SHAFT(Blu-ray)
邦題 | 黒いジャガー | |
レーベル | WARNER HOME VIDEO | |
制作年度 | 1971年 | |
上演時間 | 100分 | |
監督 | ゴードン・パークス | |
出演 | リチャード・ラウンドトゥリー、モーゼス・ガン チャールズ・シオッフィ |
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画面 | 1.85:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 1.0ch 英語 | |
字幕 | 日本語、英語 |
あらすじ
私立探偵のジョン・シャフトは、黒人の2人組から襲撃を受ける。警察の介入の中、黒人2人組が黒人の犯罪組織のボス、バンピーの手下であることを知り、シャフトはバンピーに会いに行く。バンピーは自分の娘が何者かに誘拐されたことをシャフトに告げ、娘を取り戻すよう依頼をする。シャフトは金でその依頼を受け、黒人街のビュフォードを探しに行く。彼がバンピーの娘を誘拐している可能性があったからである。しかし実態はそうではなく、バンピーが白人のマフィアの麻薬取引をかすめ取ったためのトラブルだと知った。それでもシャフトは金でバンピーの依頼をそのまま受ける。
レビュー
1960年代の黒人解放運動を受けて、1970年代に沈没しかけていたハリウッドの映画会社が、これまで対象にしていなかった黒人を観客として呼ぶために撮影された黒人映画の中で、代表的なのがこの「黒いジャガー」です。原作を持つこの映画は、黒人が観客として呼べるとハリウッドが認知し、以後、黒人映画というジャンルを生み出して行くことになります。
製作・公開から40年以上経過してからこの映画を観賞しますと、特に黒人が主役であるというのはあまり違和感を感じないのですが、当時としては画期的だったと思います。特に冒頭のシャフトが冬のニューヨークの街中を歩いて行く姿は、主題歌を歌ったアイザック・ヘイズの曲とともに、とても魅力的なシーンとして、印象を強くさせます。
物語自体は黒人の犯罪王と、白人のマフィアのトラブルから黒人の犯罪王の娘が誘拐され、その救出を頼まれる、というそんなに面白い物ではありません。よくある話だとは思いますし、ストーリーの展開としてもありきたりだと思います。しかし、前述のように主役が黒人ということで、話の雰囲気は大抵の映画とは異なって見えると言えるでしょう。
シャフトが活躍するのは、黒人のためであり、白人に対しては容赦ない行動を起こします。その辺が面白く、映画が独特の雰囲気を持たせるのに成功させていると思います。それは白人でシャフトに協力しようとして出来ない警察や、麻薬の取引を行っているマフィアなどが、シャフトによってある意味コケにされているところが特徴ではないかと思います。
また意外性を持っているのがシャフトのラブ・シーンであります。通りすがりの白人女性とベッドシーンを見せつけるシャフトは、当時の白人至上主義としては、異例と言えるのではないかと思います。黒人男性に抱かれる白人女性という構図は、ブラックパワーを見せつける格好のシーンであるといえます。
もう一つ舞台となっている冬のニューヨークというのも、物語を生み出している一つのような気がします。ニューヨークの厳しい寒さの中、シャフトらが縦横無尽に駆け回る様は、映画の中で都市の魅力を発揮している気がします。都市が息づいている感触が映画の中で輝く元となっている気がします。
映像は、解像度はあり、また色彩も冬のニューヨークの寒さをよく表している感じはしますが、いかんせんフィルムの状態のせいで、かなりのフィルムグレインが乗っています。そのせいで解像度は高いものの、ノイズ感は隠せないものになっています。音響はdts-HD MA 1.0chのモノラル音声で、時々セリフがオフラインという感じで聞き取りづらい物があります。音楽のシーンはオンラインなのですが、セリフが聞き取りづらいため、作品の印象を弱めていると思います。
なお、このBlu-rayは輸入盤ではありますが、日本のプレイヤーで再生すると、日本語メニューに日本語字幕が登場するという世界共通仕様になっています。そのおかげで視聴するのはかなり楽です。黒人が主人公の映画ということで、スラングがかなり飛び交っているようですが、その辺は英語字幕では理解しがたいと思います。
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