THE GAME(Blu-ray)/ゲーム/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

THE GAME(Blu-ray)

THE GAME Blu-rayジャケット 邦題 ゲーム
レーベル THE CRITERION COLLECTION
制作年度 1997年
上演時間 128分
監督 デヴィッド・フィンチャー
出演 マイケル・ダグラス、ショーン・ペン、デボラ・カーラ・アンガー
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語
字幕 英語

あらすじ

実業家のニコラスは、子供の頃実父が自殺する現場を目撃して心に傷を負っていた。ニコラスは孤独でかつては結婚もしていたが、今は離婚していた。そのニコラスの48歳の誕生日に弟のコンラッドは、プレゼントをする。それはCRSという会社がレクリエーションを提供するというものだった。最初は気にも留めなかったニコラスだったが、次第にCRSのことが気になり、彼らの提供するレクリエーションを受けようとCRSを訪問し、様々なテストを受けた。そして、CRSのレクリエーションは始まった。しかし、そのレクリエーションはあまりに意外なもので、ニコラスは困惑する。次第にニコラスの生活をかき乱すものになっていったからである。最初は単なる悪戯程度のものだったが、次第に彼の生活基盤を脅かすものに変容していったのである。そして、コンラッドも「CRSが暴走して、ニコラスの財産を奪おうとしている」と断定し、ニコラスの元から離れていった。ニコラスはレストランで知り合ったクリスティーンという女性がCRSに関係していると思い、彼女を追いかけるが、クリスティーンに騙され、身包み剥がされてしまう。そして、ニコラスは逆襲を決意する。

レビュー

1995年の「セブン」の大ヒットで知名度を上げることになったデヴィッド・フィンチャーが監督し、マイケル・ダグラスとショーン・ペン、デボラ・カーラ・アンガーを主役に添えてサスペンスを描いた作品が、この「ゲーム」です。映画の評価は意外と高いのですが、興行収入は残念ながら製作費を若干下回る結果に陥っています。しかしながら、初期のデヴィッド・フィンチャーの作品としては、悪くない出来を示していると言えます。

この映画が面白いのは、「ゲーム」というレクリエーションを提供するCRSという会社に関わった主人公ニコラスが、次第に自分の生命まで危機に陥れられるという展開を繰り広げておきながら、クライマックスで大どんでん返しを展開するというとんでもない落ちが待っている点にあると言えるでしょう。レクリエーション自体が最初はゲームだったものが、次第にニコラスの生活基盤を崩し始め、最終的には生命の危機まで陥れられるという展開に、物語の盛り上がりがあると言えます。

そして、そのレクリエーションは、彼の周囲の人間にも関係があることとされ、ニコラスは誰を信じていいのかが分からなくなっていく点に、物語のポイントがあると言えます。時間が経つにつれ、段々CRSの動きが派手になっていく中、ニコラスはただ一人、クリスティーンという女性を信じるしかないところに、この映画の怖さがあります。

ニコラスにCRSを紹介した弟のコンラッドも、途中からCRSの暴走に恐れを感じ、ニコラスを放置して逃げてしまうところに、兄弟の関係の崩壊を感じることができます。誕生日プレゼントだったはずのレクリエーションが、プレゼントではなくなってしまうところは、作品の肝になっているところであり、結末に向けて疾走感を感じるところであります。

その結末が、これまで物語で積み上げてきたものを全てちゃぶ台返しでひっくり返すところが、唖然とするところであり、この映画の優れたポイントになっているところでもあります。結末が意外な展開であるが故に、この「ゲーム」の印象を強くするところがあり、いい感じの終わり方になっているなと思います。結末は、ニコラスが見た実父の自殺風景の再現であり、それが故の大どんでん返しがこの映画を綺麗に終わらせる話になっていると言えます。

映像は画質に定評のあるクライテリオンであるので、2Kの解像度でも文句のない映像を提供しています。フィルムからのテレシネなので、解像度は十分にあり、フィルム特有のグレインノイズが物語全般を覆っています。暗いシーンは完全には黒にはなりませんが、それでも階調が出ていて、リアリティがあります。色乗りも十分で、落ち着いたトーンの映像になっています。音響はdts-HD MA 5.1chで収録されていますが、諸事情によりAVアンプのサイレントシネマ機能を使ってヘッドフォンでの鑑賞になります。サラウンド感はヘッドフォンでも十分に感じられますが、流石に音の移動感には制限を感じるところであります。重低音は十分に機能しており、響き渡る演出がなされています。

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