STEAMBOY
邦題 | スチームボーイ | |
レーベル | SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2004年 | |
上演時間 | 126分 | |
監督 | 大友克洋 | |
声の出演 | 鈴木杏、小西真奈美 | |
画面 | 1.85:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、日本語 DOLBY DIGITAL 2.0ch フランス語、スペイン語、ポルトガル語 |
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字幕 | 英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語 |
あらすじ
1866 年のマンチェスター、母と暮らす少年レイは、ある日祖父からスチームボールを受け取ってしまう。このスチームボールは、画期的な能力を秘めており、これを巡ってレイの元に様々な人物が襲い掛かる。オハラ財団に捕らわれてしまったレイは、父と再会し、スチームボールの本来の使用方法を巡って対立することになるのだが…。
レビュー
「アキラ」で有名な大友克洋が脚本も手がけた監督作最新作がこの「スチームボーイ」です。
物語は最初、スチームボールの開発を巡って、レイの父親と祖父とが協力していくシーンから始まります。最初は謎だらけの展開で、主人公であるレイが登場してくるシーンでも物語がどう転ぶのか分かりません。
その後物語はこのスチームボールの争奪戦となって度派手な展開となっていきます。前半の見所であるこの争奪戦で、誰が味方なのか分からなくなって来るような展開が繰り広げられていきます。最後には味方だと思われるスティーブンス達が一応スチームボールを入手したところでひと段落つきます。
しかし、その後もオハラ財団のスチームボール奪取は執拗さを増し、ついにレイは捕らわれの身となってしまいます。ここで父と、スカーレットという少女と出会うのです。父は祖父と科学技術を巡って対立しており、息子であるレイに同意を求めていきます。最初は父に同意する感じのあったレイですが、再び祖父が現れて、父を攻撃するのを見て、考えを改めていきます。
物語後半になって参りますと、ロンドンを舞台にオハラ財団のロンドン博覧会攻撃のシーンがメインとなってきます。オハラ財団は戦争の道具を金儲けに使用している財団です。スチームボールはその兵器の動力源として使われることになっていました。レイの祖父がそれに反対していることが物語が進むにつれて明らかになってきます。
一方オハラ財団の孫娘であるスカーレットは、無邪気な様子で、この金儲けに加担していきます。あまり科学技術の進化が人殺しの道具に使われるということに関心がない様子ではあります。
レイも父のやり方には反発しつつも、大英帝国の代理人であるスティーブンスが戦争を起こすのにも反発をし、一人必死に戦争を止めようと孤軍奮闘することになります。
物語自体は、派手な展開が続きますが、テーマとなっているのが科学技術の進化が人を幸せにするのか、ということにあると思います。舞台自体が産業革命のあった 1866 年にしているのも、それを示唆しています。主人公であるレイが少年なのも、その見極めを果たすのにちょうどいい年齢だからだと思います。対するヒロインのスカーレットは、飄々とした性格で、レイと対照的な印象を与えていきます。この二人を主人公にして、レイの父と祖父との対立を物語の中核に置いていきます。物語の最後に父と祖父とが和解をしているような雰囲気にあるのは、ロンドンの街を破壊してはならないといったレイの言葉に二人とも同意したからに他なりません。
画質は、いいのですが、黒いフィルターをかけてビデオ記録したかのような暗い画面になっています。これが制作者の意図した画面かと言われると、ちょっと違うと思います。暗いシーンが多いこともあって、結構見づらいシーンが多いことは特筆すべき点だと思います。音響は、DOLBY DIGITAL 5.1ch 日本語を 2ch ステレオで鑑賞しましたが、かなり迫力のある音響設計になっていて、不満がありませんでした。
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