THE FOUNDER(Blu-ray)/ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

THE FOUNDER(Blu-ray)

THE FOUNDER Blu-rayジャケット 邦題 ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
レーベル ANCHOR BAY ENTERTAINMENT
制作年度 2016年
上演時間 115分
監督 ジョン・リー・ハンコック
出演 マイケル・キートン、ニック・オファーマン、ジョン・キャロル・リンチ
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語、スペイン語
字幕 英語

あらすじ

 マルチミキサーのセールスをしていたレイ・クロックは、なかなかミキサーが売れず苦労していた。そのレイの元にカリフォルニアのマクドナルド兄弟から話を聞きたいという話が舞い込む。ディックとマックのマクドナルド兄弟は、マクドナルドというハンバーガー店を経営していて、注文してから商品が出てくるまで短時間で提供する仕組みを考え出し、店は繁盛していた。その仕組みに感心したレイは、渋るディックとマックを説得し、マクドナルドをフランチャイズすることを考え出す。最初は彼の付き合いのある人たちにフランチャイズ権を与えて、マクドナルドを各地に出店していくが、ディックとマックの考え出したルールに従わない店が増えてしまい、レイは別の人たちにフランチャイズ権を与えることになる。そのフランチャイズの増加スピードにディックとマックは反発するが、レイの取り組みを止めることはできなかった。店が増えることにより、材料管理費が増大し、経営を圧迫するが、ある女性のヒントにより、管理費を抑制する方法をレイは思いつく。そして、ついにディックとマックの手の届かないところにマクドナルドは発展してしまう。

レビュー

 今や世界最大級のファストフード店、マクドナルドの誕生秘話を、マクドナルドの創設者、レイ・クロックと元々ファストフード店としてマクドナルドを運営していたディックとマックのマクドナルド兄弟との確執を含め、詳細に描いた伝記映画がこの「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」です。内容的には興味深い展開になっていますが、映画の興行収入としては失敗作として扱われています。

 世界最大級のファストフード店、マクドナルドの誕生秘話ということで、かなり関心を持って鑑賞しましたが、元々はディックとマックのマクドナルド兄弟がカリフォルニアで経営していたハンバーガー店、マクドナルドが最初の出発点ということで、タメになったな、というのが実感です。その1店のみのマクドナルドがどのようにして世界規模のチェーン店になったのかというところで、マクドナルドの創設者、レイ・クロックのいささか強引な発展方法がこの物語の肝であると言えます。

 ディックとマックのマクドナルド兄弟は、スピーディーにハンバーガーを客に提供する手段を考えつきますが、それは今のマクドナルドでも同じ方法をとっていて、なるほどなと感心します。ディックとマックが効率化を考え出すために、テニスコートに仮の厨房を描き、オペレーションを決めるというのは、なかなか面白い展開だったと思います。

 しかし、何より物語がすごいのは、レイが強引なやり方で、ディックとマックからマクドナルドの称号を奪い取っていく様だと思います。チェーン店を次々に打ち立て、財政難に陥ってもなんとか切り抜き、さらに効率化を図っていく様は、事実は小説より奇なり、ということわざを思い出させるところがあります。その一方でレイの家庭は崩壊をしていき、最終的には離婚に陥る様は、レイの波乱万丈な人生を表していると思います。

 レイは当初は単なるセールスマンだったのが、次第にマクドナルドの創業者に取って代わり、しかもフランチャイズ権ではなく、土地の管理をする会社としてマクドナルドを生み出していく様は、意外な展開です。ディックとマックにとっては、自分たちの母屋を取られた感を受けますが、最終的にレイのやり方を飲むしかないのが、悲劇的かなと思います。

 映像は昼間のシーンが多く、暖色系の色合いをしていますが、カラフルな色彩で解像度もしっかり出ていると言えます。ワイドスクリーンの画面は魅力的で、映画の展開をサポートしていると言えます。音響はdts-HD MA 5.1chですが、ドラマということで派手なサラウンドはないです。とはいうものの、環境音は要所要所でサラウンドし、音楽も広がる演出をしているので、不満のない音響効果を発揮しています。

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