PASSENGERS(Blu-ray 3D)
邦題 | パッセンジャー | |
レーベル | SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2016年 | |
上演時間 | 116分 | |
監督 | モルテン・ティルドゥム | |
出演 | ジェニファー・ローレンス、クリス・プラット、マイケル・シーン | |
画面 | 2.39:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語、フランス語、ポルトガル語 DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語、タイ語 |
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字幕 | 英語、広東語、中国語、フランス語、インドネシア語、韓国語、マレー語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、ベトナム語 |
あらすじ
ホームステッド社の宇宙船アヴァロンは、地球から120年離れた植民惑星に、乗客5000人を乗せて、宇宙を航行していた。しかし、途中で隕石群に遭遇し、そこでダメージを負ったため、ジムという男の冷凍冬眠が解除されてしまい、ジムはまだ植民惑星に90年もかかるという位置で、一人目覚めてしまう。ジムは、なんとか冷凍冬眠に入る術を探し、クルーを起こそうと船内の情報を探すが、ジムを冷凍冬眠する術はなかった。そのまま1年を過ごし、自殺を試みたジムは、ふとしたことで、オーロラという女性の存在を知り、彼女の情報を引き出すことで、オーロラに感情移入をしてしまう。そして、孤独に耐えかねたジムは、オーロラを手動で冷凍冬眠から起こしてしまう。何も知らないオーロラは、ジムと2人で宇宙の旅を過ごし、ジムと親密になっていく。しかし、真実を知り、オーロラはジムと距離を置き始める。その頃、宇宙船アヴァロンは、システムが不調になり、度々再起動を示すようになる。そして、それは2人に危険が襲い掛かる予兆だった。
レビュー
人気急上昇中のジェニファー・ローレンスと、クリス・プラットを主役において、目的地までまだ90年も離れた宇宙空間で、たった2人、孤独に目覚めてしまった男女の関係と宇宙船の危機を描いたSFラブ・ストーリーが、この「パッセンジャー」です。映画としては旬の二人を主役においていますが、興行収入的には今ひとつの結果に終わり、制作費を回収できない状況です。
物語としては、地球から120年離れた植民惑星に旅立つ宇宙船の中で、隕石群に遭遇したことで宇宙船のシステムが不調になり、ただ一人冷凍冬眠から目覚めてしまったジムという男と、そのジムによって強制的に冷凍冬眠から目覚めさせられるオーロラという女のラブ・ストリーがメインになっています。
当然、ラブ・ストーリーなので、二人の感情が描かれていますが、時間経過が今ひとつ曖昧な描かれ方をしているので、感情移入はしづらいところがあるのが、この映画の弱点かと思います。ジムが孤独に耐えかねるのに1年経過していると、映画上では描かれますが、その1年という時間の長さが観客としては実感できないので、ジムの孤独さがあまり浮き彫りになっていないところはあります。
当然、ジムによって強制的に冷凍冬眠から起こされるオーロラも、ジムと感情が寄り添う様が、ちょっと不自然で、この二人の感情のやりとりにまた1年かかるという設定が、あまり実感を感じさせないところはあります。
後半、オーロラが真実を知り、ジムに対して嫌悪感を抱くのは真に迫っているかと思いますが、それを宇宙船の不調が打ち消してしまっているのは、ストーリー的に、盛り上がっているとは思います。ただ、それがないと、不自然なままで終わってしまうところはあります。
ジムやオーロラの対応をするロボットのバーテンダーが、いい味を出しているのは、この映画の特徴かと思います。ロボットなので、感情はないのですが、孤独なジムやオーロラに対して、適当に対応をするバーテンダーの存在は、結構大きいかと思います。もっとも、このバーテンダーがオーロラの冷凍冬眠からの解除の話をバラしてしまうので、結構いい加減なロボットだな、と思うところもあります。
後半、ガスという船員も冷凍冬眠から解除され、宇宙船の不調が深刻化していくところから、急にラブ・ストーリーからSF映画に舵を切っていくのは、ちょっとテンポが異なるところではあります。ただ、その宇宙船の不調が心がすれ違うジムとオーロラを再度結びつける、という展開は、何と無く納得できる様であると言えます。
SF映画でもありますので、宇宙船アヴァロンと、宇宙空間の表現性は、なかなかユニークであると思います。アヴァロンが前方シールドをエネルギーで張っているのは、他のSF映画と違って、妙に納得性があります。宇宙空間では、チリ程度のゴミでも宇宙船にダメージを与えるという話が真実として言われていますので、アヴァロンがシールドを張っているのは、リアリティを感じるところがあります。
映像は、3Dで鑑賞しましたが、高精細度で、また3Dの奥行き感が素晴らしく、映画を楽しませるのに十分な魅力を放っています。特に宇宙空間の3D度は、見事なものがあり、宇宙空間にいるかのような迫力に満ちています。音響は3D Blu-rayでは、dts-HD MAの5.1chサラウンドですが、終始音響がサラウンドしていて、その空間表現性が、映画に引き込む要素になっています。また、重低音の出方も素晴らしく、迫力を感じます。
なお、このディスクは4K UHD Blu-rayがメインで、3D Blu-rayやBlu-rayはおまけ的存在ですが、再生環境に4Kシステムがないので、3D Blu-rayで鑑賞しています。3D Blu-rayでも映像や音響の魅力は素晴らしいですが、4K UHD Blu-rayだと、音響はDOLBY ATMOS対応なので、より音響効果が優れていると思われます。
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