STAR WARS:RETURN OF THE JEDI(4K UHD Blu-ray UK)
No Image | 邦題 | スター・ウォーズ:ジェダイの帰還 |
レーベル | BUENA VISTA HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 1983年/1997年 | |
上演時間 | 135分 | |
監督 | リチャード・マーカンド | |
出演 | マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー | |
画面 | 2.39:1/HDR10 | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 / DOLBY DIGITAL PLUS 7.1ch ドイツ語、フランス語 / dts 5.1ch イタリア語 | |
字幕 | 英語、フィンランド語、ドイツ語、イタリア語、ノルウェー語、スウェーデン語、フランス語 |
あらすじ
ジャバ・ザ・ハットに炭素凍結されて置き物にされているハンを救うため、ルークやその仲間たちはタトゥイーンに戻った。そして、最初はC-3POとR2-D2が、続けてレイアがジャバの屋敷を訪れ、ハンを救出しようとする。しかし、その目論見は崩れ、ルークもジャバの屋敷に訪れるも捕まってしまう。炭素凍結から解除されたハンやルークは砂漠のサルラックの餌食にされようとしていたが、ルークがフォースの使い方をマスターしていて、逆襲に転じ、ジャバ一族を一掃してしまう。ジャバを始末したルークは惑星ダゴバに赴き、ヨーダの教育を受けようとするが、ヨーダは老衰でこの世を去る。そして、ルークは父であるダース・ヴィイダーと対峙する宿命を背負った。帝国軍は新たなるデス・スターを建設中で、銀河皇帝とダース・ヴェイダーがそこにいた。二人はルークをダーク・サイドに引きずり込もうと画策していた。そのデス・スターを破壊するには、惑星エンドアにあるシールド・ジェネレーターの破壊が必要だった。惑星エンドアにはハン、レイア、ルークが向かうことになり、デス・スター攻略にはランドが名乗りをあげた。惑星エンドアでは現地の住民であるイウォークがいて、C-3POを神として崇めていた。それを使って、ルークはイウォークを味方に引き入れる。そして、帝国軍のシールド・ジェネレーターの破壊に向けて動き出す。その中でルークはダース・ヴェイダーの中に良心が残っていることを確信し、一人帝国軍に投降する。そして、ルークはダース・ヴェィダーと銀河皇帝の二人と対峙し、ダーク・サイドの誘惑に立ち向かう。
レビュー
数々の謎や衝撃的事実を受けてシリーズ3作目にして、シリーズの中間部分の完結編になったのが、この「スター・ウォーズ:ジェダイの帰還」であります。物語はこの作品をもって完結し、以降はこの世界の前の時代の話や、その後の後の話へとシリーズが展開されていくことになります。今回、「スター・ウォーズ:スカイウォーカーの夜明け」の4K UHD Blu-rayのリリースとともに発売された「スター・ウォーズ:スカイウォーカー・サーガ」という9作品のボックスセットを入手し、それを鑑賞しています。
映画は前半パートと後半パートで分かれていると言えます。前半パートは、「スター・ウォーズ:帝国の逆襲」で炭素凍結されてしまい、ジャバ・ザ・ハットの置物にされてしまったハン・ソロの救出劇になっています。ジャバのもとに最初はC-3POとR2-D2が、続けてレイアが、そして最後にルークが訪れることになりますが、ルークのフォースをもってしてもジャバには敵わず、砂漠のサルラックの餌食にされようとしてしまいます。そこからルークの逆襲が始まるのですが、すでにジャバの手下の中にランド・カルリシアンもいて、ルークやレイアの活躍でジャバが始末されてしまうのは、爽快な展開であります。
後半パートは、帝国軍が新たに建設中の新デス・スター攻略に向けての反乱軍の抵抗がメインになります。ただ、今回は3つの視点が交互に描かれ、単純な反乱軍の抵抗になっていないのが特徴と言えます。一つはハン・ソロやレイアたちがデス・スターのシールド・ジェネレーターを破壊するために惑星エンドアに潜入し、現地の住民イウォークたちと交流を持ち、イウォークとともにシールド・ジェネレーターを破壊するまでが描かれています。このイウォークの存在はかなり大きく、原始的生活を営んでいたイウォークたちが、最新兵器を持つ帝国軍に数で圧倒するという展開は、「テクノロジーが全てではない」というメッセージを伝えているように思います。
二つ目の視点は、ランドを中心にした反乱軍のデス・スター攻略部隊の活躍であります。ハンのシールド・ジェネレーター破壊がなければ、ランドたちのデス・スター攻略は成功をしないわけで、シールドが起動したままのデス・スターに対してデス・スター防衛の帝国軍を撃破することで時間稼ぎをする様は、苦肉の戦略であると言えます。それが故にシールドが消えた後のデス・スター攻略は爽快感が広がり、かなり興奮するストーリーになっています。
三つ目の視点はルークのダース・ヴェイダーや銀河皇帝との戦いになります。と言ってもルークは単にフォースを使ってダース・ヴェイダーと銀河皇帝を倒す展開にはなっていません。ルークはダース・ヴェイダーの中にアナキン・スカイウォーカーだった頃の良心が残っていることを確信し、ダース・ヴェイダーを改心させようとします。しかし、邪悪なフォースの使い手である銀河皇帝がルークをダーク・サイドに誘惑してきます。その誘惑に対してルークがどう戦うのかが、大きなポイントになってきます。
前作「スター・ウォーズ:帝国の逆襲」で映像としてのみ登場した銀河皇帝は、今回実物が初めて登場するのですが、フォースのダーク・サイドに落ちた人物として、邪悪さを見事に表現していると言えます。反乱軍の抵抗を予期していて、それを楽しみながらルークがフォースのダーク・サイドに落とそうとするのは、ラスボスとして十二分に存在感があると言えます。その銀河皇帝を倒すのは、ルークではなくダース・ヴェイダーの中に残っていたアナキン・スカイウォーカーの良心であり、彼の心変わりが映画のサブタイトルである「ジェダイの帰還」を指していると言えます。かつて優れたフォースの使い手であったアナキンが、ダーク・サイドに落ちたものの、最後にはジェダイに戻ってきたというところに物語の重みがあります。その詳細は、プリクエル三部作で詳細に語られていくことになります。
ラストは帝国軍が崩壊し、反乱軍の勝利で決着しますが、ルークとしては父であったダース・ヴェイダーがアナキンとしてフォースのライト・サイドに戻ってきたことの方が重要で、これが物語の本来の完結を意味していると思います。イウォークたちの祭りの中、ルークは仲間たちに再開しますが、そこでフォースの幽体として現れたオビ=ワン、ヨーダと共にアナキンが並んでいるのを見て、フォースの安定が図られたことを悟ります。
映像は4K UHDで収録されていて、高コントラストにはっきりした彩度の色取りなど、見応え十分です。最初のタトゥイーンの砂漠のシーンから映像の解像度は優れていて、惑星エンドアの森の細部の描き分けなど、魅力を感じるシーンが多々あります。また、ルークとダース・ヴェイダーの対決シーンのコントラストも素晴らしく、映像に魅力があります。音響はDOLBY ATMOSでリミックスされたサラウンドになりますが、こちらも音の移動感やエンドアの背景音など、三次元サラウンドを体感するのには、十分なサウンドデザインを誇っています。シリーズを重ねるごとにサラウンドの効果がはっきりしている印象があります。
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