MUNICH
邦題 | ミュンヘン | |
レーベル | UNIVERSAL STUDIOS HOME VIDEO | |
制作年度 | 2005年 | |
上演時間 | 164分 | |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ | |
出演 | エリック・バナ、ダニエル・クレイグ、マチュー・カソヴィッツ | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語 | |
字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
1972年のミュンヘン・オリンピックで、パレスチナのテロリストによるイスラエルのアスリート人質事件が発生する。ドイツはテロリストを排除するが、イスラエルの人質も一緒に殺されてしまう。イスラエルの軍部はこれを問題視し、テロリストを組織したパレスチナの11人を暗殺すべく、組織を結成する。その中にアヴナーもいて、子供が生まれる前の彼は、パレスチナ人の抹殺のために動き出す。
レビュー
実際に起きた事件を元にしたノンフィクション「標的(ターゲット)は11人 モサド暗殺チームの記録」を映画化したのがこの「ミュンヘン」です。スティーヴン・スピルバーグが重厚な演出で作品を作り出し、2005年のアカデミー賞で5部門ノミネートされています。
物語は日本にとっては複雑極まりないイスラエルと中東の敵対関係をテーマにした映画ということで、さすがに日本語字幕、吹き替えがないと少々理解に苦しむところもありましたが、基本的な面を押さえれば後は人間ドラマとして十分に楽しむことができました。
ベースとなっているのがミュンヘン・オリンピックでのパレスチナのテロリストによるイスラエル人の人質事件ということで、これがイスラエルを刺激し、パレスチナに対する報復という形で、物語が進行していくというのが骨子となります。
物語上、パレスチナの重要人物を次々と殺害していくのが主人公の所属する組織なのですが、これが最初はうまく殺害していっているのですが、次第に爆薬の量のミスだとか、無関係な人を巻き込むだとか、歯車が狂っていくのが、物語に深みを与えているかと思います。
主人公のアヴナーはそうした中で次第に自分のやっていることに疑問を持ってしまうのですが、それは彼自身が子供の親となり、また彼が殺害したパレスチナ人の中にも子供がいるという点からも、単純に主義主張ではやっていけないという意味合いを含んでいるかと思います。
パレスチナ人の殺害については、様々な方法で殺害をしているのですが、よく考えるなと感心するところはあります。単純に拳銃による殺害から、爆弾、手榴弾など、要所要所で印象に残ります。
映像は、DVDということで解像度が足りず、また撮影監督のヤヌス・カミンスキーを起用しているところからも、どうも銀残しの手法を使用しているようで、色がモノクロっぽい感じを強くしています。これが物語に緊迫感を与えるようになっています。音響は5.1chですが、ドラマということから、サラウンドは控えめの印象です。とはいうものの、殺害シーンなどの拳銃の音や、爆弾の音などは素晴らしくサラウンドにまで音が回り込み、低域も結構効果的に採用されています。
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