TEAM AMERICA:WORLD POLICE
邦題 | チーム★アメリカ/ワールドポリス | |
レーベル | PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2004年 | |
上演時間 | 98分 | |
監督 | トレイ・パーカー | |
声の出演 | トレイ・パーカー、マット・ストーン | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 DOLBY DIGITAL 2ch 英語、フランス語 |
|
字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
フランスはパリでテロリスト達が大量破壊兵器の受け渡しをしようとしていた。それを阻止するのがチーム・アメリカ。壮絶な戦いの末にテロリスト達の殲滅を成し遂げるが、更なるテロリスト達の活動に際し、ブロードウェイの俳優であるゲイリーをスカウトしてテロリスト達の目的を探ろうとする。最初は嫌がっていたゲイリーだったが、意を決してメンバーに参加する。そんなさなか、北朝鮮の金正日が不穏な動きをしていた…。
レビュー
人気アニメ番組「サウス・パーク」の制作者チームが作った、スーパーマリオネーションムービーがこの「チーム★アメリカ/ワールド・ポリス」です。同時期に公開された「サンダーバード」が実写で実在の人間を使っていたのに比べると、人形で限界まで挑戦した意欲作だと言えるでしょう。
スーパーマリオネーションムービーということで、人形の動きはかくかくしていますし、リアリティ無視の状況なのですが、それが笑いを取る元にもなっていて、爆笑の連続が続きます。物語中盤で、ゲイリーと、メンバーの一人であるリサの愛し合うシーンなどは、実写だったら不可能と思われる描写をこれでもか、と映写していて、観ているこちらとしても苦笑をせざるを得ないと思います。
ゲイリーとリサのメイク・ラブシーンもそうですが、人形であるのをいいことに下ネタも沢山入れられていて、小学生レベルの描写が続きます。ゲイリーが酔っ払って吐くシーンなどはくどいと思わず言ってしまいたくなります。
物語冒頭では、フランスはパリでのテロリストとチーム・アメリカの戦いが描かれますが、テロリストを倒すためにパリの町中を破壊しまくるチーム・アメリカを見ていると、「どっちがテロリストだよ」と言いたくなってしまいます。その後もエジプトのカイロでの戦いですとか、正義のヒーローであるはずのチーム・アメリカが、まるでテロリストと同じように描かれているのは、一種の皮肉だろうと思います。まるで 2001 年 9 月 11 日以降のアメリカをおちょくっているとしか思えない描写が続きます。
その一方で、テロリストと手を組み、世界を恐怖のどん底に陥れようとする悪の頭領に北朝鮮の金正日を選んだところなどは、意外と時代背景を読んでいるのかな、と思わせるところであります。金正日が、悪の頭領であることを隠すために、ハリウッドの俳優協会と手を組んで平和の祭典を開くところなどは、何だかな、と思ってしまいます。
その俳優協会ですが、ハリウッドの有名俳優達が、多数出演しています。と言っても本人達に似せた人形であって、声の出演はぜんぜん違うのですが。彼らは、平和を愛しているといいながら、チーム・アメリカに対しては暴力を振るうのですから、これも俳優協会に所属する俳優達の偽善振りをおちょくっているものと思われます。
物語中盤で、チーム・アメリカの秘密基地(という割には世間一般に場所がばれている)がマイケル・ムーアの自爆によって破壊されてしまいますが、マイケル・ムーアの突撃シーンをからかっているようで、見ていて爆笑物でした。とにかく、すべてのものをからかいの対象にしているところがこの作品の肝ではないかな、と思います。
映像は、フィルム調の画質で、クリアな印象を受けます。人形劇ということで、人形を操る糸すらもすべて映し出されてしまいますが、それはご愛嬌というところでしょう。音響は、2ch ステレオで鑑賞しましたが、あまり効果的なサラウンドは発揮していなかったような気がします。人形劇ということも関係しているのではないでしょうか。
コメント