THE INCREDIBLE HULK
邦題 | インクレディブル・ハルク | |
レーベル | UNIVERSAL STUDIOS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2008年 | |
上演時間 | 112分 | |
監督 | ルイ・レテリエ | |
出演 | エドワード・ノートン、リヴ・タイラー、ティム・ロス | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、スペイン語、フランス語 | |
字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
科学者のブルースは、自身の実験の結果、脈拍が200を越すと超人ハルクに変身してしまう体になってしまった。その力を軍の兵器として利用しようとするロス将軍はブルースを追いかけるが、ブルースはブラジルに身を潜め、インターネットで他の科学者と連絡を取り、その力を無効化する道を探っていた。しかしその為には自身の研究結果が必要で、その情報はアメリカにしかなかった。そして執拗な軍はブルースがブラジルにいることを突き止め、彼を捕獲しようと追い詰める。ブルースはハルクに変身をし軍を振り切った後、アメリカに辿り着き、恋人だったベティと再開して変身の無効化を探し求めるが、軍の一人であるブロンスキーがブルースの変身の時のサンプルを元に自分もハルク化して街で暴れだす。
レビュー
2003年に実写映画化された「ハルク」の再映画化がこの「インクレディブル・ハルク」です。2003年の「ハルク」はファンの間で評判が悪く、今回の再映画化という運びになってしまいました。とは言うものの、すでに一度は映画化されているためにハルク誕生の秘密を描くことは極力抑えています。
当初映画雑誌などで「この映画はリブート作品だ」と言われていたために、前作「ハルク」を未見のまま今回の「インクレディブル・ハルク」を観ることになって一番気になったのが、「ハルク」誕生秘話が分からないまま作品を見て大丈夫だろうかということでした。しかし心配は杞憂でした。ハルク誕生の秘密はオープニング・クレジットで手早くまとめられ、後はその設定のままストーリーが進むので、何も困らないというストーリー展開でした。
今作ではとにかくハルクが暴れるシーンをメインに置き、観客の溜飲を下げるというところに力点が置かれているように思います。物語冒頭がブラジルということで最初「一体どう展開していくのだろう?」と不安になりましたが、ある事故からブルースの居場所が軍にばれてしまい、ブラジルでの軍都ブルースの逃走劇とハルクへの変身、そしてハルク大暴れと期待を裏切らない序盤を見せてくれます。
物語はブラジルでの大乱闘の後ハルクになることを抑えこむ治療薬を求めてブルースが移動し、アメリカに舞台を移動させますが、こちらでも大学での軍とハルクとの対決シーンなど、観ていて爽快感を感じる暴れっぷりです。
恋人であったベティとの再開と愛情の確認も、今作だけでも十分に伝わってきます。ベティの父親が軍の将軍ロスという設定もベティの葛藤を感じさせるところだと思います。多分2003年の「ハルク」でも描かれていたと思うのですが、ベティとブルースの心の絆が強力であるため、ブルースがハルクに変身してもベティは彼を裏切ることがありません。
今回の特徴はハルクが二人になって登場するということでしょうか。軍の一人であるブロンスキーが自らハルクに変身することを望んでブルースのサンプルを自分に注入し、クライマックスでもう一人のハルクとなって街で暴れまくります。このハルクを抑えるためにブルースは自ら望んでハルクに変身するのですが、この辺も元々ハルクに変身することを望んでいなかったブルースの心境の変化みたいなものを描いていて見応えがあります。
「インクレディブル・ハルク」はマーベル・コミックの人気漫画の一つではありますが、アメリカでは出版社の同じヒーロー物は同じ世界観で存在しているという規則があるために、物語ラストではとある人気キャラクターが登場し観客を喜ばせます。そのキャラクターも当然実写映画化されているのですが、その時の俳優がちゃんと演じているために、世界観を保つのに一役買っていると思います。
映像は、少し暗めの落ち着いた感じのする映像です。これはハルクになった時のCGを少し実写に馴染ませるための処置ではないかと思うのですが、色合いはちゃんと出ているにもかかわらず、あまり鮮やかな感じではなく、陰鬱な印象を与えます。音響は5.1chの音響がフルに鳴っていて、空間方位が広い印象があります。低域も出ていて、ハルクが暴れるシーンなどはその場にいるような印象を与えます。またサウンドトラックの広がり感も中々なものです。
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