PANIC ROOM/パニック・ルーム/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

PANIC ROOM

PANIC ROOM DVDジャケット 邦題 パニック・ルーム
レーベル COLUMBIA TRISTAR HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2002年
上演時間 112分
監督 デヴィッド・フィンチャー
出演 ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch / 英語 DTS 5.1ch 英語
DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語、フランス語
字幕 英語、フランス語
SUPERBIT仕様

あらすじ

ニューヨーク、マンハッタンの巨大な屋敷にメグとサラの母娘が引っ越してきた。メグが夫と離婚したためであった。この巨大な屋敷は 3 階建てで部屋も相当数あり、特筆すべきは「パニック・ルーム」と呼ばれる緊急避難用の部屋を装備していることだった。「パニック・ルーム」には侵入が不可能であるばかりか、この部屋からは屋敷内を監視することすら出来た。引越しの当日の夜、三人の泥棒がこの屋敷に侵入してきた。彼らの目的は「パニック・ルーム」に隠されているという 300 万ドル相当の宝物の強奪だった。泥棒の侵入に気づいたメグはサラを連れ、「パニックルーム」に篭城を図るが、逆に泥棒側は電話線の切断などを行い、彼女たちが外部に救助を求めることが出来ないようにしてしまった。こうしてメグたちと、泥棒たちの戦いが始まった。

レビュー

「セヴン」や「ゲーム」などで独特の映像を見せつけたデヴィド・フィンチャー久々の作品は、予想に反して普通のサスペンス映画でした。しかし、普通のサスペンスとは言うものの、「パニック・ルーム」という難攻不落の要塞のような緊急避難部屋を舞台にしたことで、先の読めない展開になったのではないかと思います。

フィンチャーの前作「ファイト・クラブ」でこそ昼間の映像が多かったように思いますが、今回は従来の彼の作品と同じく夜のシーンが多いため、暗い独特の映像が復活しているように思います。そのため部屋の環境を整えていないと画面上で何が起こっているのか分かりづらい面もあるように思います。また、「パニック・ルーム」内の照明が意図的なのか、妙に青白い映像になっているのも屋敷内の暗闇の映像と対比されているような気がします。

キャラクター設定では、ジョディ・フォスターがシングル・マザーという設定がちょっと意外です。実生活でもシングルマザーな訳ですが、どうもこれまで観てきた彼女の主演作からすると違和感を感じます。とは言うものの相変わらず美しいですし結構好きな女優さんですのでその意外感もすぐになじんでしまいましたが。また、泥棒グループが初めから仲がよくないという設定もちょっとひねりが入っている気がします。普通こういう作品ですと、最初は犯罪者グループが一致団結しているものの、途中から金に目が眩んで仲違い、というパターンだと思いますので面白い設定だな、と思います。特に「泣きのフォレスト」と一部で言われている(顔の雰囲気がベソかいているように見える)フォレスト・ウィテカー演じる何か良心が残っているキャラクターがポイントかな、と思います。

物語途中で「パニック・ルーム」内から携帯電話で救助を求めようとしたら、電波が届かなくて携帯電話が使えない、というシーンがありましたが、妙にリアリティを感じます。携帯電話は既に生活の一部となってしまっていますから、使えない、というのは致命的ですらあるように思います。

映像は前述のようにほぼ全編夜で室内のシーンばかりですからかなり暗い映像が続きます。部屋の調光や、TV モニターの調整をきちんと行わないと少々きついのではないでしょうか。音響は DTS が入っていることもあり、さほど派手な鳴り方はしないものの、環境音を絶妙に配置しておりますので、リアリティが増しております。

なお、このディスクは、「スーパービット」仕様のディスクです。「スーパービット」とは通常の DVD に入っている映像特典やオーディオコメンタリーを一切排除し、その代わりにディスクの容量をすべて映像とサウンドに振り分けたものです。平均すると通常の DVD に比べ 2 倍近いデータ転送容量を誇り、より緻密な映像やサウンドを楽しむことが出来ます。もっとも本国アメリカではあまり売れ行きがよくないらしく、シリーズの継続が危ぶまれています。まあ普通の TV で見ている分には通常の DVD との差を見出すことは難しいのではないかな、と思います。「スーパービット」 DVD はプロジェクターなどの大画面で見てこそ真価を発揮できるのではないかと思います。

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