JUMPER
邦題 | ジャンパー | |
レーベル | 20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2008年 | |
上演時間 | 88分 | |
監督 | ダグ・リーマン | |
出演 | ヘイデン・クリステンセン、ジェイミー・ベル、レイチェル・ビルソン | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 / dts 5.1ch英語 DOLBY DIGITAL 2.0ch スペイン語、フランス語 |
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字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
高校生のデヴィッドは、同級生のミリーに恋心を寄せていて、彼女にプレゼントをする。しかしそのプレゼントを同級生に嫌がらせをされ、氷の張った川に投げ飛ばされてしまう。デヴィッドはそれを取りに行こうとして川に落ち溺れる。その時彼の潜在的テレポーテーション能力が発動し、彼は図書館に移動してしまった。それから彼は8年もの間世界中をテレポーテーションし、銀行から金をくすね、優雅な生活を送っていた。そして再び恋心を抱いていたミリーに会いに行き、二人はローマに旅をする。しかし、そのデヴィッドのテレポーテーション能力を危険視するローランドとその配下の部隊が彼を抹殺しようと動き出していた。
レビュー
原作小説「ジャンパー 飛ぶ少年」を元に「ボーン・アイデンティティ」のダグ・リーマンが監督したのがこの「ジャンパー」です。興行的にはそこそこのヒットでしたが、北米地域では製作費を回収できず、またimdbでの評価もあまり高くない結果に終わっています。
僕も観ていて感じたのですが、今一面白くない映画だと感じました。それは主人公に共感できる部分が少ないという点に尽きるのではないかと思います。元々内気な主人公がふとしたことからテレポーテーション能力を発揮するというのはいいとして、その後の彼の態度がすっかり変わってしまい、やりたい放題になってしまうのはいただけないと思います。
こういう超能力映画の場合、その能力を持った主人公が苦悩する場面があってもいいと思うのですが、今回の場合それがないというところが、共感できないなと思ってしまうところであります。実際にはそういうシーンもあったのかもしれないのですが、描写があっさりし過ぎのために、感情移入できないという結果に終わっています。
また、その結果デヴィッドや途中から登場する同じ能力を持ったグリフィンといったキャラを追っかけるローランドのキャラ位置もちょっと中途半端に感じます。いつもと雰囲気の違う白髪のサミュエル・L・ジャクソンの雰囲気もあまり効果的には見えず、「ジャンパー」たちの追跡者としての怖さみたいなものがあまり伝わってこないのが、物語を中途半端にしている結果に終わっています。
特殊効果としてのテレポーテーションもあまり効果的とはいえず、観ていて飽きるというのが実感です。ただ救いは上映時間の短さで、88分という時間はまあ何とか観られる時間かなと思います。短いがゆえに設定説明も不十分に感じますが、こういう映画の場合は派手なチェイスシーンやアクションシーンにあると思うので、その辺が今一な映画としてはまあほどほどではないかと思います。
主役のデヴィッドを演じたヘイデン・クリステンセンはご承知の通り「スター・ウォーズ」シリーズでアナキン・スカイウォーカーを演じた若い役者ですが、彼にはあまり印象がないというか、一本調子の演技を感じます。俳優としての魅力に欠ける面があり、それも感情移入させない要因の一つとなっています。
唯一面白いなと思ったはテレポーテーションを何回もすることから世界各国をロケーションしているところであり、観光を楽しめるという点でしょうか。我々日本人から見ると、東京を一瞬ではありますが舞台にしているのは興味深い点があります。映画に対する配慮の少ない日本にしてはよくロケーションを許可したなと思わせるシーンがあり、これには好奇心を惹かれています。ただし東京を知っている身としてはロケシーンの位置のつなぎがでたらめなのは笑ってしまいますが。(銀座と渋谷が同一地点のように感じる)
映像はなかなか色乗りもよく、世界各地を駆け巡る映画であるところから、綺麗な発色をしています。解像度はまあまあといったところで不満は少ないです。音響はdts 5.1chで鑑賞しましたが、あまりサラウンド感を感じずにフロントで鳴っているという印象を受けます。レンジもあまり広いとは感じず、効果音としてのデザインが不満を感じます。この辺も映画の評価を下げる要因かなと思います。
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