STAR TREK INSURRECTION/スタートレック/叛乱/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

STAR TREK INSURRECTION

STAR TREK INSURRECTION DVDジャケット 邦題 スタートレック/叛乱
レーベル PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT
制作年度 1998年
上演時間 103分
監督 ジョナサン・フレイクス
出演 パトリック・スチュワート、ブレント・スパイナー
画面 2.35:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 / DTS 5.1ch 英語
DOLBY DIGITAL 2ch 英語、フランス語
字幕 英語、スペイン語

あらすじ

 平和なバクーの住む星で、連邦が密かに観察をしていたが、突如データが暴走を始める。データの暴走を知ったピカードたちは、データを回収し、記憶を探るが、そこには連邦のプライム・ディレクティヴを破るソナー人との密約があった。ソナー人は、バクーの人たちを星から追い出そうと画策していた。それに連邦が加担していることを知ったピカードたちは、提督の忠告も聞かずに連邦の法律を守る為、バクー人たちの救助に駆けつける。ソナー人たちは、バクーの人々を強制的に船に収容し出すが、ピカードたちの活躍により阻止される。ソナー人たちには秘密があってそのようなことをしていたのであるが、その秘密とは…。

レビュー

 映画版「スタートレック」の第 9 作目で、「新スタートレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション」の映画版第 3 作に当たるのが、この「スタートレック/叛乱」です。この作品は、そろそろ「スタートレック」人気に陰りが見えてきた頃の作品で、そこそこのヒットに終わりました。

 この作品は、見ていて TV シリーズの 2 時間スペシャルのような感触を受けます。脚本を書いたのが、TVシリーズでプロデューサーを務めたマイケル・ピラーが脚本を書いていたというのもありますが、物語の設定が、ちょうど最終シーズンを放映していた「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」の設定を使っているというところに一見さんお断りのような雰囲気をかもし出しています。

 まず、ソナー人と連邦の協力関係が描かれていますが、これは、ソナー人が「ディープ・スペース・ナイン」で出てきたジェム・ハダーという種族が必要とするケトラセル・ホワイトを作る技術があるというところから話は始まっています。ジェム・ハダーは、連邦の脅威となっている種族で、ドミニオンの戦闘部隊という設定になっています。ケトラセル・ホワイトというのは、そのジェム・ハダーが必要とする麻薬のようなものであり、これを連邦が作れれば、ドミニオン戦争の行方が変わってくるという設定になっています。

 物語始めは、データが暴走するというシーンから始まりますが、平和なバクー人の村にいきなり連邦の監視装置が出てくるというところから物語がどう展開していくのだろうと考えさせられてしまいます。

 その後、連邦が協力関係を求めていた様々な種族との調停を務めていたエンタープライズ号は、データの暴走を聞き、提督が止めるのも聞かずにプライヤーパッチに突入して、データの回収に成功します。このシーンで、ピカードとウォーフ、データが歌を歌うシーンがありますが、結構爆笑物のシーンだと思います。

 回収されたデータは、メモリーチップを交換し、元に戻りますが、その過程で、連邦とソナー人の協力関係が、バクー人を星から追い出すという連邦の規約に反する行動になっていることにピカードは気付きます。ピカードはバクー人のアニージと親密な仲になってきて、バクー人がプライヤーパッチの放射能の影響でいつまでも若々しい姿でいられるということに気付きます。ソナー人は、逆に老いた姿で、外科手術で何とか生き延びている種族です。それで、若々しい姿を求めて、バクー人を追い出すという暴挙に出ていることが判明していきます。連邦がそれに加担しているということは、「他国に干渉しない」という法律に違反していることになり、ピカードはバクー人を助けようと、エンタープライズのクルーと共に立ち上がることになります。

 物語は中盤からバクー人を救出するピカードたちの活躍が主になりますが、映画という時間の限られた中で全員の活躍を描くのは無理な話で、どうしてもピカードとデータがメインで活躍することになってしまいます。ピカードは、ラブロマンスも描かれていて、堂々の主役振りを見せてくれます。一方データは、少年と仲良くなり、子供の頃の楽しさというものを学んでいくことになります。これは、テレビシリーズでも描かれていたピノキオストーリーの再現というところでしょう。データは人間になりたいアンドロイドなのです。

 物語中盤で、ライカー副長とラ・フォージュは、エンタープライズで連邦の通信領域まで行くことになりますが、途中でソナー人の攻撃を受けることになります。物語の展開上のこととはいえ、今回もエンタープライズはかなりダメージを受け、ピンチに陥っています。連邦の最新鋭艦とは思えないほどのだめっぷりを描いていて、これはこれではらはらさせられるものがあります。

 この作品は、当初 2 部構成の第 1 部ということで続編が描かれる予定でしたが、実際は描かれることはなく終わりました。実際に作られていたら、どんなストーリー展開になっていたのか、気になるところですが、この辺りでは人気も落ち目になっていましたので、作られなくてよかったのかな、と思わざるをえません。

 映像は、大変美しいコントラストを再現していて、観ていて気持ちいいものであります。色乗りがすぐれていて、明瞭な映像を提供してくれています。音響は、DTS 5.1ch を 2ch ステレオで鑑賞しましたが、なかなかに迫力のある音響効果をしていました。

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