signs
邦題 | サイン | |
レーベル | TOUCHSTONE HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2002年 | |
上演時間 | 106分 | |
監督 | M.ナイト・シャマラン | |
出演 | メル・ギブソン、ホアキン・フェニックス | |
画面 | 1.85:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch-EX 英語、フランス語 | |
字幕 | 英語 | |
THX仕様 |
あらすじ
事故で妻を失った神父のグラハムは、弟のメリルと二人の子供ちと共にトウモロコシ畑で生計を営んでいた。ある日、彼らの畑にミステリーサークルが出現する。そのミステリーサークルは次第に全世界中で確認されるようになり、また、時を同じくして世界中でUFOも確認されるようになる。そのような中、彼らの周囲では何か得体の知れない奇妙な現象が立て続けに起こり、また何かの姿が見え隠れし始める。いったい彼らの周囲に何が起こっているのか。ミステリーサークルの意味は何か。事態は次第に深刻化していく…。
レビュー
「シックス・センス」で全世界の観客を驚かせたシャマラン監督の待望の 3 作目ということで期待していたのですが、体調の関係もあったのか(うつ病による精神集中の困難)、残念ながら今ひとつ、という感じを受けてしまったのが第一印象です。(実はシャマランの 2 作目「アンブレイカブル」が僕は好きなんです。スーパーヒーローの誕生物語という展開が気に入っています。それもそのヒーローが普通のおじさんの雰囲気を見事に漂わせていたブルース・ウィリスというのがバットマン誕生秘話のような印象を受けましてお気に入りの作品になっています。)
作品自体は、あの「シックス・センス」と同じようなトーンがずっと漂っていると思いますので出来としては悪くない気がするのですが、なぜか作品中に入り込めなかったのが、今ひとつという印象を受けた原因かもしれません。
この作品の表テーマは、異星人の侵略というありふれた内容ではありますが、描いている部分が侵略前のある一定期間であるということと、それを一つの家族の視点から描いている、という点が斬新だとは思います。その分、異星人は地球侵略を狙っているのか、何らかのメッセージを伝えに来たのか、というのが分かりづらくなってしまい、クライマックスで一応侵略を狙っているということが分かるもののカタルシスが弱くなっている気もします。それと異星人の音声が、よく「スタートレック」とかで出て来たりする異星人の声と似ている気がします。それも僕のこの作品の見方に関して混乱を招いている一つの要因でしょう。
でこの「サイン」、「シックス・センス」と同じく裏テーマがあるように思うのですが、これが「シックス・センス」ほどうまく機能しなかったのではないかな、と観ていて感じました。それも今ひとつ、という印象を受けた理由の一つです。多分「サイン」の裏テーマは、「妻が死んだことにより信仰を実は失ってしまった敬虔な聖職者が、異星人から家族を守ることによって信仰を取り戻していく」、というものだったのではないか、と考えています。ラストシーンでグラハムが神父の衣装に身を包むシーンがあるのはそのためではないかと思うのですが、どのようなものでしょうか。ちなみに「シックス・センス」の裏テーマは、「幽霊を見ることができる子供がその現実を受け入れて成長していく物語」だったのだと僕は思っていますが、他の方の感想を聞いてみたいものです。
監督であるシャマランが今回俳優として多少重要な役柄を演じているのは興味深いものがありました。単なるカメオ出演以上のインパクトがあったように思います。
今回から視聴している TV が変わったこともあって、画質に関しては従来以上にクオリティの高い印象を受けました。ただ、夜のシーンだとか、暗い部屋の中のシーンが多いので、昼間に観るにはちょっと不適当かもしれません。少々観づらい気がしました。また TV の特性もあるかと思いますが、画面が全般的に赤側に寄っている様にも思います。しかし、本来のフィルムの特性からすれば、画面が赤っぽいというのはフィルムの雰囲気に近いはずですから、より映画制作者の意図した色調に近いのではないかと思います。仕様としてもルーカスフィルム認定の THX 仕様であることからもそのように考えるのが妥当かと思います。音響は、ジャケットにもどこにも記載がありませんが、映画のエンドクレジットを観ている限りでは DOLBY DIGITAL-EX の仕様のようです。当然環境音が自然にリスナーを取り囲んでおりますので、時々映画の音声なのか、現実の環境音なのか判らなくなるくらいリアルに鳴っております。
なお、特典映像として、シャマランが学生時代に自主制作した異性人侵略物の短編フィルムが入っています。これを観ると、「サイン」自体はやはり異星人の侵略を描いたものと捕らえるほうが妥当のようです。異星人と友好関係を結ぶ映画ではない、というのははっきりしました。
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