THE SIMPSONS MOVIE/ザ・シンプソンズ MOVIE/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

THE SIMPSONS MOVIE

THE SIMPSONS MOVIE DVDジャケット 邦題 ザ・シンプソンズ MOVIE
レーベル 20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2007年
上演時間 87分
監督 デヴィッド・シルヴァーマン
声の出演 ダン・カステラネタ、ジュリー・カヴナー、ナンシー・カートライト
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 DTS 5.1ch 英語
DOLBY DIGITAL 2.0ch スペイン語、フランス語
字幕 英語、スペイン語

あらすじ

 スプリングフィールドの湖が産業廃棄物のせいで汚染されており、それに心を痛めたシンプソン家の長女リサは、市民に訴えかけ、湖の清掃と、不法投棄の禁止を執り行う。しかし、豚をたまたま飼ってしまった父親のホーマーが豚のえさ用のサイロを不法投棄したことにより、国家が動き出し、スプリングフィールドをドームで覆い隠してしまい、外部との接触を断たれてしまう。怒った市民はホーマーに怒りをぶつけるが、ホーマー一家はドームの外に抜け出し、アラスカへと逃亡する。しかし、スプリングフィールドの市民がだんだん荒廃していくのを見た妻のマージはスプリングフィールドに戻ろうとする。一人取り残されたホーマーは、アラスカの原住民との交流を経て、ある決意をするのだが、その頃国家はさらなる動きを見せていた。

レビュー

 アメリカでは大変人気の長寿アニメ番組、「ザ・シンプソンズ」を初めて映画化したのがこの「ザ・シンプソンズ MOVIE」です。アメリカでは当然のごとく大ヒットしましたが、日本では声優の話題作りのために所ジョージなどを起用したことにより一部の熱心なファンの怒りを買い、劇場では全くヒットせず、DVD発売時に元々のテレビシリーズの声優たちを起用したトラックを載せて発売するという苦肉の策に出た作品でもあります。

 「ザ・シンプソンズ」の特徴はといえば、家族愛だとか、愛国心を最後に訴えかけつつ、物語冒頭ではブラックな笑いを取るという構成をとっているところにあります。この映画版でも例外なく最初はシンプソン一家の長男バートを全裸でハンバーガーを買いに行かせるというギャグを飛ばしています。

 しかしそのハンバーガー店で見かけた豚を飼い始めたことにより、物語は一気に加速していくこと人なります。ホーマーが豚のえさを入れたサイロを湖に投棄したことにより、湖は汚染されてしまい、国家によって隔離されるという展開を見せるのです。スプリングフィールドという町はテレビシリーズでもたびたび危機を迎えることはあったと思いますが、今作の危機はテレビシリーズの比ではないと思います。

 国家を代表する政治家の名前がなぜかシュワルツェネッガーになっているのは、ジョークのつもりだと思いますが、結構笑わせてくれます。スプリングフィールドに対する施策をとるときに、いくつかのプランの中からまるでおみくじでも引くかのように選択するのは、国家をおちょくっているのと思われます。

 今作では、後半ホーマーが家族に見捨てられてからどういう行動をとるかが物語の主題になっていますが、一方で息子であるバート物語冒頭で描かれた全裸でハンバーガーショップまで買いに行くというところから父親に対する不信感が最後まで続いていて、それをどう解消するのかが見所の一つになっています。

 物語としては、舞台であるスプリングフィールドの荒廃と再生およびシンプソン一家の家族の復権がテーマになっていて、最後はうまくまとまるのがシリーズの人気の一つだと思いますが、映画版としてもそれがうまくできているなというのが感想ではあります。

 物語では赤ちゃんであるマギーが結構活躍していたりするところも見どころでありますが、やっぱり主役はホーマーなのではないかと思います。彼の家族との折り合いのつけ方に映画版ならではの見ごたえがあるのではないかと思います。

 映画版ということもあり、ワイドスクリーンでの上映となりますが、結構その横幅を意識した画面構成をしているような感覚があります。カメラがぐるっとまわりこむようなシーンが結構印象に残っていて、映画ならではの見ごたえがあるものと思います。

 テレビ版ではおなじみの劇中劇である「イッチー&スクラッチ」も映画冒頭で登場していて、そのブラックな笑いを提供しているのも本作の特徴ではないかなと思います。もちろんこれは「トムとジェリー」の「ザ・シンプソンズ」版といった内容であり、残虐なシーンが多いのがその特徴となっています。その他にも他の映画からの引用を受けているシーンもいくつかあって、映画ファンならばニヤリとさせられること請け合いです。

 映像はアニメということもあってか、大変クリアでノイズ等は見当たりませんでした。色合いも鮮明で、DVDであることを忘れてしまいそうな画質をしています。サウンドはDTSということで、結構迫力があります。

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