STAR TREK NEMESIS/スタートレック ネメシス/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

STAR TREK NEMESIS

STAR TREK NEMESIS DVDジャケット 邦題 スタートレック ネメシス
レーベル PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2002年
上演時間 116分
監督 スチュアート・ベアード
出演 パトリック・スチュワート、ジョナサン・フレイクス
ブレント・スパイナー
画面 2.35:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 / DTS 5.1ch 英語
DOLBY DIGITAL 2ch 英語、フランス語
字幕 英語、スペイン語

あらすじ

 ロミュランの母星でリーマスのシンゾンが代表につくことになった。シンゾンは、連邦に連絡を取り、一見和平交渉を開始しようとするものの、その野望を心のうちに秘めたままだった。ピカード艦長らは、シンゾンと交渉のテーブルに着き、シンゾンがピカードのクローンだということを知るが、シンゾンの野望を知るにつれ、彼と対峙することになる。しかし、シンゾンの建設した戦艦シミターははるかに強力で、エンタープライズを圧倒していた。データのプロトタイプである B4 の謎といい、シンゾンの野望をピカード艦長は阻止することが出来るのか。その戦いが今始まっていた。

レビュー

 映画版「スタートレック」の第 10 作目で、「新スタートレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション」の映画版第 4 作に当たるのが、この「スタートレック ネメシス」です。この作品は、劇場公開時に大コケしてしまい、DVD の発売でその挽回をしたという逸話を残しています。

 この作品は、脚本家のジョン・ローガンが「スタートレック 2 : カーンの逆襲」にオマージュを捧げた作品となっており、物語の焦点は、後半の戦闘シーンに当てられています。戦闘シーンは、従来のスタートレックシリーズでは考えられなかったほどに激しく、観ていて、違和感を感じるほどになっています。

 物語は、ピカードのクローンであるシンゾンとピカードの対峙と、データと B4 の対峙という2つの対峙を中心に描かれていますが、監督のスチュアート・ベアードがアクション監督出身な為、物語でその辺がうまく描かれなかったのが残念と言えるかと思います。

 ピカードは、自分のクローンであるシンゾンに自分と同じ光を求めようとしていますが、シンゾンは、自身の生き様から、光を求めずに、暗黒の心情を抱えたまま、ピカードに対峙していくことになります。しかし、その辺のことは、台詞で描かれるのみで、あまり深く描かれていません。その辺がうまく描かれれば、後半の戦闘シーンが生きてくるのに、と思わざるを得ません。

 一方、データと B4 の関係は、さらに中途半端な描き方といえます。B4 は、シンゾンの手先として描かれていますが、どうしてスン博士のプロトタイプとして登場したのかが、描かれていない為、納得のいかないストーリー展開になってしまったといえます。

 そうした人間ドラマを軽視して作られたのがこの「スタートレック ネメシス」であり、人間ドラマが主体のスタートレックシリーズとしては、失敗作とみなされてもしょうがないのではないでしょうか。監督の人選から失敗してしまっているのが、この「スタートレック ネメシス」だと言えるかと思います。

 先に書いたように、アクションシーンが主体となってしまったために、後半の戦闘シーンは、スタートレックシリーズでは考えられない程に激しいものとなっており、これはこれで観ていて気持ちいいものであります。圧倒的な力を持つシミターにいつものように破壊されまくるエンタープライズは、観ていてはらはらさせられるものがあります。今回は、他の 3 作と比べても破壊度が激しいものと言えるかと思います。「スタートレック 2 : カーンの逆襲」と並んで、戦闘シーンは観ていて迫力あるものに仕上がっているかと思います。

 物語ラストは、修理をしているエンタープライズを映して終わりになり、いつものように何処かにワープして終わりという感じではなくなっています。なんだかワープしないで終わるエンタープライズは寂しいものがありますが、これで「新スタートレック」の終わりを告げているものだとすれば、納得のいく、しかし釈然としない終わり方になるのもしょうがないかな、と思います。

 映像は、大変きれいで、上質のプリントを見せられている感じがしてくるほどにすばらしく仕上がっています。宇宙のシーンが多いのですが、鮮明な映像を提供してくれています。音響は、DTS 5.1ch を 2ch ステレオで鑑賞しましたが、戦闘シーンを中心に迫力ある音響効果を提供しています。しかし、台詞との音圧差が大きく、台詞にボリュームを合わせると、戦闘シーンでは音量が大きすぎと思わせるところもありました。

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