RED DRAGON
邦題 | レッド・ドラゴン | |
レーベル | UNIVERSAL STUDIOS HOME VIDEO | |
制作年度 | 2002年 | |
上演時間 | 125分 | |
監督 | ブレット・ラトナー | |
出演 | アンソニー・ホプキンス、エドワート・ノートン | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語 DOLBY DIGITAL 2.0ch スペイン語 |
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字幕 | 英語 |
あらすじ
猟奇的殺人事件を捜査していたグラハム捜査官は、レクター博士が犯人であることを知り、逮捕に漕ぎ着けるが、自身も負傷してしまう。数年後、一家惨殺事件が続発しグラハム捜査官は宿敵であるレクター博士のサゼスチョンを受けながら再び捜査に乗り出す。
レビュー
アンソニー・ホプキンスの当り役となってしまったハンニバル・レクターシリーズの第三段になります。第三弾といっても原作の執筆順から言ったら第一弾ですので、アカデミー賞を受賞した「羊たちの沈黙」の前段階に当たる作品です。
元々、この「レッド・ドラゴン」という作品、レクター博士が主役の作品ではなかった為、脚本はある程度原作から離れているのではないかと思います。10数年前に原作を読んだ記憶があるのですが、レクター博士の印象があまりなかった記憶があります。しかし、今回の映画化ですと、確かに出番があまりないようにも思えますが、その印象強さは相当なもので、クレジットで一番に表示されるのも納得してしまうくらいです。
真の主人公は、クレジットでは二番目になっているエドワード・ノートン扮するグラハム捜査官だと思います。彼もなかなか印象深い演技をしていますので、ちゃんと見ているとこちらが主人公かな、という気がしてきます。
このトマス・ハリス原作のレクター博士シリーズはどれも原作が読みづらくて困ったものですが、今回の作品はかなり分かりやすい作品作りになっているようです。ただ、その分、前二作(「羊たちの沈黙」、「ハンニバル」)に比べ、猟奇度というか、独特の雰囲気感が薄いような気がします。これは多分製作者の作品に対する視点や、脚本などにも寄っていると思うのですが、「羊たちの沈黙」で感じたなんともいえない不気味さ、「ハンニバル」で感じた独特の映像美と雰囲気が、この作品からは感じられないような気がします。ごくありふれたサイコスリラーという印象が強いです。もちろん面白くない、といっているわけではないのですが。
10 数年前に原作を読んだとはいえ、すっかりストーリーなど忘れてしまっていた為、ラストがどうなるのかそれなりに引き込まれてみていましたが、ラスト、何かどこかで観たような展開だなと思ってしまいました。よく考えたら、「ロード・トゥ・パーディション」と似たような展開ですね。ネタバレにならないよう詳しくは書きませんが。
映像は、前述の通り普通のサイコスリラーのという意図があったせいか、特にいじった映像作りをしていないようです。自然な色調で見せてくれます。ただレクター博士の牢屋を含め、暗いシーンが多くなりがちのようですので昼間部屋で見ていると少々観づらいです。サウンドデザインも定番のデザインですが、これも「羊たちの沈黙」と比べておどろおどろした雰囲気ではないので聴きやすいです。
蛇足ですが、トマス・ハリス原作のこのシリーズ、小説版はなぜか読みづらいんです。もともとの書き方が悪いのか、それとも翻訳者の翻訳の仕方が下手なのかは知りませんが、このシリーズに限ってはオリジナルの小説より映画を観たほうが分かりやすいと思います。
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