THE FORBIDDEN KINGDOM
邦題 | ドラゴン・キングダム | |
レーベル | LIONS GATE HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2008年 | |
上演時間 | 104分 | |
監督 | ロブ・ミンコフ | |
出演 | ジャッキー・チェン、ジェット・リー、マイケル・アンガラノ | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch-EX 英語 | |
字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
カンフー映画が好きなジェイソンは、中華街の店に入り浸っていた。ある日、ジェイソンは、その店で古い棒を見つける。店の主人が言うには、かなり古い棒で、正当な所有者に戻すまで、守っている、という話だった。その後、ジェイソンは、街の不良に絡まれ、中華街の店に入って金銭を探させられる。不良の一人が店の店主に発砲し、ジェイソンは棒を持って逃げ出すが、中国の辺境の村に転移してしまう。そこでは帝国が村を襲撃する行為を繰り返していた。ジェイソンもやられそうになるが、カンフー・マスターのルーに助けられる。その後、ルーにその棒の正当な所有者が孫悟空で、帝国のジェイド将軍によって封じ込まれたことを知る。ジェイソンとルーは、帝国の兵に襲われ、戦いをせざるをえなくなるが、次第に仲間としてスパロウと名乗る女性や、僧侶と出会い、棒を孫悟空に返却すべく、旅を始める。そして、その旅の中でジェイソンはカンフーをマスターしていく。
レビュー
カンフー・スターのジャッキー・チェンと、ジェット・リーが初共演した映画がこの「ドラゴン・キングダム」です。しかし、制作費を北米での興行収入では回収できず、若干ながら、失敗作とみなされています。
ジャッキー・チェンと、ジェット・リーという二人のカンフー・スターを登場させる映画にはなっていますが、主人公はこの二人ではなく、あくまでカンフー映画好きの気弱な青年、ジェイソンが主役の映画になっています。基本ベースは、このジェイソンの成長物語である、と言えるかと思います。
ジャッキー・チェン扮するルーと、ジェット・リー扮する僧侶は、あくまでジェイソンをサポートする役割に位置しています。しかしながら、アクション・シーケンスの見せ場は、どうしてもこの二人のカンフーが主体になってしまうので、主人公であるジェイソンの立ち位置が少しあやふやになってしまう、という欠点を持った映画かと思います。
そして、物語が最初現代のアメリカが舞台なので、ちょっと意外に感じましたが、じきに昔の中国が舞台に変わり、ジェイソンが持った如意棒をめぐって、帝国の王ジェィドの配下の兵士と、ジェイソン、ルー、僧侶、スパロウの戦いに移っていくところで、なんとなく昔見た香港映画を思い出させるものがあります。
香港映画と違うところは、やはり現代の映画ということもあってか、CGによる演出が随所に見られるところがあり、その辺の感覚が、単なる香港映画とは違うな、と感じるところでもあります。でも、往年のカンフー映画をリスペクトしているかのような演出もなされているかと思います。
孫悟空や中華街の店の主人を演じているのが、それぞれジェット・リーとジャッキー・チェンというのは見ていて気づかず、エンド・クレジットで初めて納得しましたが、この映画自体はファンタジーにある程度、傾倒しているところはあるかと思います。ジェイソンが、気弱な青年から、カンフー・マスターに成長する姿も、そのファンタジーを増大させる要素であるかと思います。ただのマニアから、自分が本当の戦士に成長するというのは、やはりロマンがあるかと思います。
ジェイソンのカンフー好きが現れているのは、彼の知識によるかと思います。テレビで見ている映画が孫悟空の映画だったり、ブルース・リーのポスターが部屋に貼ってあったり、その他彼の中華街の店でのチョイスしたDVDのジャンルだったり、ある種のファン向けに作られた映画であると思います。
映像はDVDにしては解像度もよく、色乗りが鮮明で、見ていて不満がありません。ノイズもきれいに除去されていて、鮮明な映像を提供しています。音響は6.1chなのですが、あまりサラウンドに音が回っていない感触を覚えます。途中、右サラウンドチャンネルからの音が出ていない現象があり、収録ミスかと思われる箇所もありました。
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