KING KONG(2005)
邦題 | キング・コング(2005) | |
レーベル | UNIVERSAL STUDIOS HOME VIDEO | |
制作年度 | 2005年 | |
上演時間 | 187分 | |
監督 | ピーター・ジャクソン | |
出演 | ナオミ・ワッツ、ジャック・ブラック、エイドリアン・ブロディ | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
1933年のアメリカはニューヨーク。サーカス団にいたアンは、世界恐慌のあおりを受けて、劇場を閉鎖されてしまい、職を失う。一方興行師であるデンハムは、自分が制作している映画の中止を求められ、残ったフィルムとともに、未開の地で映画の撮影を続行しようとする。ニューヨークで知り合ったアンとデンハムは、脚本家のドリスコルや、主演男優であるバクスターとともに、シンガポールの近くにあるという未開の島、スカル・アイランドに撮影をしに行く。しかしそこには原住民がいてアンが生贄にされてしまう。アンはそこでコングに出会う。最初は恐怖心で叫んでいたアンだったが次第にコングと心を通わせることになる。アンを探すデンハムたちはコングの存在を知り、興行に使えると、生け捕りを考えるのだが、クリーチャーたちによって次々に仲間を失っていくのだった。
レビュー
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ3部作の成功を受けて、かねてから本作の構想をしていたピーター・ジャクソンが、満を持して放つ大作がこの「キング・コング」です。オリジナルの「キング・コング」をこよなく愛するピーター・ジャクソンが、オリジナルに敬意を払ってリメイクした本作は、3時間7分という長時間の作品にもかかわらず、大ヒットを記録することとなりました。
物語は、オリジナルの「キング・コング」が作られた1933年に舞台設定をされていて、ニューヨークが荒廃している様子を冒頭で描かれています。これはオリジナルでなかった設定で、本作を特徴づける設定ではないかと思います。
そのような舞台設定の中で主要登場人物である興行師のデンハム、女優のアン、脚本家のドリスコル、といった面々のバックグラウンドが詳細に描かれています。これは物語に没頭させるためのストーリー展開で、オリジナルにはなかった設定だと思います。
前半の1時間はそのように登場人物のバックグラウンドをじっくり描いていることで、デンハムとドリスコル、ドリスコルとアン、アンとデンハムの関係が詳しく描かれていて、結構面白いものになっているかと思います。そのためにタイトルロールであるキング・コングは上映開始1時間10分を過ぎるまで出てきません。キング・コングとは銘打っていますが、主役はアンであり、ドリスコルであり、デンハムなのではないかと思わせる描き方だと思います。
ドリスコルとアンの恋愛感情を描いたのも物語の後後になって効いてくる設定だと思います。これはオリジナルでも描いてはいましたが、設定が異なっていることと、時間をかけて描いているために、割と自然な流れになっているかと思います。
物語中盤であるスカル・アイランドでのコングとアンの出会いと、アンを探すドリスコルやデンハム、船員たちの遭遇するクリーチャーの戦いは、ちょっと物語が冗長かなと思わせるところがあります。コングがアンを最初生贄だったのが、次第に感情移入していくには必要な長さだったかもしれませんが、アンとコングの交流と、アンを探す探索隊の冒険の2シーンが交互に描かれているのは、少々やりすぎのような感じがしています。
物語後半は、オリジナルと同じくニューヨークでのコングの暴走と、プロペラ機のコングへの攻撃シーンで物語が進んでいますが、ここで、中盤でしつこく描いたコングとアンの交流が効いてきて、コングの死亡シーンが感情移入できるようになっています。物語としては、コングとドリスコルのアンを巡っての争いと見ることができるかと思います。
画質は大変きれいで、色乗りもしっかりしています。DVDに液晶テレビですと、画質的に不利なところも多いのですが、そういう点を感じさせないほど、しっかりと映像を映し出しています。冒頭のニューヨークは冬のシーンで、寒さを感じさせるシーンなのは、見事だと思います。ただ、クライマックスのアンの服装は、何となく違和感を感じます。冬のニューヨークで、薄着のドレス1枚は不自然です。サウンドはDOLBY DIGITAL 5.1ch 英語しか収録されていませんが、サウンドフィールドの形成は見事だと思います。また重低音もほどほどに効いていて、迫力があり、物語に没頭させる魅力を備えています。
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