いアイデアだと思いますが、映画の話そのものが面白いかというと、ちょっと微妙な感じはします。中世のヨーロッパの街とその周辺の森を舞台にしていますが、出てくる道具がところどころ現代風の武器なので、なんか違和感を感じるところであります。魔女も、旧来の魔女然とした感じではなく、クリーチャーとしての魔女なので、怪物対人間という構図になってしまっているのは、残念なところです。

 物語では、なぜヘンゼルとグレーテルが魔女の作ったお菓子の家に行ったかが、次第に明らかにされていきますが、そこに善人の魔女もいるという設定が、効いてきます。善人の魔女の存在は、物語上のヘンゼルとグレーテルの存在にも関わってきますが、魔女との戦いでも、関係してきます。

 映画としては、アメリカでR指定を受けている通り、かなりバイオレンス色の強い映像になっています。魔女や人の死ぬシーンで、ショッキングな映像を意図的に見せていて、どぎつい感じをよく演出していると思います。アクション映画+童話といったところで、頭を空っぽにして見るには、そこそこの面白さを感じ取れるかと思います。ただ、見ていて、「なんか違う」というイメージも感じ取れます。アイデアはいいのですが、演出が間違っている感じはします。

 映像は、3Dのシネスコサイズです。暗いシーンも多いのですが、色乗りは十分で、画面の色調と相まって、暗いイメージを演出するのに成功していると思います。解像度も十分で、森の深さをよく現していると思います。3D効果は意図的に立体感を出しているようで、奥行き感を重視するというより、飛び出し感を重視している感じがします。音響は、最近のBlu-rayにしては珍しくDolby TrueHD 5.1chですが、終始サラウンドを使っていて、森の深さを空間表現しています。映画の面白さは再現できていると思います。

 Blu-rayでは、3D版は劇場公開版での収録ですが、2D版は、約10分長い指定なしバージョンでの収録になっています。今回は3Dでの鑑賞ですので、劇場公開版での視聴になっています。

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