SOURCE CODE(Blu-ray)
邦題 | ミッション:8ミニッツ | |
レーベル | SUMMIT ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2011年 | |
上演時間 | 94分 | |
監督 | ダンカン・ジョーンズ | |
出演 | ジェイク・ギレンホール、ミシェル・モナハン、ベラ・ファーミガ | |
画面 | 1.78:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語、DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語 | |
字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
軍のコルター・スティーヴンス大尉は突然鉄道の中で意識を取り戻す。何が起こったのか分からないままにいるうちに列車は大爆発をしてしまい、とある実験室にいるのを知る。そこでグッドウィン大尉と名乗る女性から、鉄道の爆破阻止を命じられる。しかしコルターは、自分がアフガニスタンで任務に従事していたこと、それがなんで研究室にいるのかが分からないままに再度列車に意識が戻される。そこではショーンという名前で、前の座席にいたクリスティーナという女性と会話をしていることが明らかになる。次第に状況の飲み込めてきたコルターは、列車の爆破阻止を実行しようと、調査を開始するのだが、何度も失敗してしまいそのたびに研究室に戻されてしまう。その過程で分かってきたことを元に彼は爆弾魔を特定するのだが。
レビュー
今年の春あたりにアメリカで公開され、そこそこのヒットを記録したのがこの「ミッション:8ミニッツ」です。原題では「SOURCE CODE」といい、研究室のプログラムのことを指しています。
物語中では否定されていましたが、一種のタイムトラベル物と考えてよさそうです。正確にはタイムトラベルと言うよりは、SF的なパラレルワールドの世界を描いた作品というべきでしょうか。アイデアが優れていて、主人公コルターに残された時間は列車の中でわずかに8分間というところにサスペンス色を感じます。
当然8分間で出来ることには限りがあるのですが、精神だけを他人に移植するという仕組みの中でコルターは次第に状況が飲み込めていき、少しずつタイムラインが変わっていくのが物語を飽きさせない理由ではないかと思います。
物語としては、主人公であるコルターがショーンとして限られた時間の中で爆弾魔を探し出し、列車の爆破と犠牲者を出さないというのが根底にありますが、その中でも同席した若い女性であるクリスティーナとの関係も物語の肝であります。何度も列車に戻ってくるたびにクリスティーナと会話することで、コルターの心境も次第に彼女に引かれるようになっていきます。だからこそ後半のあるポイントでの事件には心情が移入しやすくなるといってもいいでしょう。
爆弾自体は意外と序盤で発見されてしまうのですが、それにはいろいろ罠があって、爆発を阻止したと思ったら実はできていなかったというような設定には、ハラハラさせられるものがあります。また、この爆弾自体が携帯電話と密接に関係していることもあって、コルターの携帯電話に対する調査の仕方にはかなり無謀なものがあると思います。
犯人は後半に明らかになりますが、その明らかになった犯人を捕らえてソースコード・プロジェクトのメンバーたちが喜んでいる中、コルターだけはこのプロジェクトの実行者であるグッドウィンに懇願して、最後の8分間で列車爆破事件の完全な解決を求めていきます。これは途中でコルターが何故アフガンで軍の業務に従事していたはずなのに、ソースコード・プロジェクトに参加しているのかというのも関係してくるポイントだと思います。
物語の出来としても中々秀逸で、同じようですこしずつ違う8分間を描くというかなり難しいエピソードをうまくまとめています。こういうのはSF的センスがないとはまらないのですが、脚本家自体にそういうセンスがあるのか、ミステリーとSF的設定がものすごくマッチしている作品に仕上がっていると思います。
画質は、フィルムライクな映像で、冷たい感じを出すためか、鮮明な色使いの中、少し青が強いような感じのひんやりした映像を提供しています。特にソースコード・プロジェクトの中のシーンは光がないこともあって、その傾向が強く出ています。音響はdts 5.1chでの視聴です。音場は広大で、かなりの広がり感を感じます。意外と爆破シーンが多いのに重低音は響かないのですが、それを差し引いても素晴らしい魅力的なサウンドを構築しています。サブウーハーの響きはないのですが、ワイドレンジであると感じます。また空間表現力は中々のものであると感じます。
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