STAR TREK V:THE FINAL FRONTIER
邦題 | スタートレック5:新たなる未知へ | |
レーベル | PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 1989年 | |
上演時間 | 106分 | |
監督 | ウイリアム・シャトナー | |
出演 | ウイリアム・シャトナー、レナード・ニモイ、デフォレスト・ケリー | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch-EX 英語 DOLBY DIGITAL 2ch 英語、フランス語 |
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字幕 | 英語 |
あらすじ
惑星連邦、クリンゴン、ロミュランの中立地帯に位置する惑星ニンバス 3 で内乱が発生。その事態収拾のためにカーク艦長率いるエンタープライズがニンバス 3 に派遣される。しかし、事態収拾は内乱の首謀者サイボックによって失敗し、逆にエンタープライズを乗っ取られる。サイボックはヴァルカン人スポックの異母兄弟であり、人が心のうちに秘めている苦悩を開放してやることでエンタープライズのクルーたちも支配下に納めていく。サイボックの目的は銀河の中心にいるという神との邂逅にあった…。
レビュー
映画版の第五作目に当たる今回の作品は、ようやく独立した 1 作品としてみることが出来ますので他の作品を見ていなくてもスタートレックの予備知識を多少なりとも知っていれば楽しめる作品です。
前作がコメディ調で成功を収めた為、今作もコメディをちりばめた演出がなされていますが、前作ほどそれが機能しておらず、多少馬鹿ふざけになってしまっているきらいがあります。
また SFX のシーンも当時の最先端の映像からすると少々違和感を感じる雑な演出でちょっと残念なものがあります。
ただ、ストーリーの肝である「神との遭遇」という話は、オリジナルの TV シリーズなどでも何回か描かれている話ですので、興味深いものがあります。実際は神ではなく邪悪なエネルギー生命体だった訳ですが、これなども少々考えさせられるところです。
今回のゲストキャラクターであるサイボックがスポックの異母兄弟である、という設定は少々疑問を覚えないわけではないですが、彼が人の心のうちに秘めている苦しみを解放する力を持っているという設定はよかったのではないかと思います。ある意味神のような存在だともいえるでしょう。
その神のような存在が神を捜し求めるという話はなかなかひねってある設定かなと思います。
そんな中、唯一サイボックも銀河の中心にいる神も信じないカーク艦長にはまさにカーク艦長ならではのキャラクター設定ではないかと思います。銀河の中心にいる神に向かって「あなたは本当に神様か ? 」などと普通は質問しないでしょう。
映画としては、内容があまり濃い作品でもなく、観終わった後、「ああ面白かった。」という類の映画だと思います。(それが「スタートレック」シリーズとしては物足りないのですが)
どちらかというとオリジナルの TV シリーズのスペシャル版的な感じも受けます。テーマ的にはもっと掘り下げたほうが物語に深みが出てくる気もしないでもないのですが、まあ仕方のないことでしょう。
映像はやはり 80 年代の映画ということでフィルム調の画質です。最近のビデオ調の画質ではありません。それを考えるとさほど悪い画質ではないと思います。音響は、パッケージのどこにも書いてないのですが、DOLBY DIGITAL 5.1ch-EX でエンコードされています。そのせいもあるのでしょうが、オリジナルが DOLBY STEREO 4ch なのを考えると妙に迫力のある音響になっています。作品のイメージが少々変わってしまうくらいです。
ところでこの作品、監督はカーク艦長ことウィリアム・シャトナーが担当しています。前作、前々作がスポックことレナード・ニモイが演出していたのに対抗したようですが、残念ながらこの作品を見る限り演出力はレナード・ニモイのほうに軍配が上がるようです。
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