RAMBO:LAST BLOOD(Blu-ray)
邦題 | ランボー5/ラスト・ブラッド | |
レーベル | LIONS GATE HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2019年 | |
上演時間 | 89分 | |
監督 | エイドリアン・グランバーグ | |
出演 | シルヴェスター・スタローン、パス・ベガ、セルヒオ・ペリス=メンチェータ | |
画面 | 2.39:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
アメリカの田舎でランボーは馬の世話をして、余生を静かに暮らしていた。ランボーは両親の居なくなった友人の娘のガブリエルと共に暮らしていたが、ガブリエルが大学進学前にメキシコに住む友人から、父の消息がわかった、という情報を得て、メキシコに行きたいと言い出す。ランボーや家政婦はそれを止めるのであるが、ガブリエルは勝手にメキシコに向かってしまい、友人の手引きで消息を絶った父親と再開する。しかし、父親の態度は素っ気なく、娘を歓迎しなかった。落ち込むガブリエルはクラブに友人と赴くのであるが、そこでメキシコの麻薬カルテルに拉致されてしまい、麻薬漬けにされて売り飛ばされようとしていた。ガブリエルがメキシコに行ったことを知ったランボーは、ガブリエルを救出するためにメキシコに赴くが、そこに麻薬カルテルが立ち塞がっていた。
レビュー
シルヴェスター・スタローンの当たり役、ジョン・ランボーを主人公にしたアクション映画の第5弾が、この「ランボー5/ラスト・ブラッド」です。前作、「ランボー/最後の戦場」でランボーシリーズは終わりかと思われましたが、シリーズ最新作として「ランボー5/ラスト・ブラッド」が製作されています。映画批評家からは酷評され、また興行収入的にも今一つの成績になりましたが、観客からは一定の評価を得ていて、また、見ていて面白い作品になっていると思います。
今まで「ランボー」シリーズは多かれ少なかれ、ヴェトナム戦争で心の傷を負ったジョン・ランボーの葛藤みたいなものが描かれていますが、今作でも微妙にですがランボーのヴェトナム戦争での心の傷は描かれていると思います。ランボーが住む農場の地下にトンネルを掘っていて、そこに武器類をしまっているのは、その影響かと思います。実際に映像でもフラッシュバックとしてのヴェトナム戦争が描かれています。とは言うものの、今回のランボーの活躍は、友人の娘を案じるが為の戦いになっているのが特徴で、ランボーの数少ない絆への想いが戦いの動機になっているのが特徴です。
ランボーの絆への想いが物語の中心になっているために、ランボーが大暴れするシーンはクライマックスまで待たなければならず、その手前までは人間ドラマが描かれているのが他のシリーズと大きく違うところであります。友人の娘の身を案じるあまり、メキシコまで単身乗り込むランボーの姿は、ランボーの心の機微を描いていて、他のシリーズとは一味違う展開になっています。年老いて余生を静かに暮らしたいランボーが、友人の娘の行方を探るために再びかつての自己能力を発揮させる姿は、かえって「ランボー」シリーズでなくてもいいのかな、と思わせるところがあります。
クライマックスまでは派手なアクションはないですが、それでも要所要所でランボーのグリーンベレーとしての能力は発揮されていると思います。この映画自体そうですが、結構残虐なシーンが多く、首だけの死体とか、足を切られて倒れる麻薬カルテルのメンバーなど、子供には見せられないなと言えなくはありません。実際映画としては18歳未満は父兄の同伴必要なR指定を受けていますし、悪党が死ぬシーンは派手に死んでいきます。その辺がハマるかハマらないかの分岐点になりそうです。
クライマックスでランボー対麻薬カルテルの戦いになりますが、このあたりになるとランボーのヴェトナム戦争での能力がフルに発揮されて、麻薬カルテルのメンバーが次々と死んで行くのが、爽快感を感じます。ランボー自身も危機が訪れますが、それでも麻薬カルテルがランボーの手にかかって殲滅されていくのは、映画のハイライトであると言えそうです。今作では絆のための戦いという名義がありますが、それでも味方はランボー一人というのが映画のテンションを上げていきます。
映像は明るいシーンが多く、高解像度で色乗りも十分にあり、映像の美しさが生えていると言えます。暗いシーンでも見づらいと感じる場面はなく、見通しのいい映像になっています。音響はDOLBY ATMOSのみ収録という思い切った仕様ではありますが、DOLBY ATMOSの効果は前半のドラマパートはあまり効果を発揮しているとは言えない感じを受けます。しかし、クライマックスの戦闘シーンはDOLBY ATMOSのイマーシヴ・オーディオが効果的に再生されていて、音響効果を盛り上げていきます。全般的には物足りない感じのする音響効果ですが、アクションシーンの効果の高さは感じ取ることができます。
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