The NEW WORLD/ニュー・ワールド/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

The NEW WORLD

The NEW WORLD DVDジャケット 邦題 ニュー・ワールド
レーベル NEW LINE HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2005年
上演時間 135分
監督 テレンス・マリック
出演 コリン・ファレル、クオリアンカ・キルヒャー、クリスチャン・ベール
画面 2.35:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語
字幕 英語、スペイン語

あらすじ

 イギリスから新天地アメリカにやってきたスミスは、原住民であるインディアンたちと生活を共にすることになる。その中で、村長の娘であるポカホンタスと恋仲に落ちていったスミスだったが、彼はイギリスに戻ることになり、ポカホンタスに死んだことにしてくれ、という伝言を残して彼は去っていった。悲しみの中、ポカホンタスは、イギリス人達の生活に慣れていき、そして結婚をするが、スミスのことを忘れた日々はなかった。

レビュー

 ディズニーアニメでも有名な「ポカホンタス」の物語を映像の天才、テレンス・マリックが映画化した作品がこの「ニュー・ワールド」です。

 物語は、前半スミスの視点で描かれ、後半はレベッカと名前をつけられるポカホンタスの視点で映像が描かれていきますが、物語を語るのに、雄大な自然を描いているところに今作の特徴があります。

 とにかく、人間の営みよりも大自然の描き方の方がすごくて、映像美を見せつけてくれます。その自然の中では、新天地アメリカを目指すイギリス人もそこで暮らすインディアンもちっぽけなものとして描かれています。

 大抵の開拓史では、インディアンとイギリス人の抗争が物語の中心となりますが、今作ではその話もあまり描かれず、物語中盤で、多少の抗争が描かれるのみとなっています。

 物語は、スミスとポカホンタスの恋愛関係を描いていきますが、絶えず、どちらかの背後からカメラが覗いているという構図で映像が描かれるため、どことなく客観的な視点で映像が描かれているのが、印象的でもあります。その分、物語の感情移入度が低めだな、という感じを受けます。

 「ニュー・ワールド」という言葉は、イギリス人から見ると、新天地アメリカという事になり、主人公スミスの体験するインディアンの生活そのものとなりますが、インディアンの娘、ポカホンタスからすると、イギリス人の生活や、後半訪れるイギリスそのものが「ニュー・ワールド」と言えそうです。

 ポカホンタスは、最初天真爛漫な娘として描かれていますが、後半にいくにしたがってだんだんうつむき加減になり、何か苦悩を抱えたかのような装いを漂わせていくことになります。これは、スミスとの別れと、新しい男の登場と結婚という人生の転換期に彼女が感じ取ったということに起因しそうです。

 画質は、多少赤みのあるシーンがありますが、全般的にはクリアで鮮明な画像を提供しています。アメリカの大自然をこれでもかというくらいに見せつけてくれます。音響は、サウンドトラックと環境音が背後に回りこみ、立体音響を形成しています。中盤の戦闘シーンでは、重低音が鳴り響きます。

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