THE PRESTIGE(Blu-ray)
邦題 | プレステージ | |
レーベル | TOUCHSTONE HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2006年 | |
上演時間 | 130分 | |
監督 | クリストファー・ノーラン | |
出演 | ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | PCM 5.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語、スペイン語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
19世紀、若い二人のマジシャンが技を競い合っていた。彼らはカッターというマジシャンのもとで指導を受けていて、最初は簡単なマジックを、徐々に複雑なマジックをこなすようになっていた。しかし、若いマジシャンの一人、アンジャーの妻が、マジックの途中で水槽から出られなくなり、死亡したことから、アンジャーはもう一人の若いマジシャン、ボーデンを恨むようになる。二人は袂を違い、お互いに抱えた秘密のマジックを自分のものにしようと、情報入手に努める。アンジャーはテレポーテーションの技を取得し、喝采を得るが、ボーデンも新たな技術を磨いて対抗していた。そして、アンジャーは電気を使ったテレポーテーションの技を披露するが、その途中で水槽に落ち、溺死する。その場に居合わせたボーデンは、アンジャー殺害容疑をかけられ、刑務所に入ってしまう。ボーデンは刑務所でアンジャーの日記を読んで自身の行く末を待っていた。
レビュー
近年、IMAXフィルムで映画の大部分を撮影し、フィムルの良さを主張する映画監督、クリストファー・ノーランが「バットマン・ビギンズ」の後に製作したのが、この「プレステージ」です。興行収入は成功を収め、批評家、観客の両方から高い評価を得ている作品になっています。「プレステージ」とは、マジックの最後の段、意外な結末になることを指していまして、映画そのものが実は「プレステージ」的作りになっているのが特徴です。
この映画は原作があり、クリストファー・プリーストの「奇術師」をベースにした作品になっています。しかし、作品は映画の面白さと同時に、マジックの面白さと危険性を一度に描いたものになっており、マジックの裏側がわかるようになっています。主人公の二人のマジシャンが、互いに切磋琢磨し、マジックの腕を上げていく様は、一種の成長物語と言えなくもないです。
物語冒頭で水槽に落ちたアンジャーが溺れて死亡し、その容疑にボーデンがかけられるところから物語はスタートします。ボーデンが刑務所の中でアンジャーの日記を読むところから、物語は過去からのアンジャーとボーデンの関係を少しずつ描いていきます。最初はお互いを認める関係だった二人が、アンジャーの妻が水槽で溺れて死亡し、そうなったのはボーデンの仕業である、と思い込んだアンジャーがボーデンと仲違いし、ボーデンもアンジャーを意識するようになり、お互いの秘密のマジックを探すという執着心に囚われた行動をします。
ボーデンには妻も子供もいますが、アンジャーが「ボーデンの秘密を探るように」と差し向けた新たな女性パートナーと恋に落ちるところから、話は複雑さを増してきます。ボーデンの妻はボーデンの心移りに絶望しますし、女性パートナーはアンジャーに秘密をなかなか渡さないしで、二人の確執がどんどん強くなっていくのが、物語の中心になっています。
この記事の最初で「映画そのものが実はプレステージ的作りになっている」、と書きましたが、クライマックスは予想外の展開で、アンジャーとボーデンの最後はマジックも色あせるほどの展開が待っています。そんなラストでいいのかとすら思いますが、ラストのオチがまさに「プレステージ」なので、映画の意図としては、成功を収めていると言えます。
映像はBlu-rayですので、フルHDの2.35:1のアスペクト比で構成されています。フルHDなので4Kほどの解像度はありませんが、それでも映画を見るのに解像度に不満を感じるところはありませんでした。色乗りも十分で、マジックの鮮やかさを見事に再現していると言えます。音響はBlu-ray初期のディスクのせいか、非圧縮のPCM 5.1chが収録されています。音響効果は抜群で、マジックのシーンや会話のシーン、環境音などが前後左右に広がって聴こえます。また、オーケストラの音楽もいい具合に広がりを見せ、これも満足感が高いです。
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