TERMINATOR 2:JUDGEMENT DAY 3D(Blu-ray 3D UK)
邦題 | ターミネーター2 3D | |
レーベル | STUDIOCANAL LIMITED. | |
制作年度 | 1991年/2017年 | |
上演時間 | 137分 | |
監督 | ジェームズ・キャメロン | |
出演 | アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、ロバート・パトリック | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語、フランス語 dts-HD MA 7.1ch ドイツ語 |
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字幕 | 英語、フランス語、ドイツ語 |
あらすじ
2019年の未来、自立型コンピーター、スカイネットと人類の戦いは続いていた。スカイネットの負けが明らかになり、スカイネットは人類のリーダー、ジョン・コナーを抹殺すべく、2体のターミネーターを過去に送っていた。1体は1984年にジョンの母になるサラ・コナーを抹殺すべく送られたが、作戦は失敗した。もう1体は1994年に少年時代のジョンを抹殺すべく送られた。人類はそれを阻止すべく、再プログラムされたターミネーターを過去に送っていた。サラは、スカイネットの完成を阻止すべく孤独な戦いをしており、精神病の患者扱いで精神病院に閉じ込められていた。また、ジョンは養父母と相性が悪く、素行も悪かった。そのジョンの前に新型ターミネーター、T-1000が現れるが、T-800型ターミネーターがジョンを保護する。そして、サラも精神病院から解放し、3人はT-1000の猛攻をかわしながら、スカイネットを抹消しようと企む。
レビュー
1991年に公開され、大ヒットを記録した「ターミネーター」の続編にあたる「ターミネーター2」を、劇場公開から26年ぶりに3D効果を追加して劇場再上映を果たしたのが、この「ターミネーター2 3D」です。映像自体もフィルムから4Kデジタルにブラッシュアップしており、従来の映像よりもより鮮明かつ発色の良さを示している作品であります。ただ、この劇場再上映自体は興行的にはあまり振るわなかったところもあります。
「ターミネーター2」の優れているところは、キャメロン監督のヒット作となった「ターミネーター」の続編でありながら、実質リメイク作品になっているところにあると思います。ストーリーの展開は非常に明快で、主人公を抹殺しに来たターミネーターとそれを阻止する人類の保護者が、戦いを繰り広げるというところにあり、「ターミネーター」を鑑賞していなくても、物語を楽しむことは可能になっているところにあります。もちろん、展開は「ターミネーター」の続編なので、細かい点は「ターミネーター」を見ていないとわかりづらい部分もあるのですが、登場人物の台詞等でその辺は補足されているので、この作品だけでも楽しむことはできます。
もう一つこの作品が優れているところは、人類の庇護者が「ターミネーター」では敵だったT-800型ターミネーターになっているところにあると思います。「ターミネーター」で主人公サラを抹殺に来たターミネーターは、倒しても倒してもサラを殺そうと立ち上がるので、得体の知れない怖さがありましたが、「ターミネーター2」では、サラとジョンを庇護する側に回っているので、頼もしい味方という安心感があります。
そのターミネーター、T-800型を上回る性能を有しているのが、ジョンの抹殺に動くT-1000型ターミネーターで、液体金属という新アイデアで観客にその強さを印象付けるものになっています。攻撃をしても液体ゆえに攻撃をさらっと躱してしまうその強さに、一体どうやって倒すのかが観客にテンションをもたらさせる仕掛けになっています。
「ターミネーター」では会話でしか話されていなかった「審判の日」が映像化されたのもこの「ターミネーター2」であり、核の恐怖や、機械が進化することの恐怖を明確な批判をもって描かれているのも特徴です。劇場公開から26年を経過して、実世界ではまだスカイネットのようなAIコンピューターは登場していませんが、それとは別にAIが進化しているのも事実であり、ある種の警告を持って映画は表現されているかと思います。
キャメロン監督の3D映画は「アバター」、「タイタニック」に続き3作目になりますが、1年をかけてリストアされた映像は、1991年の映画とは思えないクオリティを保っています。35mmフィルムから4Kデジタルに変換された映像は、現代の他のデジタル撮影の映画と同じく素晴らしい解像度と発色の良さ、デジタルサウンドの迫力とともに映画の魅力を増していると言えます。
Blu-rayでは3Dで鑑賞しましたが、ディスプレイの奥に映像が広がる奥行き感の素晴らしさに見とれてしまうところがあります。また、映像はおそらくですが過去のレーザーディスク、DVD、Blu-rayと比べても画面の明るさ、発色の良さがはっきりしていると思います。音響は、DVD時代には6.1chサラウンドになっていたこともありましたが、今回のBlu-rayはdts-HD MA 5.1chで提供されています。サラウンドも音の密度があり、映像の立体感と相まって、魅力的なサウンドを提供していると思います。
なお、この3D Blu-rayはイギリス版での鑑賞であり、なおかつ地域制限であるリージョンコードがBで固定されているので、日本やアメリカのプレイヤーでは鑑賞不可能です。鑑賞するにはBlu-rayプレイヤーのリージョンコードがフリーか切り替えられるようになっている必要があります。北米版では3D版のリリースがないので(4K版と2D版のみです)、その辺は注意が必要です。また、3D版は劇場公開版での収録になっています。2D版だと特別編や拡張特別編での鑑賞も可能ですが、4Kリマスターされているのは劇場公開版のシーンのみなので、特別編のシーンは画質や音質がかなり落ちます。
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