THE WALK(Blu-ray 3D)
邦題 | ザ・ウォーク | |
レーベル | SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2015年 | |
上演時間 | 123分 | |
監督 | ロバート・ゼメキス | |
出演 | ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ベン・キングズレー、シャルロット・ルボン | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語/DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語、タイ語 | |
字幕 | 英語、広東語、中国語、フランス語、インドネシア語、韓国語、スペイン語、タイ語 |
あらすじ
フランスで育ったフィリップは、幼い頃、サーカスを見て、綱渡りに興味を覚える。フィリップは、サーカスの綱渡りの男、パパ・ルディに綱渡りの術を教わり、大道芸人として生計を立てながら、ノートル・ダムのタワーを綱渡りで成功したりしていた。そのフィリップが、興味をそそられたのが、1974年に竣工したニューヨークのワールド・トレード・センターだった。当時世界最高峰の高さを誇るセンターのノースタワーと、サウスタワーの間に綱を張って、その間を綱渡りするという夢にとり憑かれていた。フィリップは、同じく音楽で生計を立てる女性アニーなどの仲間を揃え、ニューヨークに渡り、ワールド・トレード・センターの綱渡りを実施するための調査を行う。そして、1974年8月6日に綱渡りを実施することを決め、決行する。
レビュー
実在の人物、フィリップ・ペティが1974年に行った、ニューヨークのワールド・トレード・センターの綱渡りの顛末を、アカデミー賞受賞の名監督、ロバート・ゼメキスが演出したドラマが、この「ザ・ウォーク」です。作品の出来は悪くはないと思いますが、残念ながら、興行収入としては失敗に終わっています。
実話の映画化ということで、物語の結末は最初から分かってしまうのが、弱点かとは思いますが、特殊技術を駆使した1974年のニューヨークと、今は無きワールド・トレード・センターを描いた作品としては、なかなか見応えがあるかと思います。特に、この作品は3Dを意識した作品になっていて、3Dで鑑賞すると、その臨場感が恐ろしいぐらいに伝わってきます。
主人公のフィリップは、子供の頃にサーカスで見た、綱渡りに関心を持ち、自分で練習をして、後にサーカスに所属するパパ・ルディに師事することになるのですが、彼のあくなき綱渡りへの関心は、見ていて一直線だな、と思わせるところはあります。物語自身が、フィリップのナレーションで進行していくので、少し客観的視点で鑑賞できる感触はあります。
そのフィリップをサポートするアニーや、その他のメンバーの存在というのも、大きいと思います。彼ら、彼女たちがいなければ、フィリップが高いビルでの綱渡りを実施するための準備はできないというところがあり、脇役としては重要な位置付けにあります。ただ、それでも存在感がフィリップより低く、ちょっとインパクトに欠けるきらいはあるかと思います。綱渡りをするのがフィリップなので、そうなるのも仕方ないのですが、もう少し、彼らの印象が強いと、物語的に盛り上がるかなと思います。
物語中盤から後半にかけては、フィリップのワールド・トレード・センターでの綱渡りを中心に描いていますが、最初、フィリップがあっさりと綱渡りをしてしまうので、「これだけ?」と拍子抜けしていたら、実はその先があって、という展開で、結構面白く感じられました。そのあたりは映画を見ていただきたいのですが、まさかこういう展開になるとは、というのが見た感想です。
ラストショットが、ワールド・トレード・センターの映像で終わりますが、2001年の同時多発テロですでにこの世にないビルディングを、印象付けることに成功しているような気がします。そういう意味では、この映画のもう一人の主役とは、ワールド・トレード・センターそのものではないかと思います。
映像は3Dで、立体感と奥行き感が素晴らしく、ワールド・トレード・センターの地上からの高さをかなり強烈に演出しています。解像度や、色彩も素晴らしく、立体感をサポートしている感覚を受けます。音響は5.1chで、物語としてはドラマに属する作品であることから、控えめなサラウンドであると言えます。とはいえ、要所要所ではサラウンドに音を振っていて、その臨場感を高める効果を出しています。
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