THE INTERVIEW(Blu-ray)
邦題 | ジ・インタビュー(原題) | |
レーベル | SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2014年 | |
上演時間 | 112分 | |
監督 | セス・ローゲン&エヴァン・ゴールドバーグ | |
出演 | ジェームズ・フランコ、セス・ローゲン リジー・キャプラン |
|
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語、フランス語 DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語 |
|
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
デイヴ・スカイラークと、アーロン・ラパポートはコンビを組み、アメリカで人気のテレビショー「スカイラーク・トゥナイト」を放送していた。その彼らに北朝鮮から、第一書記の金正恩を出演させるよう依頼がくる。金正恩第一書記は、この番組のファンだったので、自分が出演して、国家の安定を図りたいという狙いがあった。北朝鮮は、核ミサイルを準備していて、アメリカに脅威が迫っていた。それを危惧したCIAは、デイヴとアーロンが北朝鮮に赴くのを知って、インタビューついでに金正恩第一書記を暗殺するよう依頼する。CIAは絆創膏型の毒薬を開発していて、手に貼った絆創膏で握手をすると、相手を毒殺することができるというものだった。デイヴとアーロンは平壌に到着し、金正恩と面会するが、その人の良さにデイヴは暗殺を戸惑う。そしてアーロンは、北朝鮮の女性兵士と親密になり、暗殺の真相を知っていく。
レビュー
北朝鮮の金正恩第一書記を暗殺するという内容から、北朝鮮より抗議が来て、テロの脅威からアメリカですら劇場公開が限定になり、ネット配信で一躍ヒット作になってしまった映画がこの「ジ・インタビュー(原題)」です。日本でもそのニュースは流れましたが、日本ではコメディーはヒットしないという理由から、劇場公開は元から、これを書いている2015年4月現在DVD/Blu-rayリリースすらされていない状態です。
内容としては、前述のようにコメディーなのですが、これまで核の脅威でしかアメリカでは語られてこなかったと思われる北朝鮮を、茶化しているとはいえ、それなりに描いた映画は初めてではないかと思います。そういう意味では、かなり貴重な内容の映画であるといえます。また、北朝鮮が舞台であるために、普段のハリウッド映画とは雰囲気が少し違うかなと思います。
金正恩という北朝鮮の若き指導者をメインのキャラに供えたのは、野心的な試みであるといえます。その金正恩の人となりが、物語途中で詳細に描かれているところが、後半の主人公、デイヴの金正恩へのインタビューでの本性を現すところへのオチへと繋がっているところが、見どころではないかなと思います。
一方で、アメリカ人の感性で脚本を書いているために、ハリウッド映画でよくある「勘違い日本」のような雰囲気も、この作品では感じられます。何かが違う、という感触がこの映画からも感じ取れます。それは、北朝鮮の女兵士、ソクとアーロンの感情の交流のあたりがそれを代表しているような気がします。北朝鮮の兵士が簡単に上の方針に逆らっていいのか、というところがその辺りに相当するのではないかと思います。
コメディー色を出すためでしょうが、デイヴを演じるジェームズ・フランコは結構オーバー・アクトであるといえます。それがわざとらしい感じもしますが、セス・ローゲンが元々コメディー専門なので、その辺りで釣り合っているような気がします。この二人のやりとりも、物語の見どころの一つだと思います。特にデイヴが金正恩に触れて、暗殺に躊躇し始めるところは、デイヴとアーロンの意見の相違が明確に目立ち、二人のオーバーアクトが、話をどこに落とし込むのか、ハラハラ感を演出しています。
コメディー映画ではありますが、結構バイオレンス色の強い映画でもありまして、血が吹き出したり、指を切り落とされたり、頭を吹き飛ばされたりと、その辺も面白いところではあります。特にバイオレンス色は後半に強く出ていて、「なぜこうなる?」という面白さを出していると思います。
映像は精細感がすごく、また北朝鮮独特の寒さを演出するかのような色乗り感が素晴らしいと言えます。精細感がすごいために、バイオレンスシーンがはっきり見えすぎて、グロい気もします。音響も5.1chを結構フルに使っていて、コメディーらしくない音の移動感やサラウンド感が強い作品です。
コメント